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【小説26】勘違い女神の弊害(異世界転生したオレはスキル<コピペ>で人生を謳歌する)

26 【クリスタル ハート】


   気が付くと俺は仲間たちに囲まれてリビングのソファーにいた。

「大丈夫? マスターってば無茶するわねぇ~」ベルルだ。

ユカ 「畑がメチャメチャだわ。でもマスターが無事で良かった。」

イブキ 「箝口令破ってごめんね。じっとしていられなくて。」

トモ 「ドラゴンなんて初めて見たわ。良く倒せたよね。」

「あ~テオは新しい玩具に夢中だからねぇ~。」

(ベルル、それはロケットランチャーの事か。)

「うん、大丈夫。お腹すいた。今何時?」

ミラ 「夕飯の時間よ。起きられる? ここで食べるのがいいかしら?」

「大丈夫。ダイニングに行くよ。みんなありがとう。」

ダイニングでは既にテオがテーブルに着いていた。
「シェル、お疲れ様。兄上の敵を討ってくれてありがとう。」

「いや、最後はテオたちのおかげだよ。一番頑張ったのは冒険者達だし。」

「少しだけど役だったなら良かったよ。でも、アレを隠してるなんてひどいぞ。」

「アレは危ないだろう。ちゃんと作動して良かったよ。」

「イブキが焦って持ち出してきたのだ。私に説明しておけば、もっと早く参戦できたのに。」

「結果オーライだね。でも軽率だった、皆を危険な目に合わせた。もしも最初にブラックドラゴンがログハウスに向かっていたらと思うと、ゾっとする。本当にすまなかった。」俺は皆に頭を下げた。
「もう二度とこんな危険な事しない。約束するよ。」

テオ 「ハウスが危険になったら、コアが放り出してくれてただろう。」

「そうかな。そうであって欲しいけど。」

イブキ 「守ってくれたよ、絶対。」

テオ 「コアなりの勝算があったのだろう。実際勝利した。」

「そうだね。」俺もコアのことは信頼している。

ベルル 「さぁ~御馳走を用意したわよぉ~ 勝利の祝杯をあげましょう~ 」

再びダンジョンに平和が戻り、俺達は晩餐を満喫したのだった。

ブラックドラゴンが消えてあの場はどうなっただろうか。
追い出すのが目的だったのだから問題は無いだろう。
神木は守られたし、後方にあるというダンジョンの掃除も出来るはずだ。
(俺、余計な事はしてないよな?)

 ブラックドラゴンの亡骸が畑の中にある。なかなかシュールだ。

「マスター ドラゴンの心臓 【クリスタルハート】 どうしまス?」

「どうするのがいい?」
「私にあたえれバ ダンジョン能力あがりまス。」

「ふむふむ。」 

「巨大ダンジョン 作成可能!」

クロが俺の周りを飛び跳ねて抗議しているようだ。

「クロ 与えるト スライム王覚醒 最強スライム誕生。」

「そうなの?すごいじゃん。」王様はコクコク頷いている。

「どうしますカ? 私? クロ?」

「なんで2択なんだよ! 他にも使い道あるかも知れないだろう。」

【クリスタルハート】の扱いは慎重にするようにテオに進言されている。

「取り合えず保留で。ゆっくり考えよう。」

「了解・・・・」 
「クロもいいよね?」王様もコクコク頷いた。

「コアはドラゴンの生命を吸い取れたの?」 
「たっぷりト。」

「それで能力は上がったの?」
「保留ダンジョン グレードアップ 城 作成可能」

「城かぁ、いいな。でもさ、保留ダンジョンで城なんか建てて、いざ現実にダンジョン作る時に役に立つの?」
「勿論 貢献度大。」 
「ふぅん、それならいいけど。」

 俺はホルン(豪商人)にチェンジしてブラックドラゴンを収納した。
彼の亜空間収納は時間停止で容量∞だ。そこでドラゴンには眠っていてもらおう。

 クロはLv.200に上がり<分裂>(レベルにより数が変化)が発現した。
俺はLv.300になった。ちなみにイブキがLv.100 テオがLv.120。
ブラックドラゴンの経験値どんだけ・・・

 数日後サムネ50をカンストするべく、俺は街でコピーしながら歩いていた。
サムネは49番まで埋まっている。あと一人だ。

神殿に向かっていると(いた!)
ウィンター(司祭)聖 水*<祝福><真贋>

真贋>(真実と嘘を見分ける)これはレアだ。サムネ50枠を集めたぞ!

ピコーン! 『シークレットスキルを判明出来ます。』

予想通りだ。そうだと思ってたぜ。

ロスのシークレットスキルを<判明>。
殺人狂>(人を殺めれば殺める程、能力が上がっていく。)
どれだけ罪を犯したのか。改めてロス怖い。
そして<カリスマ>で彼を従えているワイルナー伯爵も親父ながら恐ろしい。

 悩ましいのは他人の秘密を暴くと言う事実。やはり躊躇する。

(双子は暴いてもいいよな。)
ミハイル(双子兄)は<丈夫>(病気になりにくい。風邪はひかない。)
レイモンド(双子弟)は<執着>(欲しい物は必ず手に入るが失う物も多い。)

シークレット・・・確かに誰にも知られたくないな。
親父は<洗脳>(時間が経てば解ける)だった。悪人らしいスキルだ。

▲ギザ(通称青狐)視点

 グランダ王国で”copy"という人物を探している。 ”copy" を知ってる者がいない。
だが魔道具屋で”copy"の魔道具を見つけた。ニトという少年が持ち込み、修理道具など高額な買い物を続けているようだ。間違いない”copy"は存在する。

 ニトの住処を探すとダニーという冒険者の家の居候のようだが生活している感じがしない。
この家はダミーではないか? 錬金術師の弟子、従者、息子? 

 兎に角このニト少年を探し出すのが”copy"に繋がる。赤毛の可愛い男の子。きっとすぐに見つかるだろう。

         ***

 サムネを50枠埋めると言うミッションが終了し俺は解放された気分。
保留ダンジョンも平和だし、元々俺は喧噪な世界は性に合わないんだ。
属性がニートだからな、ゴロゴロしていたいのだ。

 ゴーレムが自爆して再召喚をコアやユカにせがまれ、仕方なくコピー魔道具を再び売却しに街に出た。
そこで久しぶりに会ったダニーから俺はジューク達の事を知らされた。

ドラゴン討伐も終わり、彼らも普通に学園生活を続けていると思い込んでいた。

          

 


 



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