あげたい側のエゴ
プレゼントされるのが苦手です。欲しくないものをもらっても困ってしまうからです。「私それ欲しいって言いました?」と思ったことが先日もありました。
友だちとただごはんに行っただけなのに、早めの出産祝いをもらったのです。まだ生まれていないのに、というのが引っ掛かりの一点目。
「私、スタイとだっこひものカバー欲しいって言ったっけ?」というのが二点目。そしてその友だちからは、一人目出産したときも同じようなものもらったよね?というのが三点目でした。
でもプレゼントって突っ返す訳にいかないじゃないですか。せっかく買って、そこまで持ってきてくれたのに。相手の気持ちを察すると、「持って帰って」とは言えない。「これ欲しくないから受け取れない」と言えるほど、私も厚顔無恥ではありません。結局受けとりました。「ありがとう」と言いながら。
そうやって受けとる以外に、どういう選択肢があったのでしょう。相手を不快にさせず、関係を悪くせず。「まだ生まれてないから早いよ~。でもありがとうね」なんて、言っても嫌みにならないかしら。でもその場での、三つも引っ掛かってからの、そのちょっと茶化した切り返しには、頭の回転が追いつきませんでした。本心は「困る」の感情が占める割合が一番大きいのです。
あとからモヤモヤしてそういうことを考えてしまうから、モノをもらうのが苦手です。せめて食べ物をいただいたのなら、アレルギーのもの以外なら食べられるます。あるいはもう会わない人がくださったのなら、適当に処分します。処分するのにも手間や時間はがかかりますが。
モノを介在しない関係っていいな、と思います。直接会おうとか、メールやLINEで気持ちを伝えるくらいでいい。それこそが一番のギフトだと思うのです。何より時間を割いているから。旅行に行った訳でもないのにモノをあげたりもらったりするのが日常になると、疲れます。何かお返しした方がいいのかな、などの思いが自然に思いが沸いてきてしまいます。大抵、スルーしていますけど。松浦弥太郎さんのエッセイの中にも、大切な人に会う前にプレゼントを持参しようか逡巡して、結果持っていかず、そのすべてを相手に打ち明けたときに以前より関係がもっと深まった、というよりはエピソードがありました。大切なのは、相手を思う気持ちです。何かモノを渡したいのなら、希望を聞いてからにするのも誠実なやり方だと思います。
これからも続く関係だからこそ、「ミニマリストを目指してて」とか、プレゼントお断りイメージを定着させていこうと思います。