死ななかったエンタメ|剣持刀也 リアルソロイベント 虚空大戦レポ
剣持刀也くんにとって2度目のリアルソロイベントである「虚空大戦」が2023年6月11日、KT Zepp Yokohamaにて行われた。
2020年12月に同会場にて行われた「虚空集会」からさらにクオリティの上がった本イベントは、公演前物販から終演後まで配慮の行き届いた、大変質の高いものであった。
「全部良かった!」「エモい!」「最高!」と声を大にして言いたいところではあるが、あれほどまでに素晴らしいイベントをそういった限界オタクの語彙で形容してしまうのは、運良く現地で虚空大戦を見届けられた者として不誠実であると筆者は考えた。
そこで本記事は、剣持刀也 リアルソロイベント「虚空大戦」の現地参戦とネット配信視聴のレポ、考察を執筆することで感動の言語化を図ることを目的としている。
どうか最後までお付き合いいただけると幸いだ。
▶虚空大戦ネットチケット購入はこちらから
販売期間〜2023年6月24日(土)23時59分
視聴期間〜2023年6月25日(日)23時59分
公演前(物販・会場の様子)
公演前物販だが、混雑緩和のため事前に整理番号(抽選)が発行されていた。
オフィス街に位置するKT Zepp Yokohamaの立地的にも、天候(時間帯により雨が降っていた)的にも、物販列がロビー内にあるというのは有難かった。
整理番号は早い方ではなかったものの回転率が良く、整列してから10分程度でお目当ての品を購入することができた。スタッフ陣が有能すぎる。
現地スタッフの方々は、物販グッズのローブ(画像参照)の白バージョンを身に纏っていた。
ロビー内の装飾はこんな感じ。
ドリンクカウンターや柱のモニターには、虚空教のシンボルマークが映し出されていた。
たまに映像が乱れて他の宗教団体のシンボルマークが映り込むギミック付きで、物販待機中も来場者を飽きさせない工夫がなされていた。
虚空大戦開催に至る前に、各地で開催された虚空教の集会が他の宗教団体から襲撃を受けたという設定背景があることから、会場内の至る所に注意喚起の張り紙があったのもポイントが高い。
ネタ張り紙に見せかけて、入場時の身分証確認を来場者に再告知する役割も果たしている。芸が細かい。
また、ロビー内ではお馴染みの「アンゴラたちの踊り」がループ再生されていた。
日頃から待たされ慣れている剣持リスナーは、アンゴラを聴いただけで剣持に魅せられることを期待してしまうので、さながらパブロフの犬である。
どんな音楽よりドキドキする最適な選曲ではあるが、複雑な気持ちだ。遅刻するな。
愛憎入り乱れながらも、抑えきれない高揚感に浮かされた来場者は多いのではないだろうか。
公演前(入場〜開演の様子)
全席指定であった虚空集会とは異なり、1Fオールスタンディング・2F指定席の形式で行われた虚空大戦。
白ローブを身につけた有能な虚空教徒達のおかげでスムーズに入場することができた。
200番台後半の整理番号だった筆者だが、8列目センター辺りを確保することができた。
会場内スクリーンではニコ動コメント付きのイベント直前放送が上映されており、開演までの待ち時間の潰し方に困らず済んだ。
1人でそわそわと公演への思いを馳せる時間も嫌いではないが、皆で同じ映像を観ることで会場の一体感が高まるのを感じられて良かった。
虚空教集会への潜入調査という体で行われた直前放送は、MCのクレアさん、リポーターの百花繚乱さんの進行によってクオリティが担保されていた。
本物の潜入調査を思わせる画角や、小声の演出。
さらに来場者インタビューは、ノリの良い剣持リスナー達によって「マジモンの宗教徒インタビュー」と化してしまった。
数々の名言(迷言)も飛び出しているので、1部紹介。
