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推しの武器の思い出

キャラクターがいつも持っている武器って、めちゃくちゃ魅力的じゃないですか?
剣だったり刀だったり、ステッキだったり、コンパクトだったり。
キャラクターによって、色んな武器がありますよね。

んで、こういった武器は大体商品化されて子供に爆売れするものです(それが狙いなんだろうけど)。

そうなんです!私の推しも持っているんです。超絶カッコイイ武器を。
いつも大事に持っている、彼だけの武器。たまに悪者に奪われることもあるけど。
これも、なんと過去に商品化されていたらしいのです。

歴代推しの作品ではこういったグッズ展開が無かったので、商品化されていたことを知った時は衝撃を受けました。

たとえば推しの顔が印刷されたカードだったり食器だったり、そういったグッズももちろん好きです。
けど、“推しが印刷されたもの”と“作品内で推し自身が身につけているもの”ってやっぱり違くないですか!?

推しの武器。なんという魅惑のグッズなのでしょう。
喉から手が出るほど欲しい!!
そう思った私は、色んな場所へ宝探しに出かけました。

でも、一筋縄では行きません。
どこを探しても一向に見つからない。
今流行りのアニメだったら おもちゃ屋さんに行けば見つかるけれど、そうではない。
私の推しが出てくるアニメはとっくに放送終了しているのだから。

リサイクルショップ、フリーマーケット、骨董品屋、アンティークのお店…さらには県外のお店まで。
いたるところを探し回りました。

でも…やっぱり見つからない。
うう、くやしい。こんなに推しのこと好きなのに。
もっと早くにハマっていたら手に入っていたのかな…なんて思ったりもしました。

ある時、私はおもちゃがたくさん集まる東京のイベントの存在を知り、それに行くことを決意します。
もしかしたら、ここなら見つかるかも…!
そんな淡い期待を抱いていました。

イベント当日。
なんか身体が寒い気がするけど、知らないふりして家を飛び出しました。
新幹線に乗って東京につくと、やっぱりなんだかフラフラする。なんとかイベント会場をまわって、ここでも結局見つからず、肩を落とした私は ホテルへ行って横になりました。

その日は涙が出るほど不安な夜を過ごしました。
体温計は持ってないけど、私は確実に熱を出していた。
なんせ一人旅でしたから、不安と心細さで死にそうでした。
帰ってこれないかもしれない。こんなことするんじゃなかった。
そんなことを思いながら朝を待ちました。

次の日、重たい身体を引きずってなんとか家まで帰宅。
体温計で測ってみたら38.5℃。よく行ったなぁ。
でも、こんなに無茶したのに、やっぱり何も手に入らなかった…。

どこにも無いのかなあ。
レア物だし、手に入れるなんて無理なのかも。

私は諦めかけていました。


そして月日は流れて、先月のことです。

私がいつも通り宝探しをしているとき。
視界が一瞬止まって、私は自分の目を疑いました。

ついに、ついに見つけた…!推しの武器!

あの時 手に取った瞬間の重みを、私はきっと一生忘れないと思います。
想像してたよりずっしりしてて、大きさもあって、
ネットの画像で見たよりずっとずっとカッコよかった。
私は泣いてしまいました。

あの熱を出した日、“やっぱり何も手に入らなかった”って思ったけど、そんなことなかった。

わたし、手に入れる前から幸せだった。

骨董品屋で声を掛けてくれた優しい店主さん、乗ったことのないローカル線の窓からこぼれる陽の光、寄り道したパン屋さんで食べた焼きたてパンの味、知らない景色を知ることの楽しさ。我を忘れて家を飛び出すほど、こんなに夢中になれる気持ち。

私は推しの武器を求めて探し回ったことで、いつの間にか素敵なプレゼントをたくさんもらっていたんだね。

手に入れるまでの思い出も含めて、ずっとずっと大事にしよう。
推しの武器を抱きしめながら、そんなふうに思いました。

***

こうして手に入れた推しの武器は、私の部屋に飾ってあります。

なんだか推しといつも一緒にいるような気持ちになれる、そして思い出の詰まった大切なグッズです。(*ˊ ˋ*)

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