【小説10】勘違い女神の弊害(異世界転生したオレはスキル<コピペ>で人生を謳歌する)
10 異世界召喚されたイブキ
気が付くとイブキに膝枕をしてもらっていた。
〔大丈夫?けがはない?〕日本語で話しかけてきた。
〔うん、大丈夫。〕俺は起き上がって正座した。
〔君が助けてくれたの?これって夢じゃないよね。〕
和弥としては女子と話すのはコンビニの店員さん以来だ。ヤバい。
〔うん、ここは・・・まぁ夢のようなものだけどね。〕
〔なんで日本語が話せるの? 君は誰なの? ここはどこ?〕
〔お・・僕はシェル。前世が日本人だった記憶があるんだ。ここはどこかの惑星で国はグランダ王国。 君はどうやってここに来たの?〕
〔わからないのよね。キャンプに来てて耳鳴りがして、気が付けば知らない所に倒れてたの。言葉もわからないし、一緒にいた友達もいないし、保護されたらあちこち連れ回されて、訳がわかんない。〕
〔そっか。君を保護すると報酬が国から出るみたいなんだ。〕
〔なんだろう、もしかしてこれって異世界召喚なの?〕
〔そうみたいだね。〕
イブキはまじまじと俺を見た。(照れる・・・ぜ)
〔前世の記憶があるんだー だから大人っぽいのね。コ●ン君みたい~〕
〔ハア、ソウデスカ・・・〕
俺はイブキに今回の経緯を詳しく話した。
ガウロや冒険者達の死は彼女にショックを与えたが
まだどこか現実味が薄く感じるのだろう、遠い目で暫くは無言だった。
〔私どうなっちゃうんだろう。帰れるのかな? 王都で聞けばわかるかな。〕
〔王都に行きたいの?〕
〔行ったら帰れるかな。でもweb小説だと大体帰れないよね。〕
〔調べないと分からないね。〕
〔言葉もわからないし、王都に行くのは不安だな。〕
〔んじゃぁ、しばらくここにいる?〕と、俺はそう言うしかないよな。
〔いいの? シェル君 もう頼りは君だけなの。お願い!〕と手を合わせるイブキ。こんなの断れないじゃないか・・・・
〔頼りにならないと思うけど、手伝いはしてあげる。でも条件があるんだ。〕
イブキに眷属の話をすると〔絶対服従?? マスター、変な事しないよね?〕
〔僕は8歳です。嫌ならいいよ、無理強いはしない。〕
〔ふふ、冗談よ。お手伝い宜しくお願いします。〕
人を眷属にするには俺の血を与えるのだそうだ。指に傷をつけたが・・
〔あ、やっぱりやめておこうか・・・・・〕
〔うーん、シェル君の血なら平気だよ。〕
イブキは俺の指をパクッとくわえて舐めた。
(はぁ、美少年は得だな。)
芝生の上でイブキがクロと遊んでいる。
平和な光景だ、彼女もここは安心なんだろう。
俺はガウロの荷物をガウロチェンジして芝生にぶちまける。
散らばった荷物を拾った時、俺はガウロチェンジして<ストレージ>
その後ロスチェンジして<神速>したんだ。
どういう原理か理解できないが、再びガウロにチェンジしても
ガウロの荷物はガウロの亜空間収納に消えずに残っている。これは助かる。
荷物の中に金貨が結構あった。取引商品、ネームプレートもたくさん。
俺の腕にも銀のプレートがある。【シェル G510 男】と刻印されている。
G510はシェルが誕生したグランダ歴510年ということだ。
銀のネームプレートは貴族の証、俺はそれを外した。
ガウロに奴隷取引された子供たちのネームプレートだろうか。
全部平民用の銅板だ。中に【ニト G508 男】という銅板があった。
このシェルの容貌は悪党に狙われやすく危ない。
ロキシーの<変貌>で普通の平民の男の子に成りすまそうと決めた。
【ニト G508 男】のネームプレートを腕に括り付けた。
これで俺は平民のニトだ。名前もニートに似ているしな。
ガウロの荷物は遺品だ、許しがたい悪党だったがどうしたものか。
「これハ 冒険者呼ぶ餌ですネ。素晴らしィ。」
「遺品だよ。ちょっと確認しただけだ。」
コアは不服そうにユラユラしている。
「スライムダンジョンなんて、ドロップ投げ売り、持ってけ泥棒ーじゃないか。」
「マスター強くなってル。召喚魔物増加。」
そうだレベルアップしたんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
シェル 無職 男
職業レベル48
属性 ニート
特性スキル なし
シークレットスキル<レア>
ーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、ワイルナーが消えている、、、シビアだぜ。」
ダンジョンが消えて俺は死亡扱いだな。
「あがったな~。でも、48だと大した事なさそうで、ダンジョンは無理。」
「小型ゴーレム 召喚可能。」
「あーーーーーーーー微妙。保留で!」
次にコアは放置中のワイルナー家の荷物の周りを飛び回り
「家作成可能。荷物邪魔。邪魔。」と、うざい。
「スペースいっぱいあるからいいじゃん。家なんかいらん。」
「イブキ 部屋必要。」オマル箱の事を指しているんだろう。
サークルを出たり入ったりして飛んでいる。
ぐうっ、コアめ、攻める角度を変えてきたな。
サークルの白い床に家のイメージ図が映し出された。最小がログハウス
最大が3階建て地下2階、なんとハウスキーパー3人と亜空間収納付き。
「宝石処分 ログハウス可能。」
「宝石は魔界取引か?」
「はィ オススメ ログハウス&ハウスキーパー。」
「そっか、仕方ない、ワイルナー家の宝石を売っ払う。」
こうして保留ダンジョンにログハウスが建ったのだった。