台湾(高雄)にある大学院の入学準備
前の記事でも言ったように、2024年の9月から高雄にある大学院に通っている。
今回は大学院に入学するためにやってきたことを紹介していこうと思う。
※私の場合秋季入学の申請だったので、春季入学を考えている方は以降の日付の記載には十分注意しながら参考にしてほしい。
①どこの大学に行くか決める
元々私は新北市にある大学院に行きたいと思っていたので、そこ一本に絞り込んで入学準備を進めていた。しかし入学試験で落ちてしまったので、2月に急遽高雄にある大学院を追加で申請した。
よほどの学部ではないかぎり、外国人は入学試験が免除され、書類だけで入学できてしまうので、書類の準備は前もってかなりしっかり準備した方が良い。
外国人の入学申請が年末〜年明けにかけて行われるので、申請開始の3ヶ月前には最低でも志望校は決めておくと安心。
※もちろん学校ごとに申請開始時期は異なる。有名校やレベルが高い学校は冬前に申請開始して年内には締め切るということを聞いたことがある。
志望校を決める際に、授業や教授についてしっかり把握することが大事である。
授業で使用する言語は何か、開講されている授業について、自分の研究テーマにあった指導教授がいるか、実習があるか等
また、台湾大学などトップ大学の入学を考える際には、自分と現地の大学生の学力にも注意した方がいいかもしれない。
知り合いの日本人は書類で入学したが、台湾の学生は熾烈な試験を受けてきたスペシャリストの集まりである。その学生たちとグループワークや、レポート、発表がある際に学力の差が顕著に現れ、とても劣等感を感じると話していた。
簡単に入学ができるのは外国人の特権かもしれないが、ある程度行く大学のレベルと自分のレベルを把握するのも大事である。
②申請に必要な書類を揃える(〜申請開始)
学校ごとに必要な書類は違う。志望校が決まったら、学校のホームページから申請書類について調べる。今回は代表的なものを挙げておく。
*研究計画書、学習計画書、自伝*
外国人の入学申請では、ほとんどの学校で研究計画書または学習計画書、自伝の提出が求められる。
私は、大学入学の際に自伝を含む学習計画書、台湾奨学金申請の際に研究計画書を書いた。
基本的に台湾華語(英語)での作成なので、日本人にとっては難関。
多くの人は留学エージェントを通して作成をしているそうだ。
個人的に費用がすごい高いと感じ、エージェントは通さずに自分で作成したものを台湾人の知り合いに内容や文法のチェックしてもらっていた。
研究計画書は、入学前に自分の大方の研究したいことを決め、どのように研究するのか、その研究によって他の人にどのような利益があるのか等を大学側に説明しなければならない。
私の場合は論文の序章の部分を書くような感じだった。
なぜこの研究をするのかという動機を書き、実際に他の論文、研究によって判明していること、判明していないことをはっきりさせ、自分の研究方向について書いた。
そのため研究計画書を書くにあたり、いろんな論文を読んで、その分野の知識を深めることに時間をかなり費やした。
学習計画書は、実際に入学した後の学校内外での過ごし方、卒業までのあらかたのスケジュールについて書いた。個人的に研究計画書に比べてそこまで大変ではなかった。
自伝は自分の今までの生い立ちを書くとともに、どのようなことをしてきたのか、どのようなことに興味を持ってきたのかを書いた。学校側に自分という人間がどんな人なのか分かり易いように書くことを意識した。
日本で自伝を書く機会がなかったので、台湾人の友人に見せてもらうと、パンフレットみたいな自伝が出てきた。
写真や色、デザインに凝った自分の紹介カードで、想像していたものとかけ離れていた印象。論文のようにフォーマットが特に決まってないので、自由な自己表現が可能。
*認証印がある最終学歴校の卒業証明書&成績証明書*
個人的にこれが一番面倒で苦労した書類である。
当時台湾に既に住んでいたので、卒業した大学から証明書を取りに行くことが難しく、さらに、その書類を日本にある駐日台北経済文化代表処まで行って認証をもらわなければならなかった。
そのため日本に帰国して書類をそろえ、再び台湾に戻った。
私の院では、入学申請時に提出したのに、入学後もその書類の提出が必要だったので、2部ほど確保しておいた方がいいかもしれない。特に奨学金に申し込む人は2部以上あった方が良い。
余談ではあるが、
台湾の院に合格すると学生ビザを発行するために代表処へ行くが、私は神奈川に住所があるので、ビザ発行は横浜にある代表処へ行かなければならない。しかし、大学は東京の大学だったため、証明書の認証は東京にある代表処に行かなければならなかった。
申請するものが、どこの代表処で受け付けてくれるのか事前に調べたほうが良い。
*その他の書類*
学校によって申請書類が違うが、上記の書類以外に私が準備したものは、
