あの剣持刀也がメンバーシップを始めたらしい【メンシ】
最近何かと話題の刀ピーの“刀”の方こと
にじさんじ所属の剣持刀也くんがYouTubeメンバーシップ制度を導入したらしい。
件のMVは現時点で(2023/03/09)1470万再生を記録。VTuber文化に疎い人も「刀ピーOverdose」という、1度聴いたら忘れられないパワーフレーズを耳にしたことがあるのではないか。
剣持刀也 とは
事の発端は、2023年 2月7日に
同じくにじさんじ所属の月ノ美兎さん(通称:委員長)の枠で行われたこの配信。
内容は、勝負に負けた方が1週間以内にメンバーシップを開設する(ガチ)というもの。
現在(2023/03/09)にじさんじという箱は
日本だけではなく海外にも市場を広げ、国内外総勢約150名の所属ライバーを抱える大所帯である。
そのような環境下で2023年 2月7日 当時、メンバーシップを開設していなかったライバーは7名(JP2023年デビュー組、メン限停止、海外勢除く)。
うち2名が剣持くんと委員長であった。
メンバーシップ とは
メンバーシップとは、正式にはチャンネル メンバーシップと呼ばれる、視聴者が月額料金を支払うことによって特定のクリエーターの支援を行う有料会員システムのことである。
チャンネルメンバーになるメリットとしては、
クリエーターが毎月安定した収入を得ることができる
メンバー限定動画、配信、メンバーバッジ等の特典を得ることができる
メンバー限定のチャットで交流ができる
などが挙げられる。
なぜ今までメンバーシップを始めなかったのか
度々自身の配信内で、メンバーシップ未開設に関して言及していた剣持くんだが、筆者が個人的に、彼の考えが最もわかりやすいと思った発言をここでは紹介したい。
上記配信内にて、「メンバーシップをやってください」と言うリスナーに対し、以下のように回答している。
にじさんじ2期生という古株である彼が頑なにメンバーシップを拒んでいた理由は リスナーの差別化をしたくないから であった。
上記の発言からも伺える通り、剣持くんは
インターネットとの付き合い方が非常に上手い。とても男子高校生のネットリテラシーとは思えない。
VTuber界隈というのは、良くも悪くも“インターネット”の持つ特性を色濃く反映した文化だと思う。
二次元的な見た目をしていてもアニメや漫画の中に登場するキャラクターとは違い、自らの意思や信念を持って確かにそこで生きているVTuber達。
近くて遠い、不思議な存在。
あくまでも魅せる側と魅せられる側であるにも関わらず、そんな彼らとの境界が曖昧になって、時に行き過ぎた言動をとる視聴者が一定数いる。
好意も悪意も、様々な感情と情報が入り交じって混沌としたバーチャル世界と付き合っていく上で、リスナーを個と捉えない剣持くんの達観したライバー観に感銘を受けた視聴者は多いのではないだろうか。
「やらない」って言ってたのに
2022年 12月31日、1年の締めくくりとして行われた年度末配信にて、剣持くんが自身の葛藤を吐露する場面があった。
要約すると、以下の通りである。
剣持くんの配信は週に1、2回程度で、1回の配信時間も1時間半程度と、視聴者が気軽に配信を視聴できることに重点を置いた配信スタイルを特徴としている。
また、剣持くん本人の“視聴者を絶対に飽きさせないトークスキル”との相乗効果で、配信の同接者数は頻繁に3万人超えを達成している。
・ 同接者数、配信頻度との兼ね合いでキャッチーな配信がしにくくなっており、ジレンマを感じている
というのは、 配信中の小ネタ等自身の枠はさる事ながら、他ライバーの凸待ちに行く際もエンターテイメントを届けるための準備を欠かさない剣持くんだからこその悩みなのだろう。
先日行われた同事務所所属のでひでび・でびるさんとフレン・E・ルスタリオさんの凸待ち企画に参加した際も、しっかり小ネタを持参していた。
また、
