8/15の出来事

2週目も終了し、研修も折り返し地点を過ぎ終盤に差し掛かろうとしている。2週目は台風の影響で数日間雨天が続き低気圧の影響で体調の優れない日が続いた。当初想像していたよりも遥かに快適な研修生活を送っていたものの、先日こちらに来て初めて肉声の差別用語に接する機会があった。観光客にも人気が高く、現地人にとっても憩いの場として親しまれている韓国・ソウルの漢江ではOO漢江公園という風に各地域に漢江ビューを楽しむことができる公園が点在する。夕方から日の入り時刻にかけては特に混雑するため座席の確保にも少々苦戦するかもしれない。その日(8/15)は日本にとっては終戦記念日、こちらでは独立記念日であるため一年の中でも全体として反日感情が高まる日であるという認識はあったが数少ない休日を無駄にすることはできないため午前中から外出していた。一日の最後に漢江を見たことがないというクラスメイトとともに漢江公園に出向いた。私たち3人全員日常生活に大きな支障はないほどの語学レベルではあるが日本人同士でいるときは日本語で会話するため周囲の人は日本人であることをすぐに認知できる状況になる。(観光客は多少着飾っているし終始興奮気味に話すので多少目立つ。もしもあまり目立ちたくない場合はラフな格好で、少ない荷物で外出することを推奨する)席を確保して日の入りと南山タワーを見ようと待機していたところで一段下の会話の内容からしておそらく高校生の女の子たちから「XX(差別用語)」と目を合わせて言われた。私の聞き間違いだと思っていたので帰り際ほかの2人に尋ねたところどうやら聞き間違いではなさそうだった。差別用語を投げかけられたとしても被害を最小限に抑えるためには基本的に無視しておくのが無難なので例にもれず無視しておいたし、何事もなかったように居座り続けた。私が驚いたのは直前まで食べ物の名前でしりとりをしたり、好きな子はいるのー?同じクラスなの?などと話したり、ドラマの主題歌を替え歌で歌ったりしていた自分より若い女の子たちが平気で差別用語を口にするという事実である。考えてみたら公共の場で寝そべって話していたこともありお世辞にも素行がいいとは言い難い連中であったことも大きく関係しているのかもしれないがそれでも意外だった。渡航前は年配の方からそういった言葉をかけられても仕方がないと考えていたがむしろ年配の方々は基本的にとても親切でよくしてくれる人が多い印象。そもそも、儒教思想が強い韓国では商いの場においても「客⇔店主」という関係よりも「年齢」が先行する。人間関係を構築する1歩目が年齢になることを身をもって感じた。初対面であっても年齢が上であれば基本的にすごく親しげに話しかけてくる人が多い。店主を「お母さん」と呼ぶ文化もこういったところからきているのかもしれない。彼女らは言い方こそぶっきらぼうだけれども面倒見の良い暖かい人が多い。若い、というか未成年がそのような攻撃的な言葉を使う傾向は日本にはあまり見られないため本当に驚いた。それくらいの年齢で少し素行の悪い人たち特有の「言ってやった」という意識からくるものなのか、それとも品行方正で家庭環境にも恵まれ、才色兼備であることが至上のステータスであるという印象が強い社会で育つと自己肯定感の低下がこういった他の属性に対する軽蔑という形で出現するのか、それとも心が痛むがこれが「通常」なのか、ほかの理由があるのか、理由なんてないのかたった一回の被害ではわかるはずもないがともかく、そういうことがあった。


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