楽屋インタビューでは、差し入れはキャビアがいいというネタツイが実現してしまった話をしたかった剣持だが、直前放送で確立されてしまった世界観に教祖である剣持自身が飲まれてしまって、教祖風に喋らざるを得なかったというカオスな事態を引き起こしていた。
▶直前放送は6月24日〜23:59まで視聴出来るので、是非チェックしていただきたい。
本編(導入)
壮大な音楽と共に、映画の導入を彷彿させる映像がスクリーンに映し出された。
前回のイベント、虚空集会内で使用された画像や映像のほぼ全てが剣持の自作であったのに対し、虚空大戦では様々な方が制作に携わっている。
イベントにかけられる予算が増えたことは、間違いなくANYCOLORが上場企業となった恩恵だろう。
これにより、虚空大戦では自身がやりたいこと以上のものが実現されたと後の配信で剣持は語っている。
10秒のカウントダウンの後に、剣持が登場。
3Dモデルに実装された虚空教ネックレスを首元に輝かせながら、軽めの雑談が始まった。
声出し可能でリアクションの良い会場の雰囲気には、剣持自身やりやすさを感じていたようだ。
本編(剣持が斬る)
Sharpness Radioでお馴染みの企画「剣持が斬る」のリアル版は、会場現地の虚空教徒達の悩みを教祖である剣持がありがたいお言葉で解決してくれるというもの。
お悩みは当日会場で募るためほぼぶっつけ本番状態で挑んでいるはずの剣持だが、持ち前の聡明さを生かして次々と回答していく。
寄せられたお便りを1部紹介。
さっそくまともではないものも。
上記のお便りに対して、剣持は「押し付けるな!」と一刀両断。
一瞬にして他人は他人、自分は自分と思想の多様性を受容することの大切さを説く辺り、彼は本当に教祖なのかもしれない。
本編(ロウワー)
上記のお便りを読み上げると、会場が暗転する。
虚空集会と同様に宗教パートに入るのかと思いきや、突如響き渡った「ロウワー」のAメロに会場は大歓声。
「緞帳が上がる」という歌詞と共に虚空教のシンボルマークが描かれた幕が上がり、両脇に教徒パネルを引き連れて王座に座った剣持が現れる。
剣持刀也とロウワーという楽曲には深い繋がりがある。
事の発端は2022年3月9日、とある剣持リスナーによって投稿された人力VOCALOID動画。
人力界屈指の完成度を誇る本動画は300万再生を突破しており、剣持本人も下記動画内にて「あれは僕が歌いました」と主張している。嘘をつくな。
もはや周知の事実となった剣持刀也の歌声とロウワーの親和性は、虚空大戦での公式逆輸入に至った。
▶本人歌唱のロウワーは、無料パートにて6月24日〜23:59まで視聴できるため、是非チェックしていただきたい。
意図的かはわからないが、個人的に刺さったのは「心が守れる様に 奪われないように」という歌詞が「自分のエリアを守ってさえいればいい」という剣持が斬るの回答とリンクする点だ。
圧巻のAR技術。
確かに横浜の地でリアルとバーチャルの融合が行われていた。
本編(宗教パート)
歌唱が終わると先程までの空気が一変し、会場は宗教色に包まれた。
虚空教の象徴「T」は斜線を足して顎を形成することが出来る唯一のアルファベット。
そしてバーチャルにおける始まりの体勢(どういうことかは察していただきたい)。
信仰対象は母なる虚空。
自分の信念で自らを導いているという意味では、誰もが自分の教祖であると説く剣持。
祈りの儀式が始まる。
T字架のペンライトを左右に揺らしながら剣持の考えたフレーズを皆で歌唱するという行為の異質さに、始めは笑いが起きていた会場だったが、時間が経つに連れて一体感が生まれた様はまさしく宗教の集会そのものであった。
前3日間で行われた
緑仙、V△LZ、星川サラのイベントとの温度差で風邪をひきそうである。
何しにきたんだ私たちは。
