再エネのメリットは何か
再エネ導入が地域でトラブルを引き起こしていると言うニュースは報道されるが、再エネが人々の役に立っているとしてもその様なニュースが流されることは少ない。再エネのメリットは何かにつき今一度考えてみたい。
地球人としてのメリット、国民としてのメリット、再エネ立地の住民としてのメリットに分けて考えてみる。
地球人としてのメリット
地球に住む人間にとって再エネがもたらすメリットは気候変動の緩和につながると言うことがある。今年も暑かったが史上最も暑い年になる見通しとのことで、CO2を始めとした温暖化ガスが原因であることは明らか。太陽光発電、風力発電は稼働時にCO2を出さない電源でこれらが増えると気候変動の原因となる温暖化ガスの増加を食い止めることが出来る。
2024年は史上最も暑い年になる見通し エルニーニョ終息後も高気温続く
https://www.bbc.com/japanese/articles/cev903mwz9lo
また、我々の生活水準を維持するためにエネルギー以外でも化石燃料を使っているが、再エネ導入によってエネルギーでの化石燃料使用を減らすことで、エネルギー以外の化石燃料の延命化をはかることが出来る。
国民としてのメリット
日本で再エネが増えるメリットとして大きいことは現状、化石燃料の輸入のために26兆円の国富が海外に流出しており、再エネ導入により、その流出を減らすことが出来ることだ。
GX実行会議 2024.5.13 資料1 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/dai11/siryou1.pdf
また太陽光、風力は国内にある資源と言ってよく、エネルギー安全保障の観点でも化石燃料の輸入に支障が出ても使えるエネルギーとして重要。
現状、卸売市場では日中に0.01円/kWhと言う最低価格をつけることがあるが、これは太陽光発電により、日中、電気が余っていることが原因で、小売電気事業者は再エネにより安価な電気を調達出来る環境にあると言える。
再エネ立地の住民としてのメリット
再エネが立地する住民としてのメリットは前回も書いた様に、太陽光発電所の建設の際に地域の建設会社が関わることが少なくなく、稼働後の保守管理で草刈りを地域の方が仕事として請け負う場合もあるし、固定資産税も地域に入る。
災害時は地域の方が使える様な災害用コンセントを備えた発電所も出て来ている。
一方で原子力発電所の立地地域には電源三法交付金制度により、資金が落ちる仕組みになっている。洋上風力では公募占有指針に地域向けの基金について要件が入っているが、太陽光ではその様な国の仕組みはない。
電源三法交付金制度
https://www.fepc.or.jp/nuclear/chiiki/nuclear/seido/index.html
売電価格の低下、出力抑制の増加、発電側課金の開始、リサイクルの義務化、盗難等による保険料の高騰等事業環境は悪化しており、太陽光発電において地域向けの基金の設置は難しい状況にある。ただ、直接的に資金を還流させること以外にも地域の方々のメリットになる様なことはあるものと思われる。例えば地域の子供たちの見学を発電所側が受け入れ、エネルギー教育の一端を担うことも地域への貢献と言える。
何が貢献になるのかはその地域の状況にもよるため、地域の方々とコミュニケーションをとり、貢献策を考えていくことが大切だと言う至って普通の結論になる。