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「私帰る!」の不思議

息子と珍しく長いこと話をした。
男女の脳の違いについて。
なんて難しく言ってしまうと賢い感じがする。そんなことではない。

要約すると「女子の心理はよく分からない」
の話。女子の私は、そういう現象が起きることは知っている。自覚もある。
面倒くさいと男子が言うのもわかる。
言いたくなる気持ちもわかる。

なかなか男子のようにサッパリいかないものだから羨ましいなと思うことも多い。
女子は基本誉めあうし(なんとなくのルール)
男子は基本けなしあうし(最近はそうでもないというのも聞いたけど)

息子は学生時代、男女が複数人いる飲み会の席で、三回経験していることがあるんだよねと話し出した。
「お酒飲んでるじゃない?なんの、スイッチなのか俺ら男はわかんないんだけど、
プリプリ突然怒り出す女の子がいるんだよ。
その子の中で絶対許せないことが起きてるみたいなのよ。
男って鈍いからわかんねーの。
でさお決まりのセリフを吐くの。

「私帰る!」

帰れば?って思うわけ。空気悪くなってるし、一人抜けても別に。
それでお金バンって置いて出ていっちゃって。
そうすると女子が慌て出して、一番優しい子が追いかけていくんだよね。
それで、連れ戻してくるの。
大体泣いてんのよ。
あの空気のいたたまれなさ?
こっちは、なんかガサツなこと言って傷つけたのかなぁ?とか思うし。向こうの方で泣いてるその子を他の子が慰めてるし。

けっきょく最後までいて二次会とかも来てて。
男は「何があったんだ?」って目配せ。
その謎は今だわからず。

それが一回目~。

二回目も、集まったときからプリプリ怒ってた女の子。前回とは違う女の子。
嫌な予感するなーって。
そしたらやっぱり「私帰る!」って。

再現VTRかよってくらい、隣の席の子が追いかけていって連れ戻してくる。
なんか泣いてるし。
「もう帰れよ。ほっとけよ」
って、男性陣は思う。だそうで。
これから楽しく飲むのにさ。黙って帰ってくれよ。あれなんなん?

三回目。
行く前から何かに怒っていて、まわりの子達がすごく気を使っていて。
アホな男性陣は「なに?なんかあったんか?」とコソコソしている。

空気を読みすぎる女子は、なんとかしてその子を連れていく。
もう、なんかヤバそうだから男は男、女は女で真ん中で線を引く感じで座卓に通されて飲み始める。

始まりました。
「私帰る!」→出ていく→一人が追いかける

そしたらその三回目はイレギュラーな事が起きた。
「誰か男の子も行ってあげて」

アホな男性陣は、アホって言いすぎだけど、アホそうだからアホっていう。

みんなキョトンとして、内心なんで?とか思う。誰かの彼女でもないし。

たまたま幹事だった息子は、よく分からないけど外に行った。(笑えるなぁ。想像できる。イラッとしてそうだな)

女子を敵にまわすと怖いと良くわかっているので、どうしたのー?とか戻ろうよーとか声をかけてさ。

ここからは俺の本音ね。
「お前は何があったのか知らねーが、来てすぐ帰るだの泣くくらいなら最初から欠席にしとけ。
風呂にでもゆっくり入って、酒なんか入れない方がいい。第一空気が悪くなる。
男はバカみたいに飲みたいわけだし、そっちの顔色伺って飲むのとか時間の無駄。
頼むから気がついてくれ。
もうこんなの三回目。で、連れ戻してくる友達!ほっとけ!誰のせいでもないならほっといて帰らせろ。まだ明るいから駅までくらいなら歩けるだろ?」
と言いたいところを必死にこらえて、居酒屋に戻る。
その頃には、男性陣は出来上がっていて
「なんだったんだ?あの時間は!」と半分憤って飲みなおす。

私は話を聞いたあとに
「大変だねー」
他人事なので面白い。
私たちの時代も、泣いたり、怒ったり、帰ったりしてる子がいた。
お酒の力もあって自制が出来なくなったり。

飲む前からのそれはきついね、
ドラマのヒロイン。

「帰る!って言ってもいいよ。
でも本当に帰れよ?」

「わかんねーな」、ブツブツ息子は言っていた。

若いですね。そのうち思い出になりますよ。


それでは


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