虚空大戦の台本は全て剣持が執筆している。
剣持自身は普段から台本に頼らないことで有名だが、これ程の規模のイベントとなると段取りの共有手段として台本は必須である。
執筆作業が当日までかかってしまったためスタッフ陣との連携が上手くいかなかったところがあったようで、当初の予定よりも長くお祈りパートが展開されてしまった。
あまりに長尺に剣持自身も思わず笑ってしまっていたが、同時配信のコメント欄にツッコミを入れる等、機転の利いたアクションを挟むことによって教徒を飽きさせない。
こうしたトラブルへの対応力の高さは、彼が積み上げてきたキャリアの長さを物語っている。
剣持、炎上(物理)。からの拉致。
拉致される際、「何!?ろふまお!?」と小ネタを挟むことも忘れない。
YouTube上で公開されている虚空大戦の無料パートはここまでである。
本編(剣持裁判)
何者かによって突如拉致された剣持は、伏見ガク、叶、椎名唯華 覆面の3人組によって裁判にかけられる。
有罪裁判、死刑等物騒なワードが飛び交う裁判所。
そして剣持死刑宣告に湧く会場。
剣持リスナーは不憫な剣持が大好物である。
射殺されかけた剣持を救ったのは…
なんとモチダヨー。
2022年のにじフェスで登場して以降、絶大な人気を誇っている。
モチダヨーの一挙手一投足に黄色い歓声が上がるせいで、主役なはずの剣持が思うように進行できない空間は何ともカオスであった。
オタクは等身の低い推しに目がないので許していただきたい。
振り返り配信内にて、剣持はこう語っている。
そして実現した剣持とモチダヨーの共演。
昨今のAR技術の発展により、数年前では考えられなかった領域に到達している。
本編(叶参戦)
スマブラを彷彿させるスクリーン映像と共に、叶くん登場。
後に登場したカナダヨーとモチダヨーによる
「ダヨモンバトル」が開幕。会場は大盛り上がり。
にじフェス登場時から奇行が目立っていたモチダヨーだが、足癖の悪さ 柔軟な動きで会場を震撼させた。
個人的な胸熱ポイントは、上記写真のようにダヨモンバトルで足技を繰り広げたモチダヨーの動きと、叶VS剣持戦「巨大だるま落とし」で媚びムーブをした叶を蹴る剣持の動きがシンクロする点だ。
直前に画面の切り替えがあった関係で配信画面ではわかりにくいかもしれない。
無事叶くんを倒し、虚空教の傘下に加わった記念として剣持刀也&叶による「イカサマライフゲイム」のデュエット。
「祈れ導きのままに」等宗教要素を含む歌詞が散りばめられたこの曲は、虚空大戦のコンセプトに相応しい選曲と言える。
双方深みのある声質のため、サビのユニゾンは非常に聴き心地の良い。
そしてラスサビ前の最高音を伸びやかに歌い切る剣持。
DOGLANDの歌ってみた以降、「剣持に高音が出るという良さを生かした曲を歌って欲しい」と思っていたリスナーが一定数いる中でkemu(堀江晶太)曲をセレクトするセンスの良さ。
剣持刀也のブランディングは剣持刀也が1番上手い。
▶イカサマライフゲイムの原曲はこちら。
▶DOGLANDの歌ってみたはこちら。
本編(椎名唯華参戦)
しぃしぃこと椎名唯華さんとのバトルは、やらかしてしまった際の対応力を競う「許されシチュエーションボイス」。
現場の教徒から多く拍手を貰えた方が勝ちである。
ボイスを出さないことで有名な剣持刀也。
リスナーもまさかシチュボ対決という形で伏線が回収されるとは思っていなかっただろう。
剣持がボイスを出さないことについては、同じくにじさんじ所属の葛葉さんの考察が分かりやすい。
剣持としぃしぃの距離感からは、「もちもち」というコンビ名で普段からコラボ配信を行っている2人ならではの仲の良さが伺えた。
この画像なんか完全にJKである。
