偏食の子。食べない!ではなく、食べられるから広げよう!
4月に入園した3歳児の子。
偏食で食べれるものはごくわずかでした。
朝食も食べるのも一苦労で、なにか口にしてくれば良いとし
一日のエネルギー源が、お菓子か炭水化物のみっといっても
おかしくないような状態でした。
入園当初食べられた物
白米
素うどん
唐揚げ
ポテト
豆腐
カレー
味噌汁(汁のみ)
鮭
基本はこんな感じでした。
入園して半年の今、食べてくれたもの
人参
玉ねぎ
キャベツ
ごぼう
レンコン
ピーマン
ほうれん草
小松菜
しめじ
豚レバー
卵スープ
など
色々な食材を口にしてくれるために、やったこと
「食べられるもの」から広げることを考えました。
食べられるものに目を向けて、共通点を探したのです。
まずは、唐揚げ・ポテトからカリっとした食感、
ごはんや豆腐、うどんは色の共通点を感じました。
それらのことから私がやったことは、
野菜を唐揚げの様に揚げ焼きにしてみる。でした。
出来上がった時のカラっと感も意識して、温度や調理時間も調節。
また、焼き色も意識しました。
いきなり初めからは食べてくれませんでしたが
色々と試していくたびに、手を伸ばしてくれるようになったのです。
私にできること
やはり、炭水化物だけでは体の成長に影響を与えます。
入園当初は、
・活力がなくすぐに座り込む
・集中力もない
・思い通りにいかないと癇癪をあげる
など、先生たちもどうしたら気持ちよく
一日園生活を過ごしてくれるか頭を抱えていました。
栄養士の私ができること。
それは食・栄養面からのアプローチです。
どうしたらいいのだろう。で終わらせず、
何ができるか?で考えました。
私としては、栄養が全く足りていないことが気がかりだったため
まずはタンパク質とビタミン類を!!!を意識して
とにかく口にしてくれるものを、毎日出し続けました。
タンパク質は鮭なら食べてくれたので、毎日、焼き鮭を。
野菜は人参なら食べてくれるようになったので、揚げ焼きにして。
その他は、その日のメニューで出てくる食材を、別に揚げ焼きにして
出しみる。
食べなくても全然OK!のマインドで
とにかくお皿に毎日乗せることをし続けました。
変化が表れてきた
少しずつ少しずつ、栄養も足りてきたのか
精神面でも少しずつ落ち着いてご機嫌に過ごせる時間が増えたり
身長も体重も増えたり
遊びへの集中力が増してくるようになりました。
「人の体は食べ物でできている」
を目の当たりにした感覚でした。
毎日お皿に出し続けることで
徐々に色々な食材へ手が伸びることも増えていきました。
色々といい方向へ螺旋階段の様に回りながら登っていく。
そんな感じがしています。
気づけば毎日、給食室の窓に張り付いて
覗きに来てくれるようにもなったのです。
調理をする光景、音、におい
そんなものも五感への刺激となっていたのかもしれません。
私の役目
給食で食べてくれた!嬉しい!
で、終わりではないと思っています。
私の役目は、園以外でも食べられるようにサポートすること。
家庭や外出先でも、食べられる、口にするものを増やすことが目標です。
偏食の子を持つ親御さんは、普段の食事でも悩み、
楽しい外出でも、何なら食べてくれるか?
と考えてしまします。
私としては、これからの長い人生、少しでも一品でも
食べてたい!っと思える物を増やしてあげたいのです。
そう簡単に食べてくれるようにはなりませんが
時間はかかっても、ゆっくりゆっくり慌てずに、その子のペースに合わせて
自然と意欲が出るように、できることをこれからもサポートしていきます。
卒園の頃には、どんな変化や成長がみられるのか今から楽しみでなりません。