プロローグ(ヘネシー引っ越し)
中学の卒業式が終わってから1週間くらいが経った。
高校に行くまでの間少し時間があるけれど、私は特に出かける用事はない。だから毎日卒業アルバムの写真に写るクラスメイトの顔を毎日数人描いていた。
部屋の中でひと昔前のUKロックが鳴って
イラストに描き疲れてきたらSNSで遠くの州やアメリカ外にいる同世代の子の投稿をのぞいてみたりしてた、そうしてるうちにメイドのハーパーが夕食ができて呼びにくる。
卒業してから私は毎日ハーパーとショップの店員くらい喋っていないし、両親は卒業式の時こそは来てくれたけれど、家にいない父も母も仕事。…
卒業アルバムの写真を似顔絵をひたすら描いていくとか、今振り返ったら我ながら狂った女だと思う。
でもそこまで寂しいってあんまり思わなかったし、むしろイジメられてないからとても快適だった。
ゾーイ…
「さてと今日は、…ヘネシーね」
私は早速、鉛筆で下書きを始めた。ヘネシーとはあまり話すことはなかったけれど彼女は私がイジメられているとき味方だった。
ゾーイ…
「今彼女ってどうしてるんだろ?」
下書きを書き進めている手を止めて卒業アルバムに書いてある彼女の家の住所に行ってみることにした。
SNSでアカウントさえ知っていればわざわざそんなことしなくても済むけれど、彼女のアカウントは分からないし、話したこと自体数回しかないけれど、
いじめられっぱなしだった私をかばってくれた子だし、ちゃんとお礼は大事。もしかしたら仲良くなれるかもしれない…
ハーパー…
「お嬢様おでかけですか」
ゾーイ…
「ええ、でも1人で行けるわ、夕方までには帰るから。」
ハーパーが車で送ってもらうこともできたけれど、彼女にいじめられていたってことを知られたら、両親が来て面倒なことになるかもしれない。
バスに乗って1時間くらいかかっただろうか?ヘネシーの住所の側のバスストップで降りて、スマホの地図アプリを頼りに彼女の家を探した。
ゾーイ…
「ここね」
チャイムを鳴らしたら男性が出て来た、お父さんにしては若いからヘネシーのお兄さんだろうか?
優しそうな雰囲気だけれど、私をみて少し暗い表情になった
ヘネシー兄…
「ちょっと待っててくれ。」
ヘネシー兄…
「おいヘネシー、友だちが来てるぞ、ゾーイって子が。」
ヘネシー…
「えっあっあの子が!!」
ヘネシーからしたらあんまり話したことないクラスメイトの1人の私がいきなり訪ねて来たんだから、驚かれても仕方ない。
と思いきや、彼女はいきなり私に飛びついてハグをして来た。
ヘネシー…
「ゾーイ!!久しぶり!卒業以来じゃない!」
ゾーイ…
「えっちょと待って!ヘネシー!…」
ヘネシー…
「あっそうだせっかくだから出かけない、いいでしょお兄ちゃん」
ヘネシー兄…
「あっあぁ、」
私はすこし戸惑いを感じたものの彼女のお兄さんの運転でショッピングモールに出かけた、そして彼女と買い物をして同じキーホルダーを買った。
私は青っぽいカメ彼女は黄色いトカゲ、日本で密かに流行ってる爬虫類アニメらしい。
その日は帰りはお兄さんに私の家の前まで送ってもらった、
ヘネシー…
「明日も遊ぼ、明日はプールでも行かない」
ゾーイ…
「私…泳げないけど それと…明日じゃなくてもいいと思うけれど」
ヘネシー…
「…実は私たちあと少ししたら引っ越しちゃうのよ、だからゾーイともっと思い出作っておきたいの。」
ずっとほとんど引きこもって私には、今日だけでもかなり体力を使って少し疲れていた。
なので明日プールに行くのは少しキツイ…とはいえ今までこんなクラスメイトと交流する機会はなかったので、明日行くことにした。
そして翌日プールへ行って その翌日は家でゲーム、して彼女の家に泊まらせてもらった。
泊まると聞いてハーパーが少し心配していたけれど…家にいるよりは楽しかった。
いよいよ引っ越しの日当日、私は
ハーパーの運転で彼女の家まで行った。そして家具や荷物が運び終わったら彼女の部屋で話していた。
ゾーイ…
「あなたと遊べて良かったわ、高校に行ってもSNSでやり取り続けない?」
ヘネシー…
「は…?いや」
彼女は、見ている目の前で私のアカウントをブロックし、電話番号も削除、
そして私の持っていたバッグを無理やり取ると部屋の窓から投げて水溜りに落ちた。
ヘネシー
「私はあんたみたいなゴミと友達なんて冗談じゃない友達も彼氏もできないわ。
仲良くするだけしてて一気に叩き落とすっのって面白いもんね。」
そのあと私は部屋を飛び出し濡れたバックを抱えハーパーと家に帰った。
そして部屋で号泣してしまった。…悲しかった、最後の最後であんな態度されるなんて思ってもいなかった。
それでも私はヘネシーのことが心配だった。
彼女はサースペント高校に進学するらしいのでSNSでその学校に進学する生徒を探してみた。