発想力と創造性を引き出す方法
こんにちは、精神科医のはぐりんです。
今回は発想力と創造性を引き出すためにはどうすれば良いのか、私が最近読んでいる本から心理学者や脳科学者の知見を参考にお伝えしていこうと思います。※3分で読めます。最後までお読みいただければ嬉しいです。
突然ですが今回の記事のサムネイル画像、何の画像かお分かりでしょうか?もしかしたら鋭い方ならお気づきかもしれませんが、これはフロイトによって開発された自由連想法という精神分析法を、心理士さんと患者さんが行っている時の様子です。
自由連想法は患者さんにソファーに横たわってもらい、半分眠っているくらいのリラックスした状態で、ただ心に浮かぶことを話してもらい、それを記録していくものです。合理的な考えを抑え込み、無意識下に抑圧された意志によらない考えが連想されるのです。ヨガやマインドフルネスにも通じる考え方ですよね。
ただ自由連想法だけでは、意味のある新たな発想や創造性は生み出されません。脳科学者のドーフによると、準備段階として関連するあらゆる情報を脳に導入します。するとまず言語の神経回路が作動し、視覚や聴覚、体性感覚の神経回路も動き始め、神経ネットワークが出来上がります。出来上がった神経ネットワークをしばらく持続させ、何日も行き詰まった状態は、メインの構築された神経回路は休んでいても、問題解決に役立つ新たな脳神経回路(新しいアイデア)を探っているそう。
ただ、この情報を導入して新たな神経ネットワークを構築するのにも必要なことがあります。創造性の研究者トランスによるとそれはモチベーション、それも恋焦がれるほどのモチベーションが必要だそう。そのためには自分のアイデンティティ、本当に目指すもの、成し遂げたいことは何かを見定めなければ、そこまでのモチベーションは生まれません。
発想力と創造性を引き出すために、まとめると、
・自身のアイデンティティを認識して何を成し遂げたいのかを見定め、対象にのめり込むこと
・その上でたくさんの情報を仕入れて考え抜くこと
・そしてリラックスできる環境下で自由連想法的に時には(地動説を唱えて幽閉されたコペルニクスのように)合理性を投げ捨てること
コツコツと地道に、時には休みを取り入れながら続けていく中で、柔軟な発想が生まれやすいのですね。アイデンティティはマズローの5段階欲求の最上位である自己実現欲求にも通じますし、自分の生き方や幸福とは、といったことにも結び付きそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考図書:毎日使える、必ず役立つ心理学