ベースを始めた理由
エレキベースが届いた!
子供の頃に数年間ピアノを習って以来、楽器に触るのなんておよそ30年ぶりのこと。しがない会社員の私がなぜ突然ベースを買ったのか‥
毎日の仕事と、彼氏との干支が一周した同棲生活、たまに友人とのお酒。それだけで満足していて、新しい何かを始めることなど考えてもいなかった。
そんな10月のある日。毎週見ているお気に入りのテレビ番組に出てきた懐かしのバンド。友人がこのバンドのキーボードのファンだったのでメンバーの名前は全員言えるし、歌詞を見ずに歌える曲もいくつかある。ただ、大ファンだったわけでもなく、懐かしさで見ていた。そして、曲が終わる頃にはベーシストに夢中になっていた。・・・かっこいい‥!!記憶より当然歳はとったけれど、あの頃よりかっこよくなっている!!顔、衣装、佇まい、動きのどれもが魅力的!!
気になると調べずにはいられない性質の私。バンドが9年も活動休止していたこと、その間彼は楽器も手放して音楽業界から去っていたこと、復活してからの2年間SNSで積極的に発信を行い、自らグッズ制作も手掛けていることなどを知った。
50過ぎてのこのバイタリティ、すごい。しかも、作っているグッズは、そのパンキッシュな見た目からは凡そ結びつかないかわいさ溢れるネコだらけ。SNSに綴られている文章は、知性とユーモアと俺様感と優しさがそこかしこに散りばめられている。奥深すぎる。
あっという間に、彼は私の中のNo.1の座に君臨してしまった。月末のライブのチケットがまだあることがわかり、偶然その日に夏休みを取得していたという幸運に後押しされチケットを購入。初めていくアーティストのライブにボッチ参戦するなど、これまでの私には考えられない行動だが、いつまた活動が終わってしまうかもしれないことを考えたら、会える時に会わないと後悔すると思った。
ライブまでの2週間、ライブ映像(ちょうど3本もあげてくれてたWOWOWオンデマンドありがとう!)を毎日観まくり、彼のSNSもひたすら読み漁り、理解を深めていった。ライブパフォーマンスはベーシストとは思えない華やかさだし、SNSは、ネコ・料理・手塚・戦隊ヒーローと幅広い話題。楽しかったりしみじみしたり、本当に素敵な人だと実感したけれど、ただ一つ、きづいたのが、ベースの話だけがしっくりこないということ。それは私がベースを理解できていないから。あと何年応援できるかわからないからこそ、いま発せられる彼の言葉・彼の世界のすべてを理解したい。そんな思いに駆られ始めた。
10月下旬、ライブの日を迎えた。初めて降りる駅、初めていく会場。周りにはこのバンドを何十年も愛してきたであろうファンの皆様。ファン歴2週間の私は若干の居心地の悪さも感じつつ、それでも、2時間も彼をみていられることへの喜びが上回り、ボッチ参戦のつらさは微塵もなく、終演まであっという間だった。もっと目と耳に焼き付けたい、そんなもどかしさでいっぱいになった。(この日は一部撮影可だったため、ライブ後、皆様がたくさんSNSに動画等をあげてくださっていて、感謝!)
ライブ翌日からはいつもの日常がやってきたが、生で体験できたことにより、彼への思いは当然増した。ベースを始める、この結論しかなかった。
楽器店を訪れ、、、たけれども、慣れない雰囲気で店員さんに相談する勇気がでず、商品の目星をつけて帰宅(小心者)しネットでポチり。翌日夜には大きなダンボールが届いた。いい時代だとしみじみ。。。
初心者向けのサイトがたくさんあり、扱いのわからないものもスマホひとつでこたえがわかる。やるべき練習も、動画だとわかりやすい(しかも無料)。本当にいい時代になったものだと、手首と二の腕の痛みを感じつつも感慨ひとしおの夜だった。
まずは、彼が弾いている曲を一曲まるっと弾けるようになることを目指そう。何かができたら、きっともっともっと、となるんだろうな。まだ入口に立ったばかりだけれど、そんな予感がしている。
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