感覚の領域展

年度末はなにかと忙しくて、パニック状態に陥ってしまいます。頭が働かず、大量のひよこが円を描いて踊り出すこれは一種のパニック障害ではないのか。わたしは統合失調症と診断されていますが、きっとADHDやパニック障害も気があるのだろうとおもいます。

焦った時にドジをしてしまう女の子がアニメやドラマで可愛いと評されることがあります。「おっちょこちょい」というキャラを確立し、個性として認められているのです。個性として消化できる世界は優しい幻想にすぎません。現実は大人になればなるほど厳しい目にさらされ、冷たい氷に冷やされつ失うだけ。

日本社会は個性がないといいますが、海外に行けば弱肉強食でもっと厳しい世界が待ち受けているように思います。私のような弱者は個性を殺しながら必死でしがみ付くこともできる、そんな日本社会も評価されてもいいのではないでしょうか。

友人と「感覚の領域 今、経験すること」という展示会に行きました。
真っ白な世界に真っ黒なキャンバス、描かれた線や丸。
目の錯覚を利用した動画。
触れられそうな絵にミニチュアの世界。
丸が描かれた分厚い本。
現代アートは奥が深い。解釈が人によって違うから、同じ体験をしていても全く同じ感覚ではない。物理世界と精神世界で全く異なるのです。

丸が描かれた本が今回の表題。分厚い本の1ページに大きく一つの丸が描かれています。重厚な一枚に大きな丸。私はこの丸は「個性」だとおもいました。描かれた丸の色はひとつひとつ異なっています。その色を作るために色を混ぜて一つと同じ色はないように創られています。そしてそれは同じページにはないのです。それぞれのページでそれぞれの主張をしているのです。
のびのびと描かれた大きな丸。それは本来の人間の姿なのかもしれません。

「私の世界で私の色を大事にして生きよう」そう思わせてくれる作品でした。私の色は何色だろう。たくさんの人から影響を受けて、どんどんカラーは変わってもいいですよね。

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