・学校が作成した入学申請書(一般的な履歴書)
・親の国籍を記入する書類(=自分が華僑ではないことを証明する書類)
・推薦状(大学院の申請に1通+台湾奨学金の申請に2通)
そして奨学金申請時に
・3ヶ月以内に発行した残高証明書
これも卒業証明書と一緒に日本に帰国した際に証明書を発行してもらった。
特に推薦状に関してはゆとりを持って依頼するのが良いので、大学院進学を決めてすぐにお願いした。
私は華語の学校の先生、仕事先で一緒だった台湾人、高校の担任にお願いした。
三人とも仲が良い方々でよく連絡したり、会ったりする関係で、私のことをよく知っている人なので快く引き受けていただいた。
本当はある程度自分で下書きして、最後の部分にサインをしてもらう状態で推薦状を依頼するのがマナーかもしれないが、三人とも0から推薦状を書いてもらった。特に台湾側はそんなマナー?文化がないのかもしれない。
以前別件で日本の大学教授に推薦状をお願いした時は、下書きを書けと言われたので、依頼する人と交流が少ない場合は、参考してもらうために自分で作成したものを渡す方が良い。
③申請書類を送付orサイトにアップロードする
申請が開始されたら準備したものを大学に提出する。
最近の大学はネットで提出することが多いので、台湾に送付する手間を省ける。
提出が完了したら合格通知が来るのを待つだけだが、私の学校は3月末申請締め切りの、合格通知が6月だったので意外と待つ時間が長かった。
大学院の合格よりも先に台湾奨学金の合格通知が来てしまったので、不思議な気持ちになった。
私以外の奨学金学生は、早くから学校の合否をもらっていたので、私の学校が遅すぎるのだと思う。
④合格通知を受け取った後
無事に入学が認められたら、台湾にいく準備を進める。
*学生ビザの手続き*
私は台湾にいたが、ビザを変える必要があったので帰国して、ビザの手続きを行なった。その際に学校から発行された原本の入学許可証が必要。他の書類に関しては代表処によって異なる。
ビザの手続きは代表処で行うが、6〜8月は学生ビザの申請をする人が多くなるので、横浜の代表処は完全予約制になっていた。
予約もすぐに埋まっていて、毎朝8時に予約枠が更新されるのをネットで確認していた。
そのためビザの申請は注意が必要である。
ただビザ発行日から3ヶ月以内に台湾に入国しないといけないため、早すぎるといいわけでもなさそう。自分の入国スケジュールと相談しながら申請。
*証明写真*
ビザ申請にも必要な証明写真だが、台湾に来てからも何かと提出を要求された。
台湾でも写真機はあるが、日本から多めに持ってきておいた方がいい。
私は日本で背景が白でパスポートサイズの写真を多めに用意していった。
居留証申請の時はデータでの写真の提出が必要なのでデータの写真も用意しておくと申請がスムーズ。
*書類のデータ化*
台湾入境してから居留証や学校入学手続きの際にネットでいろんな書類の提出が必要だった。
・パスポートの顔写真のページ
・ビザのページ
・入学許可証
・在学証明書
・奨学金証明書
など。
あとは住む場所がすでに決まっている場合は賃貸契約書などの書類をデータ化しておく。
もちろん台湾でもコンビニで書類をコピーしたりデータスキャンすることは可能。
⑤台湾入国後
台湾に着いて住む場所が決まったら、学校に行き、入学の手続きをする。もしくは先に居留証の申請をする。
居留証申請は入国してから2週間以内に申請する必要があるので注意が必要。
(申請するアクションさえすれば、2週間以内に手元に居留証がなくても問題ない。)
基本的に着いた後のするべき事は学校の国際課から指示が飛んでくるので、それに従うのみといった感じである。
私の学校は
・学校メールアドレスの開通
・学費雑費、保険料の支払い
・銀行口座開設
・授業選択
・オリエンテーションの参加
・健康診断の参加
などなど
個人的に感じたのは奨学金学生だけど、最初の時期にお金をたくさん使うと思った。
学費は支払い免除だが、保険料は支払必須で、家の契約で最初にデポジット(2ヶ月分の家賃)と初月の家賃、携帯SIMの契約、その他家周りの環境を整えるのにたくさんお金を使った。
学校の寮に住めばもっと費用は抑えられるかもしれない。
が、個人的に日本円で20万ほどの出費があった。
ただ、台湾で生活を続けることに憧れがあったので、とても今の状況に満足している。
申請の準備は想像以上にとても大変だったし、お金もかかり、いろんな人の協力によって入学が実現した。
おそらくこれからの院の生活はそれ以上に大変になるだろうし、多くの人の協力が必要になってくるだろう。
台湾の生活は人のつながりで成り立っていくのだとものすごく感じた。
この記事が台湾留学を決めた人の参考になっているかわからないが、
私自身この一年、入学申請でとても苦労したので、記録に残しておく。
これからの院生活をなんとか楽しんでいきたい…。