話題に身内ネタが上がった際は毎回説明を加える等、分かりやすさを意識した配信スタイルや立ち回りに定評のある剣持だが、この寸劇形式のバトルを通してより強く剣持の観られる側としての意識を感じることができた。
対話相手であるしぃしぃにも目を配りつつ、エンターテイナーとして観客向けのオーバーリアクションも忘れない。
剣持の魅せ方の引き出しの多さには毎度驚かされる。
このように、2Dの配信画面では伝わりきらないライバーの魅力を発見できるというのは3Dの姿ならではの良さだろう。
また、シチュエーション内にプリンを登場させて「プリンでいいんだよ。プリン体くると思わなかった」と発言するシーンもあった。
楽屋に用意されたキャビアを擦るためのこの発言だが、因縁のプリンも踏み越えてエンタメに消化するメンタルの強さに感心してしまった。
余談だが、虚空大戦の差し入れとしてクレアさんが持ってきたものはプリンだったらしい。
方々からいじられている様子。
1対1で迎えた最終戦。
引き分けている場合、自分のリスナーは負けさせた方が面白いと思って自分(剣持)に投票してくれない。平等ではないという剣持の主張により、審査員は教徒から叶くんに変更となった。
剣持から歪な信用を寄せられていることに複雑な気持ちを抱きつつも、正直負けさせるつもりでしかなかったから何も言えなくなった現地教徒も多いのではないだろうか。
紆余曲折ありつつも、2年寝かせたCivilizationコラボを出しに叶くんを味方につけた剣持が無事勝利。
しぃしぃが虚空教の傘下に加わった記念として剣持刀也&椎名唯華による「QUEEN」のデュエット。
数々のコラボを経て、お互いが配信者としての力量を信頼し合っていることの表れなのか、背中を合わせる演出が多かった。
普段の癒し系ふわふわボイスしぃしぃからは想像がつかない、冒頭の低音歌唱には是非注目していただきたい。
▶QUEENの原曲はこちら。
本編(伏見ガク参戦)
順番的には伏見ガクだが、スクリーンに写ったシスター・クレアのシルエットに現場は騒然。
その後何事も無かったかのようにぬるっと登場したガクくん曰く、これはクレアさんのコスプレをした時のガクくんの写真だそう。
考えうる中で1番あってはならない回答である。
既視感のあるシンボルマークをセンターに添えた仮面に加え、「マブダチ」発言。
再登場して早々ギリギリのラインを攻めるガクくん。
虚空大戦がどこからも訴えられないことを祈るばかりだ。
ガクくんとのバトルは、クイズの回答にコインを賭けて最終的に多くコインを獲得していた方が勝ちというものだ。
メタな視点からクイズに回答していくずる賢い剣持に是非注目していただきたい。
バトルの結果、圧倒的大差で剣持の勝利。
素寒貧伏見と成金剣持、2人合わせて咎人である。
T字にされてもなお、自我(ピース)を隠しきれない伏見ガク。
虚空教信仰も多様性のフェーズに突入か。
叶くんとしぃしぃに引き続き、ガクくんが虚空教の傘下に加わった記念として剣持刀也&伏見ガクによる「ロキ」のデュエット。
イベント前半に発された「自分の信念で自らを導いているという意味では、誰もが自分の教祖である」という剣持の言葉が、ロキの歌詞「勘違いするな 教祖はお前だ」によって綺麗に伏線回収される様は実に爽快である。
前回のイベント虚空集会では、2Dでの出演だったガクくん。
2年の時を経て同じ次元で歌い踊る咎人姿は何とも感慨深い。
虚空大戦は全編を通してカメラワークが素晴らしかったのだが、特にお気に入りな箇所をご紹介。
現地のステージ上部スクリーンには、様々な視点に写り変わる映像と共にロキの歌詞や虚空教とピース教のシンボルマークがPV風に映し出されていた。
▶ロキの原曲はこちら。
本編(モチダヨーと剣持、死す)
見事3団体の教祖に勝利した剣持。
叶、椎名、伏見が剣持を襲った理由とは…?
