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Honda FC Road to 2025前編:成績と、別れ


しばらくぶりになってしまった

Honda FC関連の記事としては、随分久方ぶりとなってしまいました。OYGです。

まあ原因は簡単な話です。7位ショックを引きずったまま退団選手&退任スタッフを見てしまいまたショック、開幕戦アウェイ+ホーム開幕参戦不可能確定でさらにショック、と、どうにもならない現実に打ちのめされていたからです。

とはいえ、いつまでも凹んでばかりではいられません。特に今年は、Honda FCが例年よりも半年早く動き始めました。J3から退会と相成ってしまったチームへの迎撃、そしてJ3入会を目指すチームとの対戦に向け、気合十分と言ったところでしょうか。

そんなわけで、ここしばらくのHonda FC事情をつらつら並べつつ、いかに現実に対して適応していくか。そして、今季のHonda FCになにを求めていくのか。前後編に渡って整理していきたいと思います。まずは前編。昨季のおさらいと、退団――別れについてです。

潮目は、変わる。時は、流れる

そんな訳で、早速ですが去年の順位のおさらいを。Honda FCは歴代最低順位タイの7位に終わりました。恐らくと言わずとも、ここ数年で最悪と言ってもいい様相でした。
攻撃を立てれば守備が立たず。守備を立てれば攻撃が立たず。攻撃力自体の低下に加えて、怪我人の多さも不調に拍車を掛ける結末となってしまいました。

一方上位陣は優勝が栃木シティ。2位が高知ユナイテッドSC。栃木はいわてグルージャ盛岡と自動入れ替えで、高知はYSCC横浜との入れ替え戦に勝利してJ3入会を果たしました。一昨年はHonda FC(とブリオベッカ浦安)の手によって閉ざされたJリーグの門が、今回は開いた形と相成ったのです。

これらは、一つの時代の変化を示します。JFLが、いわゆる「J4」に近くなったこと。そして、プロとアマの間に横たわる壁が、決して分厚いものではなくなったことです。

今やJFLでは、Jリーグ予備軍――J加入を目指すクラブチームが過半数を占めています。純然たる企業チームは、Honda FCとミネベアミツミFCのみ。アマチュアリーグとは言いつつも、プロ契約の選手が増えてきているのが現状であります。

今後も、かつてのようにHonda FCが圧倒的優位を示せることは少ないでしょう。残念ではありますが、これもまた時の流れなのです。苦戦することが、多くなるかもしれません。それこそ、J3創設前の数年間のように。

いえ。私はHonda FCファンですので、もちろん優位を示して欲しくはあります。J志望勢に打ち勝って、優勝する姿はこの目で見たいです。ただし、そのための労力を安く見積もれるほどに、楽観主義者にはなれない。それだけなのです。

閑話休題。そして7位に終わったHonda FCは、JFLベストイレブンの輩出でも1人に終わります。10年の長きに渡って選出され続けた5番鈴木雄也選手が落選し、2番池松大騎選手が選ばれました。これもまた、時代の変わり目と言えるでしょう。とはいえ、鈴木雄也選手もまだまだ現役。Honda FCとともに、今季の逆襲に期待したいところです。

去る人、残る人

そして、時の流れと潮目の変化といえば。いかなHonda FCといえども、退団選手と退任スタッフが出てしまう事実は避けられません。未来のためにも新戦力は入れなければならないのですから、どうしても去る方が出てしまうのは事実です。今回も、惜しい選手、そしてスタッフがHonda FCを去ることとなってしまいました。

はい。今回は成績面が致し方なかったのでしょう。小林秀多監督も交代ということになってしまいました。いや、本当に人柄の良い方ではあったんですけどね。人柄だけで、監督はできない。ましてや、優勝を求められるHonda FCとなれば。と、いう事実を指し示す形と相成ってしまいました。

そしてプロからHonda FCに復帰し、引退後もスタッフとして残ってくださった古橋達弥氏も退任。どこからかお声が掛かったのか気になるところですが、ぜひともその前に一度、Honda FCの指揮を執ってみて欲しかったなあと個人的には思っていました。残念であります。

さらにはフィジカルコーチも退任ということに相成り、Honda FCは正式に組み直しを余儀なくされることとなりました。現在(本稿筆記時点)から見ればその辺りはすでに埋まっているのですが、この時はちょっと暗澹たる思いでした。だって、未来のことはわからないから。

一方、選手においても大きな損失が訪れました。かつて浦和レッズのゴールを蹴破った男、10番富田湧也選手がフィールドを去ることとなったのです。個人的にはまだやれそうな気もするのですが、選手には選手にしかわからない限界があるのでしょう。お疲れ様でした。

その他にも23番清水選手や26番平川選手といった若手有望株(いつまでも有望株ではいられないので、仕方なくはあるのですけど)や、3番三浦選手といった怪我に泣いたベテランがチームを去ることになってしまいました。

特に若手2名につきましては、「見切りが早い!」という気持ちと、「未来を思えば仕方がないのか」という気持ちが、交錯します。とはいえ、Honda FCはJFL優勝を求められるチーム。その決断を信じる他にないのでしょう。

とはいえ、今季のホーム開幕戦でもいいので、引退セレモニーとかやって差し上げられませんかね? こちらとしても、顔を合わせてお別れできないのはちょっと可哀想でなりません。考えていただければ、幸いです。

失ったもの。取り戻さねばならないもの。

昨年、Honda FCはあまりにも多くのものを失った。その強さもさることながら、天皇杯のアマチュアシード権、ベテラン選手、そして監督とコーチ陣。ファンの中にも、信望を欠いてしまった方が多くいるかもしれない。他チームも、2025年は嵩にかかって挑んでくるかもしれない。それほどまでの、ありさまだった。

故にHonda FCは取り戻さなくてはならない。JFL優勝もさることながら、天皇杯静岡県代表も、得なければならない(アスルクラロ沼津という、大敵はいるが)。強さを取り戻し、リスペクトを取り戻さなくてはならない。そうしなければ、Honda FCがHonda FCでなくなってしまう。私は、個人的にそう感じているのだ。

以前の記事でも綴ったが、世間――日本サッカーに少しでも詳しい方々――によるHonda FCのイメージは、「プロに勝つアマチュア」「アマチュア最強軍団」「JFLの代表格」だと私は思うのだ。仮に、このイメージが守れなくなってしまったら? それはもう、残念ながら凡百のアマチュア、ただの実業団チームになってしまうのだ。

しかしすでに「翳り」は訪れてしまった。世代交代は遅れており、チーム力の低下は、避けようもない事実。Jリーグを目指す者たちの突き上げは激しく、勝つためには方策を選んでもいられない。そういう時代が、訪れてしまった。

これも以前に綴った個人の意見だが、あと2~3年で手を打てなければ、Honda FCはアマの頂上から滑り落ちてしまうかもしれない。2025年、そして秋春制導入で重要な分岐点となる2026年は、阻止のための手段を打てる、最後のポイントになると考えているのだ。

その2025年を彩る新体制。新加入選手。そして彼らが表舞台に立つ開幕戦について。後編では個人の考えを綴っていきたいと思う。それでは、また。

追記:本記事はあくまで1ファンの個人的意見です。ご承知おきください。

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