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【小説7】勘違い女神の弊害(異世界転生したオレはスキル<コピペ>で人生を謳歌する)

7  コアの能力を上げる方法は4つ


  ダンジョンに戻って俺はスキル本でロスのスキルを調べていた。
闇魔法は精神攻撃が強力だ。<超猛毒>は即死レベル.......etc
<バインド>掛けられた時は死を覚悟したぜ。

ただロスのスキルを使えても 俺のレベリング不可が味噌。

「マスター 休息ですカ? 相談ガ・・・・」
「街まで<神速>したんだ。ロスのスキルを使うと疲れる。」

「クロ 眷属にしましたからネ 少しずつエネルギー奪われていまス。」
「うぇっ マジ?」「命に危険ないでス 同じ食べ物与える いイ。」

慌ててお土産の猪肉串を取り出しクロに与えると、串ごと丸のみしてモグモグ。
2本も食べ終わると「けぷっ」と言った。

「マスター いつかダンジョン作成する為ニ 私の能力あげて下さイ。」
「どうやって? 俺はLv.10だ。」

「まず、マスターの能力 上げてほしいでス。」
「すごく難しいな。」

『私のコア能力を上げる方法 4つありまス。』

コアが言うことには────

1つ ダンジョンマスターの能力を上げる。

2つ ダンジョン内で冒険者等の〔敵〕の生命力(寿命)を吸い取る。
   (吸引は微調整が可。ダンジョンに20年通うと寿命は約2年分吸われる。)

3つ モンスターのムーンドロップ(心臓)をコアに捧げる。

4つ グロスの穢れたキューブ(心臓)をコアに捧げる。

モンスターはその昔、赤い月から零れて落ちてきた凶悪な怪物だ。
正式にはレッドモンスターと呼ばれ外見全体が真っ赤。

元はアメーバー状態だったモノが動物、魔物、人を喰らい今の形に進化した怪物。
山や森林に多く生息して赤い月の夜に分裂して増殖する。
遺体から取り出される心臓は月の雫(ムーンドロップ)と呼ばれピンキリで取引される。

グロスとは人が闇落ちした異形の物。
その姿は人の原型を留めず海藻の塊のような姿で悪臭がする。
グロスを倒すには普通の攻撃ではダメージが弱く聖水が必要。
こいつは人の住む場所に出没する。

グロスの活動は主に夜、影に潜んで人を襲い生命エネルギーを奪い取る。
遺体からはキューブという黒い物質が取れて、神殿で清めてから処分する。
討伐が難しいのでキューブは国費で高価買取される。

スライムなどの魔物は魔王軍、魔王の配下。ダンジョンなど、どこにでも生息する。 
モンスターとの識別は人間の言葉を理解できるという点。召喚やティムが可能。
遺体からは魔石が取れてピンキリで取引される。

「どれも難問だ。もしかして今、俺もコアに寿命を吸われてる?」
「冒険者などの〔敵〕から吸引。マスターは主 クロは眷属 吸引不可。」

「まさに冒険者は命を懸けた仕事なんだな。」
「マスター能力上がル 強力なガーディアン召喚可能。」

「クロを育てたいから頑張ってみるぜ。」
「クロは怠けものなのデ 命令に背けない従僕がピッタリ。
能力は未知数 成長すれば強力。 
眷属の経験値は7:3で得られまス。7がマスター。」

「離れていても?」「───傍に居ル 必要。」

クロか・・・王様だもんな、強くなるよな?

更にコアはここにを建てたいと言い出した。

「勝手にどうぞ。」 
「大白金貨 1枚必要。」それは1億だった。

「宝くじでも買ってこい!」

俺はシェルの部屋からオマルゴミ箱もコピーして持ち出し、サークル内に設置した。
コアはそれが気に入らないのだ。

数日間ゴロゴロしていた俺だが、ただゴロゴロしてた訳じゃない。
俺はシェルの仇を討つべく1度だけ、真夜中のワイルナー邸に忍び込んでいた。

アサシン専用スキルで開錠が出来る。
ワイルナー家の宝物庫を見つけ出し、中をカラッポにしてやった。

俺のポシェットは満タンになり、容量は<ストレージ(極小)>だと知った。
それでも相当な財宝量だ、宝石、武器防具、魔道具、汚い木箱。

汚い木箱には薬品が多数詰まっていて、俺が持ってない薬もあった。
薬をコピーして売れば金持ちになれるかも・・・俺は悪い顔で笑った。

双子どもが受け継ぐ財産を奪ってやったぜ。 ザマァだ。
ロスも職務怠慢、監督不行き届きでクビになればいい。

かえって芝生の上に財宝を全部出すと
コアが再び「家 倉庫 所望!」と騒いだが無視。

さて、俺には1つ気になることがあった。
シェルと融合して記憶は共有出来ているのが、感情の共有ができない。

例えばロスは会った瞬間シェル(体の底)からロスに対する恐怖を感じたんだ。
そういうのが無いんだよな・・・嬉しさとか怒りとか。
自身の半身に拒否されてる感が否めない。だから シェルになりきれないのか。

俺はシェルを幸せにしてやりたいのにな。喜びを分かち合いたい。
まだ日が浅いからかな、焦らずに待ってみよう。

コアが不満げに俺の周りをふわりふわり飛び回る。
クロはいつも俺の頭の上か腹の上でくつろいでいる。

「なぁ ターミネー○ーⅡ って映画があってな。
 ターミネータってのは、アサシンみたいなもんで
皮肉にも少年と心を通わせたのは、そのT-800って機体なんだよ。」

「映画? マスター 意味不明。」

「わかんないだろうな。まぁ お前らが居て良かったって思っただけだ。」

「それなラ 家ヲ・・・「それは保留だ!」

 
 




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