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【小説3】勘違い女神の弊害(異世界転生したオレはスキル<コピペ>で人生を謳歌する)

3 <コピペ>しよう


 ロスと医師が出ていくと、チネットがオートミールの粥を持ってきた。
不味いが腹が減ってたので食べ、御代わりもした。
チネットも居なくなり1人になると、俺はチェンジを試すことにした。

ピコーン!  『物体をコピーしてみましょう。』 いや俺はチェンジしたい。

ピコーン! 『机上の本をコピーしてみましょう。』 無視されている。

仕方ないから机上の本を手に取り「コピー」した。
◎ 本 貴族のマナー ◎
本のタイトルが出るだけだ、サムネが出ない。

ピコーン! 『机上にペーストしましょう。』え、本のタイトル写すのか?

ピコーン! 『机上にペーストしましょう。』机が汚れるぞ。

ピコーン!  わかったよ! 「ペースト」

すると机上に同じ本がもう1冊現れた。色 汚れ具合全く同じだ。
これってお金も増やせるのでは・・・・ウヒ

ピコーン! 『コピー製品には”copy"と刻印がつきます。』

ピコーン! 『コピー製品はコピーできません。』

コピー本を調べると ”copy" と刻印が背表紙にあった。
なんだ贋金作り防止付きかい。でも元本があれば永遠にコピー出来るな。

ピコーン! 『生産コピーは1日につき レベル×10回 』制限付きか。

チェンジも試してみた。これは何度でも可能だった。
ロスの<透明化>を唱えて鏡を見る。「おお、消えている」
後で分かったが、これは<レーダー>にも引っかからない優れもの。

<デリート>はごみ箱の中を空にするスキル、オマルもゴミ箱扱いらしい。
<クリーン>も使えるから尻をだす必要も無い。
チネットの<フレグランスシャワー>は消臭&芳香だった。

特殊スキルを使うと、がぜん体がダルくなった。この体はまだレベル1だもんな。
ベッドに入ると眠くなってきた。意識が遠のく・・・

          ***

翌日、目が覚めると記憶の整理は出来ていた。

シェルとの融合は俺の自我が強すぎてシェルを感じられない。
人生経験俺のほうが20年も長いから仕方ないよな。

しかしどこか自己を嫌悪してる感があり
これはシェルの気持ちと思われた。

粗野な俺が、シェルの品位を木っ端みじんに破壊してはいけない。
俺だけの体じゃないもんな。

とりあえず、他人と会話時は自称【俺】を封印する・・・努力をしよう。

朝食を終えると、俺は動き出した。父は王都に出掛けているようで
屋敷は執事のロスが仕切っていた。誰も彼には逆らえない、だって怖いから。

さて、そのロスにスキルチェンジして<透明化>を使った。

サムネにはスキルを50個貼れる。騎士団長 料理長 司書 侍女頭 etc…
次々とコピー&ペースト<コピペ>していった。

対象者と距離があっても顔が確認できる範囲だと<コピペ>できる。
同じ職業はペースト出来ない、上書きする形になるので慎重に<コピペ>した。
多くの職業を全て把握する気はない。必要なスキルだけ利用するつもりだ。

広い屋敷を走り回って疲れた。虚弱体質、というか栄養失調だこの体は。
俺にシェルの記憶が蘇る。

シェルは食事は朝食しか食べられない。
以前、双子がシェルの部屋に来て、夕飯の料理に唾を吐いたのだ。
チネットは料理を取り換えてくれなかった。

それがトラウマとなり、気持ち悪くてちゃんと食事ができない。
だって廊下で双子がこっそりシェルの料理に唾を吐いてるかもしれない。
ただ、朝食だけは安全なんだ。寝坊なのか、双子は朝は部屋から出ない。

ったく、ロクなヤツじゃないな、双子とチネット。

そうそうトイレ事情は半分解決した。<デリート>は使わない。
排泄の後に自分で<クリーン>してオマルの中にコピーした便箋を1枚揉んで捨てておいた。

「紙でお尻を拭いたからクリーンはいらない。」
と言うとチネットは<デリート>して黙って出て行った。

今は無関心が有難い。自由に動きたいからな。
俺のスキルの秘密を誰にも知られたくない。今は無能扱いでいい。

 


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