24 手を差し出す勇気、手を差し伸べる勇気。
車椅子のわたし。
1人で病院に向かっていた。
少しの坂だけど、自走式の車椅子のわたしにはちょっとした登山で、息を切らしながら登っていた。
何人かすれ違ったり、横を通ったりした。
決して助けて欲しいわけではなかった。
というか何思わずただ必死で登っていた。
そこへ、向かいから駆け寄ってくれるおじさんがいた。
「どこいくんよ?」
「そこの病院か?」
「はい。あともうちょっと🙋♀️」
そう答えたわたしの車椅子を
おじさん病院に向かって押し始めてくれた。
「俺の娘は数年前に移植手術してさ…」
「ねぇちゃんもがんばれよ。よくなるぞ」
「きぃつけてな」
そう言ってさっていった。
病院に行くのは疲れるし、なかなかいいこと言われないし
だけど、この日はとても気持ちがよくいちにちが始まった。
また別の日
重そうな電気ストーブを運んでいるおばあちゃんがいた。
車椅子の私になにかできるわけではないけれど、
同じ方向へ向かっていたので
声をかけてみた。
なにができるとか
なにがしたいとかではなく、
そのストーブをわたしの膝の上にのせたくなった。
できると思ったから。
「こっちへ行くんですよね」
「その荷物、わたしのここにのせてもいいですか?」
おばあちゃん
少し戸惑いながらも
ありがとう
とのせてくれた。
私も嬉しくて
ありがとうございます
と言った。
数メートルだけど、
一緒に歩いた。
おばあちゃん
「私一人暮らしでね、久々に人とおしゃべりしたよ」「いいね、ありがとう」と。
おばあちゃん、私も嬉しかったよ
ありがとう
声をかけるのも
勇気がいる時がある。
助けてください
というのに勇気がいる時もある。
でも、
必要かそうではないかは相手が判断すればいい。
私が助けて欲しいと思ったら
私がなにかしたいと思ったら
行動してみればいい。
恥ずかしいなんて思わない。
だって
そうしたかっんだもん。
断られたっていい
それは相手が必要じゃなかったんだから。
でも
大切にしたい。
手を差し伸べる勇気
手を差し出す勇気
わたしの大切にしていること。
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