毒饅頭殺人事件のチフス菌
みなさんこんばんは。
博多限定で桜餡の珍しいひよこをいただきました。まんじゅうではありませんが少し合わせてみました!
どーもMittsuです。
今日はNHKで放送中の「虎に翼」で毒饅頭殺事件で混入されたチフス菌について話題になっていましたので少し話たいと思います。
チフス菌は、サルモネラ属の全身性感染症であり、
「腸チフス」と「パラチフス」が有名な感染症です。
それぞれチフス菌とパラチフスA菌によるもので、1999年の感染症法施行時は、二類感染症でしたが、のちの2007年からは三類感染症の位置付けとなっています。
発症した患者および無症状保菌者や死亡者を診断した医師は、直ちに保健所へ届出の提出が必要です。
グラム陰性桿菌で集毛性鞭毛をもち、運動性があり、
菌体由来の「O抗原」と鞭毛由来の「H抗原」を持ちます。
チフス菌は:O9群、パラチフスA菌:O2群 に属します。
また、チフス菌は「莢膜」を持つため、Vi抗原を持っていますが、パラチフスA菌は持たないという特徴もあります。
感染するのは、「ヒト」に限定され、糞便で汚染さらた食物や水が疾患を媒介するため、判明した場合には環境の改善も求められます。
潜伏期間は7〜14日とされ、
・発熱
・頭痛
・食欲不振
・全身倦怠感
などの症状が現れます。
定型的な経過は4病期に分けられます。
第1期
発熱:段階的に上昇し、39℃〜40℃に達する。
腸チフスの3主徴と呼ばれる
・比較的徐脈(発熱に比べて脈拍の上昇が少ない状態)
・バラ疹(梅毒でも出現する)
・脾腫
が出現する。
※必ずしも3主徴が出現するわけではなく、個人差があります。
第2期
・40℃台の稽留熱(発熱が持続し、1日の体温差が1℃を超えないもの)
・チフス性顔貌と呼ばれる無欲状顔貌
・下痢または便秘
を呈する。
重症時
・意識障害
・難聴
などが見られることがある。
第3期
・弛張熱(1日の体温差が1℃以上の変動を示すが正常体温まで下がらない)を経て徐々に解熱
・腸出血とそれに続く腸穿孔の合併を起こすことがある
(こちらはニューキノロン抗菌薬治療により現在は稀となっている)
第4期
・解熱し、回復に向かう。
血液、糞便、胆汁、尿などの培養検査での菌検出率は低いとされ、
・血液培養:40〜80%
・便培養:30〜65%
程度とされているため、疑わしい症例には、培養検査を繰り返し行うことが重要です。
髄液培養を採取することもあるが、検査の侵襲を伴う一方、比較的検出感度が高いです。(骨髄培養:80〜90%)
主に抗菌薬治療となります。
先ほども腸穿孔症例で触れましたが、第1選択はニューキノロン系抗菌薬となります。
世界的には腸チフスに対してのワクチン接種も実用化されているが、日本では認可されていない。
以上、毒饅頭殺人事件で話題となったチフス菌についてでした。
それでは、おやすMittsu💤
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