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精神科医が診察中に唱えている呪文〜SIGECAPS

こんにちは、精神科医のはぐりんです。精神科医のリアルな日常とホンネをお届けしています。
※2分で読めます。

今日は精神科医の間でよく知られている、ある語呂合わせをご紹介したいと思います。

「SIGECAPS」、シグイーキャップスと読みますが、この何の規則性もない横文字、実はうつ病の症状を網羅しています。

SIGECAPS
S:Sleep(睡眠障害)
I:interest(興味、関心の低下)
G:Guilt(自責、罪悪感)
E:Energy(けん怠感、疲労感)
C:Concentration(集中力の低下)
A:Appetite(食欲低下)
P:Psychomotor(精神運動制止:思考や決断が鈍ってしまったり、口数が少なくなったり)
S:Suicide(希死念慮や企図行為)

このSIGECAPS、私の場合は精神科医になってからまず最初に教わりました。当初は私の大学独自に作られた語呂合わせかな?と思っていたのですが、調べてみると実は世界的にもよく知られている語呂のようです。

検索してみると、

SIGECAPS is a well-known mnemonic listing the symptoms of major depressive disorder, according to the DSM-5.』

DSM5に記載されている、うつ病の診断基準に沿った語呂なんですね。他にもいくつもSIGECAPSに関連する横文字のサイトがヒットしました。

うつ病を疑った際には、未だに診察中頭の中で唱えている「SIGECAPS」。症状をピンポイントで聞くclosed questionなところも、思考が停滞しがちなうつ病の患者さんに聞く際に適している点だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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