・YouTubeの2ndチャンネルや、他の配信媒体を利用するのは配信の見つけ易さ、見易さを損ねる様に思うため、前向きではない
という発言のように、情報を散乱させるより、1つのチャンネルで完結させる方が合理的であると考えているのは、剣持くん自身がVTuberリスナーであるということが関係していると思われる。
ライバーとしてだけではなく、リスナーとしての視点も含めて多角的に配信の在り方を思考する剣持くんらしさが伺える発言である。
そして、この配信で最も重要な点は、
チャンネルが1つで済んで、なおかつ剣持くんが望むキャッチーな配信を行うことが出来るフィールドを作る手段として
メンバーシップ開設の可能性を示した事にある。
・手段としてメンバーシップはありだが、メンバーに加入しているリスナーの名前に色がつくことに抵抗がある
しかしながら上記の通り、リスナーの差別化を図るようにも思えるメンバーシップの一部機能に対しては、複雑な気持ちを抱えているようであった。
ついにメンバーシップ開設
2023年 3月 7日、デビュー5周年の記念配信(デビュー日は3月6日。安定の遅刻)の直後に、剣持刀也のメンバーシップは無事開設された。
メンバーシップ詳細は、以下の通りである。
懸念点であったメンバーシップ制度導入によるによるリスナーの差別化については、メンバーバッジが黒一色のためYouTubeをダークモードに設定すると、なんとバッジが消えるではないか。これは意図的か…。
剣持刀也は変わったのか
ネット上では彼のメンバーシップ開設に関して賛否の声が挙がった。
ここからは1人の剣持刀也リスナーとして思ったことを率直に書かせていただきたい。
あくまでも1リスナーの個人的な意見で、異なる意見を持つ方に対しての強要の意思は全くないことを予めご理解いただきたい。
彼はよく、『芯がある』人と形容されている。周りの活動者が次々とメンバーシップ制度を導入する中、流されずに己のライバー観を貫いたことは勿論、自身の経験に裏付けられた確かな人間性に誇りを持ち、日々活動している剣持くんを形容するに相応しい言葉だと思う。
しかしながら、剣持くんのように世間から『芯がある』と評価されている人が以前までの意見と異なる言動を見せると、批判的な意見が飛ぶのは何故なのか。その答えは、【芯がある=不変】という捉え方をするか否かにかかっていると私は考える。
【芯がある=不変】と捉える人は、過去の言動を貫く人間を『芯がある』と形容する。だから今までそのように形容していたはずの人物が言動を一変させた時に疑念を抱くのだと思う。
一方で【芯がある≠不変】と捉える人は、確立した自分軸を持っている人間を『芯がある』と形容する。
後者の捉え方をしている私の見解としては、剣持くんの中に1本筋の通ったブレない剣持刀也像があるからこそ、過去の己の言動やプライド、周囲の意見にとらわれることなく彼はいつでも自分が正しいと思った方を選択できるのだろう。
彼が思う剣持刀也を最大限に表現しようとした結果言動に変化はみられたものの、剣持刀也の本質は何も変わっていないと私は結論付ける。
永遠の16歳
5周年記念配信終了後、剣持くんはこのようなツイートを投稿した。
永遠の16歳を生きる剣持くんにとっては刹那的な時間でも、私たちにとっては長い5年間。ファンにとっては剣持くんが5年間も表舞台で活動をしてくれただけでも嬉しいのに、この5年間で彼がVTuber業界に残した偉大な功績、そして私たちが観てきた剣持刀也は、これから続いていく彼のライバー人生のほんの一部分に過ぎないことを感じさせるツイート。またこのタイミングでのメンバーシップ開設は、ライバーとして今後も前向きに活動していくという剣持くんの決意の表れのように感じ、思わず胸が熱くなる。
常に挑戦をし続ける彼は、我々にどのようなエンターテイメントを届けてくれるのだろうか。
今後も剣持くんの活躍から目が離せない。
5周年おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?