神屋について 第一弾【考察/ネタバレ注意⚠️】
山口つばさの新境地3編を収録した短編集、『ヌードモデル』に収録された神屋について考察していきます!
不思議で不穏な雰囲気を醸し出す神屋は、オチがわからない。そこで個人的に解釈し、考察することにしました。
※全3段に分ける予定です。
今回考察していくのは
「無駄に存在感のあるアカミネ先生」
「吸血鬼と吸血症」
序盤からキャラの強いアカミネ先生ですが、話に大きく関わる重要キャラ、と言った感じでもないんですよね。服装などは医者らしくないなと感じましたが、スラム街の個人院の医師ならおかしくないのかも…と思いました。
このアカミネ先生、話に大きく関わらない分オチの解釈に大きなカギを握っていると考えます。
アカミネ先生はサトウさんが変死した際、
「大丈夫犯人は明らかに人間だから」
「それに本物の吸血鬼なら公衆の面前に食べ残しを捨てたりしないでしょ」というセリフを残しています。
このセリフ結構重要だと思っていて、
アカミネ先生は吸血鬼の仕業ではないと話していますが、吸血症の者の仕業ではないとは言っていないんですよね。
この話で重要になってくるポイントは吸血鬼と吸血症の人間の違いなのではないかと考えています。
吸血鬼は「吸血鬼は、民話や伝説などに登場する存在で、生命の根源とも言われる血を吸い栄養源とする、蘇った死人または不死の存在。その存在や力には実態が無いとされる。 狼男、フランケンシュタインの怪物と並び、世界中で知られている怪物のひとつ。」(Wikipediaより引用)
吸血症は病気であって、人間という枠は超えていない。ということはヨハン含め神屋の人々は吸血症を患った人間
この定義を重要視してみていくと全ての辻褄が合うんです!
前編の序盤に「本当に吸血鬼でもいるんですか」というタナカの質問に「タナカくん意外とそういうかわいいこと言うんだ〜」と言う会話があります。ここでは吸血鬼がいないという前提で話されてる感じがしますよね。ですが後編の序盤、警察官含めた3人で神屋について話す際ヴァンパイアという単語が当たり前かのように出てきます。
少しおかしいと感じるのですが、先ほどの定義を当てはめてみると違和感なく会話を進められます。
この短い期間の間で吸血症が認知されたという説も考えましたが、どうも違う気がします。
ヴァンパイアという単語を口にしたのは警察官。
きっと訂正しないだけでアカミネ先生の中では吸血症で話が進んでいたんだと思います。あまり医学について知識を持たない警察官たちは分かりやすくヴァンパイアと呼んでいたのでしょう。
ヨハンもヴァンパイアと言う描写がありますが、すぐ吸血症と訂正しているのでこの考察は正しいと思います。
連続して見つかる変死体は吸血症の人間が起こした、とも考えられるわけです。
今回の考察では、アカミネ先生と吸血鬼、吸血症の違いについて考察しました!
第二弾では、「怪しい警官の謎」「アカミネ先生と神屋の関係」について考察します!
拙い文章を読んでくださりありがとうございました!次回の考察でお会いしましょう!
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