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痛みと「うつ」について
ご訪問ありがとうございます。
今回は痛み、特に慢性疼痛とうつに関して書いてみたいと思います。
痛み⇔うつの相互関係
痛みには、頭痛や関節痛、生理痛、腹痛など様々あるかと思います。
私も腰痛を抱えているのですが、たまに激痛が襲ってきて、それが3-4日ほど続きます。
実はこれを書いている今まさに激痛が去ったくらいのタイミングなのですが、
腰痛と戦っている期間は本当に何もやる気が起きません。部屋は散らかるし、朝食は抜かすし、noteに向かうこともできません。
一種のうつ「状態」ではあると思うのですが、そこまで深く(日常生活が送れないほど)長い期間続くことはないので、うつ「病」とまではいきません。
実は「痛み」と「うつ」には深い関連性があります。
ざっくり言うと、慢性疼痛(腰痛、慢性頭痛、ガンによる痛みなど)の方の50%がうつ病を抱え、
うつ病の方の50%がなんらかの痛みを抱えている、と言われています。
(慢性疼痛⇔うつ病。痛みの程度や期間、うつ病の重症度にもよるので、数値は研究によってさまざま)
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痛みに関連するホルモン/神経伝達物質
痛みとうつの関連性の原因の一つに、ストレスがかかると体内で放出されるコルチゾールがあります。
副腎皮質と呼ばれる小さな臓器で作られる、副腎皮質ホルモンです。
コルチゾールの役割の一つとして、通常朝起きた時に急激に分泌され、脈拍や血圧を上げたり、朝の目覚めのスイッチとして働きます。
1日のうちで分泌される量が変動しており、一種の体内時計のような役割も果たしています。
他にも痛みやストレスを感じた時、うつ状態の時に過剰に分泌されたり、あるいは分泌リズムが乱れたりします。
他にはセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質も痛みに関係しています。
どちらもうつ状態になると不足してしまい、不安や抑うつ、意欲の低下などに繋がります。
さらにこの2つの神経伝達物質は、痛みの伝達信号を弱める働きを担っています。よってこれらが不足すると痛みに対する感受性が高まります。
不足しているセロトニンとノルアドレナリンを補う作用のある抗うつ薬を服用すると、劇的に痛みが改善する方がいます。
例えば手がしびれてピアノが弾けないという方が劇的に改善して感激されたこともあります。以前の記事でも書きましたが、抗うつ薬により痛みが良くなる方は、感覚的にはかなり多い印象があります。
こうしたホルモンや神経伝達物質の働きを見ても、痛みとうつが密接に関係していることが分かるかと思います。
それ以外にも、単純に痛みで動けずふさぎ込んでしまう、痛みで眠れない、というのもうつの原因となりうるでしょう。
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おわりに~うつの警告サインに気づく~
痛みに限らず、普段できていることが、「できそうにないな」「ハードル高いな」「億劫だな」と思ったときはうつ状態のサインかもしれません。
その中でも「お風呂に入れるかどうか(あるいは億劫に感じるかどうか)」は個人的にかなり重要視しています。
入浴には思っている以上にエネルギーと決断力が必要です。入るのが当たり前でもあるし、必ずしも入らなくてもいいという、うつ状態の方が優先順位的に後回しにしやすかったりもします。
なんとなく部屋が散らかってきたなとか、お風呂に入るのが面倒くさいなとか、痛みが出て来たな、といった警告サインをキャッチできるようになると、その分早めに対処もしやすくなると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。