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令和6年度行政書士資格試験 不合格体験記(仮)その1〜きっかけ、試験の私見、テキスト〜

こんにちは。
これは、私が令和6年度行政書士資格試験を受け、不合格になるまでの回顧録であり、懺悔録であり、備忘録であり、言い訳集です。

  1. なぜ不合格体験記を書こうと思ったのか

  2. どのような人に読んで欲しいか

  3. 行政書士試験の理想と現実

  4. 計画、テキスト

  5. 3月〜6月:インプットと忘却

  6. 7月〜8月:アウトプットと空白の8月

  7. 9月:血便と精神崩壊

  8. 10月:寝なくても死なないの精神と選挙

  9. 11月10日

思い出しながら順番に書いていこうと思います。

1.なぜ不合格体験記を書こうと思ったのか

書こうと思ったのは、11月8日です。
つまり、試験当日の前々日。
この日は直前期も直前期なので、過去に解いた模試を解き直していました。
しかし、全く思い出せない問題がちらほら。
普通に解けない。
記述問題も、解けない。
五肢択一も、解けない。
前々日なのに、まるで合格ラインに届かない。
でもこの頃、自分の中で「自分は合格ラインにいない」という自覚があったので、焦りはしましたが落ち着いていました。
と、同時に思ったのが「何がダメだったんだろう」ということです。
もし、来年も受けるなら。
もし、この先も勉強を続けるなら。
同じ過ちを繰り返してはいけない、と。
なので試験が終わった後、不合格体験記を書こうと決めました。

以上がきっかけです。

大まかな内容は、
●何をしていたか
●何が良かったか
●何が悪かったか
●どうするべきだったか
の4点を時期と行動を振り返っていきます。

なお、試験結果の発表は1月29日なので、現段階では合否不明ですが、おそらく落ちているだろうと思うので不合格体験記としました。(解答速報で記述抜き162/240です。)


2.どのような人に読んで欲しいか

  • 公僕の方(特に地方公務員)

  • 宅建(宅地建物取引士)を取った方

  • 既婚者で子持ちの方

  • 30代前半の方

  • 法学部出身の方

  • 偏差値50くらいの大学出身の方

私です。
ついでに8月に子供が産まれました。
これが後に大きく響きます。

先に言っておきますが、

  • 毎日4時間程の勉強時間を確保できない方

  • 家族の協力、理解を得られない方

  • 子供が産まれる、又は子供が小さい方

これに当てはまる人はオススメしません。

3.行政書士試験の理想と現実

行政書士試験を受けようと思う人は、色々な思いや目的があるかと思います。

私は弁理士資格を取得するために、最初に宅建で勉強自体に慣れ、次に行政書士で弁理士試験の科目免除を受け(※)、最後に弁理士の勉強をしようと考えていました。
(※実際は私は不可能です。何故なら免除を受けるのは「行政書士合格者」ではなく「行政書士」なので、行政書士として事務所を開き行政書士登録している必要があります。これは地方公務員の副業に当たりますので、私にはできません。)
私にとって、行政書士は「踏み台」です。
見たことあるのではないでしょうか。
「行政書士は法律系資格の入門」
「宅建と行政書士、どちらが難しい?」
「行政書士は他の試験ほど難しくない」
こんな感じのタイトルの記事などを。

舌触り耳触りの良い言葉です。
勉強時間700hほどで少ない。
合格ラインが6割と低い。
行政書士は簡単な資格。


…………。
700hは、一日4時間の勉強を175日≒6ヶ月しなければならない。11月試験なので、5月の初めにはスタートを切らなければならない。
しかも、最低700hです。自分の体感では全く足りないと思いますので1000hは見積もった方が良いと思います。一日4時間を8ヶ月ぐらいです。3月からスタートすることになりますね。
合格ラインは6割ですが、300点中60点が記述問題で、採点は辛めです。実質240点で180点(合格ライン)を目指すので、択一などで7.5割(75%)そして基礎知識(時事問題や一般知識)が56点で24点以下は足切りになるので、最低でも24点取るとなると、法令で184点中156点。得点率でいうと8割以上。
行政書士は合格率が10%と少し。10人受けて9人落ちます。試験会場で座った自分の回りが、全員落ちて自分だけ合格するくらいの率です。

8ヶ月毎日4時間勉強して、8割正解を求められて、合格率10%と少しで、本当に簡単だと思いますか?

ハッキリ言いますが、クソ難しいです。
憲法、民法、行政法(行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、その他)、商法、会社法、行政書士法、情報公開法、戸籍法、公文書管理法、個人情報保護法。
今パッと思い出した、試験に関する法律です。
これに基礎知識問題として、政経現社歴史と文書読解が加わります。
試験範囲がめちゃくちゃ広いんです。
おまけに行政法と民法は記述問題があります。
完全に暗記(しかもほぼ丸暗記)が求められます。
正直頭がおかしくなりそうです。

行政書士試験は申込みをして来ない人も、勉強を初めたが挫折して申し込まなかった人もたくさんいるようです。
そのくらいのハードルがある試験だと認識し、覚悟した方が良いです。


