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競合に負けないために身につけた知識とスキルを活用した営業活動

人はいくつかの顔を持っている?


医薬品メーカーで営業をしてきた。今までに、医薬品、健康食品(サプリメント)、医療機器を取り扱っている。わたしが入社したころは、「MRはおとこ芸者でなければ売れない。」と言われたことがある。30年以上前の話しで、現在では当てはまらない。

医薬品を販売する時に、基本的には会社で決められた資料のみが使用できて薬の説明をするルールになっている。その資料は、社内のコンプライアンス委員会を通過したもので、正しいデータであるか?誰が読んでも問題がないものに仕上げられたもので審査を通過したものしか使用できない。

わたしは、開業医は3つの顔を持っていると考えていた。大学病院の医師も立場によって、いくつかの顔を持っている。開業医は、当然だが医師であり、経営者であり、診療所のマネジャーである。
ちなみに家に帰れば、夫であり、父親でもある。


営業として何をすれば差別化できるか?


営業活動をするときに、医薬品の情報提供と共に「この医師は、薬以外でほしい情報は何を求めているのか?」を考えていた。経営関連の情報なのか?スタッフをマネジメントする情報なのか?ライバルに差をつけて、自社製品を処方してもらうために、付加価値として情報を提供していた。

経営関係はビジネス書などから情報収集して、会話のなかで情報提供をしていた。スタッフのマネジメントは接遇や院内ルール作成サポートを実施していた。医療もサービスが重要だとかんがえる医師であれば、スタッフの知識を向上させて患者さんの質問対応力を上げることに熱心な方もいた。
診療でのサービス向上に注力する医師もしれば、接遇に傾注する医師もいる。最近は接遇の専門家にスタッフ教育をする施設もあるが、わたしの様なメーカーから情報を入手して実施している施設はあった。

環境で求められている役割はちがう

たまたまだが、わたしは診療所の新規開業に25件以上かかわってきた。上段でも記載したスタッフ教育を中心に、診療時の患者さんの流れを作る手伝いなどをしてきた。
新規開業などは特に、以前勤務していた病院を退職して開業されることが多かった。一緒に退職した看護師さんが開院時のスタッフにいることは珍しいことではなかった。
病院と開業医の違いは、待ち時間への考え方や対応がちがう。大学病院などは、特に何時間かかってもクレームを言う患者さんは少ない。地域の基幹病院でも開業医での待ち時間へのクレームの頻度に比べたら低いと予想される。

新規開業の時には、その時間への考え方と意識を変えてもらうための研修などを実施していた。指導資格などはないが、経験などからできるアドバイスをして、医師から喜んでもらえたことは自信になった。
経験を積ませてもらい、時間をかけて手伝ってくれたので、価格差がなく効果も同じくらいならと自社製品を使ってもらえた。
学びながら、実益があった経験であり、知識とスキルは財産だと考えている。


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