四捨五入をすると60才になるおばさんのソロ旅
その7 古都鎌倉。円覚寺のお釈迦様がかっこよすぎる。
「いいくにつくろう鎌倉幕府」
鎌倉を思い出す度に鎌倉幕府設立の年=1192年を覚えるための語呂合わせが頭に浮かぶアオです。
若い頃はあまり神社仏閣には興味がありませんでした。しかし近年、気持ちの中に何かが生まれたのか、どのような気持ちの変化なのか…時間があると思いつくままに足を運ぶようになりました。そうです。どこまでもいつでも私は無計画です。
少し前になりますが去年(全然少しでなくてすみません)の真夏に古都鎌倉を訪れました。
いつもの事ですが、深く考えずにバスや電車を適当に乗り継いで向かうことにします。移動に困ったら歩けばいいや!の精神です。
今回は北鎌倉が目的地です。
電車から風景を眺めていると鎌倉は山が多いのが良く分かります。反面海にも面している訳なので、ここに源頼朝が幕府を設立した理由が素人の私でも簡単に想像が出来ます。
その関係で神社仏閣が多く、また時の経過を感じる建物が多々見受けられます。
ここは歴史ある古都で大切に大切に守られている街なんだよなぁ…、などとぼんやり考えていたら北鎌倉に到着しました。
外は真夏なので灼熱の炎天下。
歩きたくないなぁと思いながら歩き出します。先ほどの「歩けばいいや!精神」はもうどこかに捨てています。全く適当です。
大した土地勘がないので駅から一番近い「円覚寺」に向かう事に決めました。
名前は知っていましたが、参拝をするのは初めてです。
濃い緑の木々が石段を覆うように生えており、暑いのでゆっくりとあがっていきます。
この後、素敵なお釈迦様に会うとは微塵も思わず…。
大ファンになり押す日が来るとは…。
そんなちょっと先の未来ですが、当然想像もせず汗をかきかき上がりきりました。
受付けやお土産屋さん、休憩所などがある開けた場所へと到着です。
「HELLO!」と受付けの人に声をかけられて私は「こんにちわー」と答えます。
時々私は海外からの観光客に間違われます。娘たちが言うには私が中華系の旅行客に見えるんではなかろうかと言うことです。
ここ「円覚寺」は北条時政が建立をした禅寺であり臨済宗 円覚寺派の大本山です。とても歴史が古く建造物は重厚で素晴らしく飽きずに眺めている事ができます。神奈川県の指定文化財になっている三門は圧巻です。私は触って良いものは必ず触り、感触を確かめ、手に刻んできます。もちろん門をしっかり触ってきました。
暑いけれどやはり来て正解だった…と一人でぶつぶつ言い、うんうんと頷きながら歩きます。
奥へと深く続く境内は歩きがいがあります。
お釈迦様がいらっしゃる仏殿に到着をしました。何でか分かりませんが急にこそこそとした態度になってしまいます。そろりそろり…と気付くと進んでいました。
広い仏殿内は少し暗く風が良く通ります。おかげで、汗が引いていき気持ちが落ち着きます。
既に先客の方がいました。欧米系の方でしょうか。男性が拳を握り膝の上に置き、静かに座ってお釈迦様を見つめていました。この方の仕草や服装から日本の仏様への愛を感じます。
そしてかくいう私はというと…。
お釈迦様を見た途端に
「うわっ!うそっ、マジでかっこいい〜!やばい!!」(不謹慎極まりない)と心の中で大絶叫をすると同時に美しさに目が奪われました。
艶やかな装飾品と気品のある気高い面持ち。それと静かに見下ろす目。
いやぁ、完全にやられました。
好みです。大好きです。
参りました。
あまりの美しさにずっと見上げていました。家に一緒に帰りたかったです。
帰るのが名残惜しく…、また再訪をする事をお釈迦様に約束をして仏殿を去りました。
往路は「暑い」やら「歩くの勘弁」と心の中で悪態をついていましたが、復路は足取り軽く進みます。
素敵なお釈迦様のおかげで気持ちが軽やかになったのだと思います。
それとも一つ位、邪念や煩悩が取れたのか…。
不思議なもの、いえ、現金なものです。
私はこの日から1週間後に約束を守るべくまた円覚寺にやって来る事になります。
嫌なことがあるとこのお釈迦様を思い出しては自分を励ましています。
イケメンお釈迦様が私をいつも守っていてくれている、と勝手に信じています。
さらに言えばこのお釈迦様のTシャツが欲しいな…、なんて。
いっそ、作ってしまうのもありなのかな…。自宅のプリンタで出来るのではなかろうか…、そんな事を考えながらお釈迦様を思い出しています。
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