4.計画、テキスト

勉強計画は、

  • 3月〜5月:インプット

  • 6月〜11月:アウトプット

とザックリ定めていました。

「夏までに覚えて、夏からゴリゴリに解きまくろう!」ぐらいの感覚の計画です。
結果、計画は崩壊しました。計画したのは2月ごろなのですが、3月に人事異動があり、財政担当になりました。4月から5月は仕事の勉強優先、6月は決算でそれどころではない状態、そして、8月に子供が生まれて義実家で生活。とても勉強をする余裕がありませんでした。

後でまた言うと思いますが、行政書士試験はアウトプットが非常に大切です。


さて、私の使用したテキストは以下の通りです。


※判例六法と2011年の問題集は元々持っていたものです。この問題集は使ってません。(古すぎて当てになりませんでした)
  • 2022年度版合格革命シリーズ(基本書、問題集、肢別問題集、記述問題集)メルカリで6500円

  • 2023年度版出る順ウォーク問(法令、基礎知識)メルカリで1900円

  • LEC模試フルセット(答練なし)2万円ぐらい

  • ユーキャン一問一答(アプリ)1600円

  • 2024行政書士過去問9カ年分(という名のアプリです。緑アプリと呼びます。)無料

メルカリで買った中古テキストを使用しました。これは完全に失敗でした。
近年民法は頻繁に改正されており、この2022年度版は共有と親子が改正前の内容でした。(また、近年の憲法判例でもツイッター削除事件など重要なものがあるので、ディスアドバンテージがあります。)
それさえ目を瞑れば問題ないですが、オススメはしません。
一方で、大半の知識や問題は過去の内容なので、基礎作りなら対応可能ではあります。
ただ合格するなら、最新版が必須です。

合格革命を選んだ理由は特にありません。メルカリで安かったので買いました。後に気づきますが、解説が間違えていたり、補足事項がない問題が問題集にあったり、回りでの評判は良くありませんでした。素直にLECにすべきかと思います。

合格革命の問題があるにも関わらず出る順も買った理由は「問題数を補うため」です。
合格革命は思ったより問題が少ないので、買って正解です。(ただし、被っている問題もあります。)

LECの模試を全国模試だけにしなかった理由は、単純に「最新の動向を知らないので、得る必要があったから」です。行政書士法が科目に加わりましたが、どのような内容が問われるか分からなかったので模試を参考にしました。これは結果的に演習問題代わりになって良かったです。(逆に過去問を単年ごとでは解いていないので。)

アプリ2種はスキマ時間用。昼休憩や保育園に向かう車で信号待ちの時間にやってました。最初は緑アプリをしていましたが、やり尽くしたのでユーキャンのものを買いました。他にも色々有料アプリがありますが、安かったのが理由です。(内容もそんなに悪くはなかったですが、赤シート機能は使いにくいので使ってません。)


もし、これらのテキスト及びアプリの中で、必要・不必要の取捨選択するなら?と問われると、間違いなく「すべて必要」と答えます。使い方はどうであれ、このあらゆる問題、答え、その理由を『覚えて』おく必要があります。
SNSで誰かが「行政書士試験に過去問対策は無意味」という旨の発言をしている人がいたようですが、大きな間違いです。
『行政書士試験は、過去問から8割出る』と思って下さい。
全く同じ問題が出ることもあれば、出ないこともあります。当たり前です。
論点は絞られていますが、あの手この手で錯乱させ、多種多様な方法で、あらゆる角度から問を投げてくるのが行政書士試験です。
例を出すと、行政手続法での聴聞と、行政不服審査法における不服申立ての比較はかなり良くでます。これらの内容を全て覚えるのはもちろん、比較して覚える必要も当然あります。
しかしながら、単純に比較と言っても「共通するものはどれか」「共通しないものはどれか」「正しいものは」「誤っているものは」「不服申立てでのみ可能なものは」など出題の仕方が様々です。
しかも、最悪の場合記述問題で出てきます。
こういった場合、過去の問われ方を研究していると、「どの点に注意が必要か」が分かるようになります。
これは、単純に「答える」という視点ではなく、「何を問われてるか」という点で活きます。
要するに、問題を読んでいる時に頭の中で勝手に、過去に比較した経験と照らし合わすことができ、結果として素早く正確に回答できます。
さて、何故不必要なテキストが無いかという理由ですが、「問題集は基本的に過去問から出題されています」。つまり、問題集を解いていると同じテーマ(論点)についての問題が出てきますが、その視点は様々で、ありとあらゆる視点の論点パターンを見ることができます。その中で、ある視点から見て気付かなかった事が、他の視点から見ることで気付くことができます。

殊に、肢別問題集はかなりクリティカルな問題集になるので、基本問題集の五肢択一より一問一答を完璧にした方が、より点数に繋がるかと思います。

「そう言うあなたは、択一で合格点届かなかったんでしょう?」と言われるかもしれません。

そうなんです。その通りなんです。

だからこそ分かるんです。

本番で解いた問題、どこかで見た気がするけど答えを思い出せない、と。

こうならないように、何周も何周も解いて、同じ問題を『覚える』必要があります。


長くなってしまいましたが、きっかけ、試験についての私の考え、使用したテキストです。
次から時期ごとの勉強について記します。

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