そして突然のモチダヨーの訃報。
あまりの急展開と剣持の全力茶番劇に、不謹慎にも笑いを隠しきれない叶、椎名、伏見。
願いを叶える石の力で復活を果たしたモチダヨー。
一度死んでから復活したイエス・キリストのように、神として崇められるようになったモチダヨー。
驚異的な程に伸びるチャンネル登録者数。
ひょんな事からここまでの流れは全てモチダヨーの策略であることが判明し、剣持はモチダヨーの元に向かう。
剣持が斬るで紹介された“とある”お便りの送り主は、なんとモチダヨーであった。
見事な伏線回収劇に、会場からは悲鳴や感嘆の声が上がった。
剣持に問い詰められ、小首を傾げてしらばくれるモチダヨー。
正直、なんでも許せるかわいさである。
が、かわいいものには刺がある。
モチダヨーの攻撃によって無惨な姿に成り果てた剣持。
モチダヨーの訃報には落単の声を上げていた現地教徒達だが、教祖剣持の無惨な死には方々で笑いが起きていた。
ちなみにニコニコ動画のコメント欄は、剣持からの新素材提供を歓喜するコメントで溢れていた。
亡骸(?)を叶、椎名、伏見に雑に扱われる所も含めて、必聴ポイントである。
願いの石は、教祖“達”が願わなければ効果がない。
しかし、叶、椎名、伏見はモチダヨー復活の際に願いを使い果たしてしまっている。
そこで「自分の信念で自らを導いているという意味では、誰もが自分の教祖である」という剣持の言葉から、教徒達の願いで剣持復活を試みる。
どう見てもプ○キュアである。
ダヨモンといい、虚空大戦が円盤化しなかったらそういう事だ。
おおきなおともだち達の決死の声援を受けて、新3D衣装に身を包んだ教祖剣持が復活。
他ライバーのライブで新衣装のお披露目があったという噂を耳にし、もしかしたら…と思っていた方もいるのではないだろうか。
なんの前置きもなしに突如新衣装で現れる辺り、最高に剣持刀也だ。
黒幕モチダヨーを倒し、一件落着。
本編(新衣装)
今回の新衣装は、2021年に行われた
剣持刀也新衣装コンテスト 3D部門で見事グランプリに輝いた作品がモデルとなっている。
和服とパーカーを組み合わせた秀逸なデザインはさることながら、背後の飾り紐、ダイヤの切込みが入ったハーフグローブ等小物のデザインも非常に凝っている。
にじさんじ内で和服のライバーが増えたことで向上した3D技術の恩恵をもろに受けたこの新衣装。
所作が綺麗な剣持と和服袖の相性は抜群だ。
後日改めてお披露目配信があるとのこと(皆が忘れた頃ぐらいにやるそう)。
本編(ライブパート)
剣持の復活と、叶、椎名、伏見の虚空教幹部就任を祝した1曲「HOLLOW HUNGER」。
主旋律と上ハモ、下ハモの入れ替わりが激しい構成となっており、虚空大戦史上最難関曲と言っても過言ではないだろう。
ロウワーの「緞帳が上がる」という歌詞で上がった幕は、HOLLOW HUNGER最後の歌詞「down」を剣持が歌い上げると共に下りた。
▶HOLLOW HUNGERの原曲はこちら。
再度登場した剣持、叶、椎名、伏見。
諸々の告知を終え、ゲストの3人が剣持に一言投げかけて降壇。
ここで虚空大戦閉幕と思いきや、剣持のソロライブパートが始まる。
イベントラストを飾るのは勿論、「Sharpness…」。
2番前間奏にて拳を突き上げて教徒を煽り、
満足そうに笑みを浮かべる剣持がスクリーンに映った時には思わず泣いてしまった。
彼が心から楽しいと思えた瞬間に立ち会えたことが何よりも嬉しい。
ラップパートに入る前にイヤモニに触れる仕草はリピート確定案件なので、是非チェックしていただきたい。
VTuberの良さを語る際「双方向性」を取り上げることの多い剣持。
「Sharpness…」は、剣持にとって初となるファンメイドイメージソングであった。
和風ロック調で厨二めいた歌詞が魅力的なこの曲は、配信でのエピソードやチャームポイント等至る所に剣持刀也要素が散りばめられている、愛に溢れた作品だ。
虚空大戦でのラップパートは以下の通りである。
原曲のラップパートは以下の通りである。
虚空大戦とのラップは、剣持が書き下ろしているそうだ。
「虚空に舞い降りた日」「Midnight」等原曲ラップへのリスペクトを残しつつ、聴き取りやすさを重視した言葉選びが印象的である。
ラップパートに関しては思う所が多いので、考察で詳しく掘り下げさせていただきたい。
名物キチ顔エアギター。
カッコイイだけで終わらないアクの強さが、リスナーの心を掴んで離さない剣持の魅力だ。
納刀と共に虚空大戦は幕を閉じた。
