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雨中、鰹釣りの結末は/事実上の終戦に、思うこと(第26回JFL第27節・Honda FC対高知ユナイテッドSC)


鰹を逃がして

後半になって強さを増した雨の中、恐らくHonda FCは必死で1点を追いかけたことだろう。だからこそ、一度は追いつけた。筆者はそう思っている。

だけど。ああ、だけど。今年レギュラー級に出場していた面々を失った守備が、あまりにも弱っていた。少ない機会を、あっさりと得点に持って行かれてしまう。

前掛かりになる攻撃と、カウンターへの対抗というバランス。その均衡が崩れた時、Honda FCから様々なものがこぼれていった。この試合の勝利も、2位以内への希望も。今季一度敗れた高知に、意地を見せるという想いも。

それでもHonda FCは抗った。最後の最後まで、1点を諦めなかった。誰もが執念を燃やし、戦っていた。でも、それは高知も同様で。結局最後は届かなかった。高知が吠えた。それが昨日の試合、その結末だった。

では、なにが足りなかったのか。それについては、次の項目で考察していきたいと思う。いや、考察と言っても素人目線ですけど(重要)。

Honda FCに足りなかったものとは

1-2。届かなかった1点。先に取られた1点。前々節の鈴鹿戦を思えば、やはり先取点が重要だったように思える。個人的な印象ではあるが、Honda FCのスタイルは「攻撃こそが防御」にあると思っている。

ボールを握る。ボールを回す。先に点を取る。それによって相手の選択肢を狭め、さらなる追加点に繋げる。それが、Honda FCの本来の姿だと思うのだ。

それを相手にやられてしまったら、そりゃ裏を取られたりもするよね。鈴鹿の時もオフサイドだったとはいえ、そういうシーンが何回かあったし。今回はそれが、高知側に作用した。とはいえサッカーは運のゲームではない。対処が成されてほしい部分ではある。

で、ですよ。結局今のHonda FCに足りないのはなにか。攻撃力も守備力も足りない(JFL最上位クラス、ひいてはプロと戦うチームを目指すものとしては)のはさることながら、特に攻撃力だと思うのです。相手を押し込んでも、最後の一手が足りない。これは重い。

個人的に今回見て思ったのは、ペナルティエリア内の人数が足りないのかな、って辺りですね。「身体のどこかに当たってくれ~!」ではありませんが、中に人数を差し込めていれば「中の誰かに当たってくれ~!」(もちろん、基本的には狙っているでしょうけど)なクロスを送ることもできるはずで、最終的にはこの動画の3:40~のゴールだって狙えるんじゃないかあと思うのです(超個人的にはHonda FCのベストゴールの一角じゃないかなあと思うのです。ここでスルーを選ぶ八戸選手が凄い)。

もちろん。超絶もちろん。これは素人意見です。チームの考え、内部事情、監督の考えというものがあるのでしょう。ですが、相手により負担を強いるには中と外。近距離と遠距離の揺さぶり。そういう物が必要じゃないかなと思うのです。今回見ていて、改めて選手たちは絶対に物凄く上手い。そう思ったからこそ、それらが十全に活きて欲しい。そう思うのです。

足りない部分ばっかあげつらうな? 素人がなに言ってんだ? まあ確かにそりゃそうです。特に後者は、素直にうなずきます。だからあくまで素人意見だと書いてますし。何度でも書きますよ、素人の意見だって。だから、認められなくてもなんのダメージもないです。しょうがないもん。

でも前者についてはね、私は思うんです。Honda FCにはエグいチーム――プロと相争ったり、プロを目指すチームの前に、敢然として立ちはだかったりする。そういうチームであってほしいと思うんです。

だから筆者は、思わず書いてしまうのでしょう。エグいチームだと、信じさせてほしいので。

試合の流れと、その感想

あいも変わらず言いたいことがとっ散らかってしまったので、試合の流れとその感想について、整然と話していきたいと思います。

先述した通り、Honda FCは先手を取られてしまいました。攻め込んでいたのに、わずかなミスからオフサイド気味のパスを許して叩き込まれる盛大な失点。

今季多いのが、少ない手数でのカウンターからの失点じゃないかなと、個人的には思っています。ペナルティエリア内でのゴチャゴチャとかは、割りとなんとかしてる印象。それだけに、際立って感じるのかもしれません。

しかし後半、攻めに出たHonda FCは同点に追い付きます。惜しいシュートも何度かあった後。ペナルティエリア角辺りからのクロスに、9番児玉怜音選手の見事なシュートが刺さります。今季のチーム内得点トップはやはり強い。こうして中に切れ込めていると、やはり結果が出るんですよねえ。

ですが。ああ、ですが。逆転を志したHonda FCに、女神は微笑みませんでした。わずかなミスから前掛かりになった裏を突かれて、80分に痛恨の失点。

それでもHonda FCは高知ゴールを攻め立てますが、守るだけになった高知の前に、最後の一歩が届きませんでした。

で。感想としては。せめてシーズンダブルでは見送りたくなかった。これに尽きます。いや、言いたいことは色々とあるけど、シンプルにこれが一番です。

Honda FCにシーズンダブルはシンプルに箔が付きますからね。いやほんと、これはしんどかった。

で? 今後はどうなるの? どう思ってるの?

まあ表題にも出した通り、今回の敗戦と翌日の結果によって、Honda FCの2位以内進出――Jリーグ参入圏内への侵入――は不可能ということになってしまいました。

今季2位以内への可能性を残しているのは栃木、高知、三重、滋賀の4チーム。いずれもJ3ライセンス保持者であります(各種条件は脇に置くものとする)。

これにより、J3とJFLの入れ替え発生はほぼ確定。そしていわてグルージャ盛岡のJ3最下位が確定し、Jリーグ退会の運びとなることが決定いたしました。さあ、ここからが地獄の始まりだ……!

さて。そんな状況下でほぼ終戦となってしまったHonda FCのやることは。まず残り3戦を制して来年への弾みを付けること。そして門番の意地を示すこと(とか言ってたらミネベアミツミFCに負けました。なんてこった)。

3位になれば(もしかしたら)天皇杯アマチュアシードの権利が転がり込むかもしれないので、過密スケジュールを避けるためにも、そこだけは目指して欲しいところです。

そしてもう一つ。1ファンとしての要望は、来季への希望を見せて欲しいというところ。勝利との両立は難しいですが、Honda FCには個人視点、多くの課題が残されていると感じています。

例えばベテラン選手の後継者。例えばレギュラー陣を欠くと難しくなってしまいがちな守備。例えばそもそもの攻撃力。JFL、ひいては天皇杯の上位を志すのであれば、克服すべき課題はいくつもあります。

仮に監督を代えるにしても、それ一つで解決するものだったらどれだけ嬉しいことか。ハッキリ言えば年単位で突き詰める必要があるのでしょうし、その間にもHonda FCである以上は成績も求められる。難しいところだと、思います。でも、やり遂げて欲しいんですよね。エグいチームだと、信じたいので。

頼む。Honda FCを信じさせてくれ……!(終わり)


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