会場は剣持への感謝の言葉で溢れかえっていた。
前回のイベント、虚空集会の最後に剣持が発した
「エンタメは死なないので」という言葉が印象に残っている。
エンタメは衣食住のような生活必需品ではない。
そのため、コロナ禍に真っ先に淘汰されそうになったのはエンタメ業界だ。
2年半の時を経て声出しができるようになった会場で、再び剣持刀也の創り出すエンターテインメントを享受出来たのは、エンタメに生きる理由を見出して今日まで守り抜いてくれた人々のおかげだ。
この場に立ち会えたことを誇りに思う。
▶Sharpness…の原曲はこちら。
終演後
退場時、来場者全員に虚空教新聞の号外が配布された。
剣持のTwitterに会場で配布された物と同じ号外が投稿されているので、是非チェックしていただきたい。
手に入れられない人が出てきてしまうからという理由で、限定グッズやボイスを出すことに関して消極的な剣持。
貰えない人が出てきてしまう銀テープの演出ではなく、来場者全員に号外の配布、会場に来れなかった人の為に号外をTwitterで公開する心遣いが、実に剣持刀也らしいと感じた。
誤解を招きたくないので、大前提として筆者は銀テープの演出が大好きだと前置きしておく。
貰えたらその日の記憶を記念として残せるし、貰えなくてもまた一興、思い出だ。
前列の人が後列の人に銀テープをおすそ分けする風潮も、人の温かみを感じる良い文化だと思う。
ただ剣持刀也のどこが好きかと聞かれたら、「号外を配るところかな」と答えたいくらいには心に深く刺さる出来事だった。
終演後まで抜かりない配慮と気遣いに感謝してもし足りない。
剣持刀也を好きでよかったと、心から思う。
剣持刀也は優しい
論理的な話し方と時折見せる口の悪さから冷たい人だと思われていそうな剣持だが、知れば知るほどに彼は優しい人間だ。
号外を配ったこともそうだが、虚空大戦の振り返り配信では、様々な事情でイベントを視聴出来なかった人のためにイベント内容をかなり細かく説明していた。
本記事も、剣持が配信で触れた内容をメインに取り上げている。
剣持の優しさは、所謂お人好しのように自己犠牲の上に成り立っているものではないと思う。
きっと持ち前の視野の広さと聡さから、他者のリアクションを予測する力に長けているのだろう。
なるべく多くのリスナーが損をすることがないように最適解を追求した結果、終始配慮に富んだ質の高いイベントが我々に提供されたように思う。
優しくしたいと思っているのではなく、他者の気持ちが分かるからこそ優しくなってしまうのではないか。
Sharpness…ラップを受けて剣持刀也を考える
2023年、剣持刀也のメンバーシップ開設が話題になった。
剣持は様々な過去配信内にて「メンバーシップはやらない」と頑なに宣言していたため、主張を一変させた剣持に対する批判の声は少なくなかった。
筆者も過去にこの件について取り上げている。
上記記事内にて筆者は、剣持についてこのような考察をしている。
虚空大戦でのラップ
「ひねくれ曲がった日本刀 けど1mmも芯はブレちゃいない」に、剣持刀也の全てが詰まっているように思う。
剣持刀也は最初から何も変わっていないのだ。
「輝かしいこの5年間すら霞んじまうこの先の未来」
ロウワー歌唱にモチダヨーの登場、新衣装のお披露目にSharpness…新ラップまで。
剣持に魅せられてばかりだった虚空大戦。
2023年8月にはファーストエッセイ「虚空教典」の販売も決定している。
常に新しくて面白いエンターテインメントを追求し続ける彼は、一体どこに向かっていくのだろうか。
また現在、UFOと剣持のコラボ広告が全国各地で掲載されている。
「来る者拒まず去るもの追わず 去った者の耳まで轟かす」、どこにいたって剣持の快進撃から逃れることは不可能だ。
個人的には、「呪いも笑いに変えちまうもんな」というフレーズが1番刺さった。
剣持の手にかかれば顎だってプリンだって、美味しくエンタメに調理されてしまうのだ。
不特定多数の前でこんなことを容易く言ってのける精神力、そして有言実行できるだけの手腕と自信を兼ね備えたVTuberは、世界中探しても剣持刀也だけだ。
まとめ
剣持刀也 リアルソロイベント 虚空大戦は、終始剣持刀也らしさの詰まった素晴らしいイベントだった。
どうかこれからも、剣持刀也の創った最強の剣持刀也で我々リスナーを魅了して欲しい。
良い夜をありがとう。
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