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【メモ・雑感】年始に読んだ本 _2024(R6).1.8

 行政書士試験の結果は1月末。

 それまでに積読消化中…のつもりが、何冊か買ってしまった…

 兎も角、本を読み、感想とかをメモ的に書いておきます。

 なお、私は評論家でもないし、1回読んだだけで、内容の信憑性は怪しいので、そこのところはご了承ください。

●「人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」(ジョン・C・ボーグル)
インデックス投資信託を作った著者の人生観。金融業界の強欲共を批判し、そこそこ儲けてるのだから、バカげた収入を取らず、顧客・社会のために働け、といったところ。

・投資家ウォーレンバフェットも、社長業の収入は10万ドル。まあ、警備費とかを収入扱いすると100万ドル以上になるらしいが…。倹約というか節制というか、祈れ・働けという、プロテスタント的な感じはするし、そこそこ儲けることは認めているわけです。

・ただ、多くの人は、低収入に苦しんでいるので、読者層は、そこそこ金を持っている方か、がつがつ稼ごうとしている意識高い系の若者が成功した後の参考になるかも。…そもそも成功するのが難しいので、若者向けではないね。

・いろいろと過去の偉人の言葉を引用したり、言っていることは分かる。中国古典で「衣食足りて栄辱を知る倉廩実ちて礼節を知る。」とあるように、道徳性を得るためには、一定の経済的基礎が必要。その経済的基礎の築き方はあまり書かれていない気がする。勤勉で何とかしろと言うことかな?

・強欲な人間にならないためには、こういった本を読んだり情報をコントロールして、社会とか公共心とかを思い出す必要があるだろう。釈迦も、悟りを開くことは簡単だが、それを忘れないための修行が大切と言っていたらしい。そういうことなんだろう。

●「スノウ・クラッシュ(上)」(ニール・スティーヴンスン)
・SF小説。2000年頃発行の本。だからか、日本的なものも結構出てきて、ちょっと嬉しい。

・私の能力の問題もあるけど、登場人物が頭に入ってこず、「これ誰だったっけ?」とか、「一体何をやっているのだっけ?」などがあり、下巻を読む気にはならない。

・上巻のラストの方で、メソポタミア文明が超文明のような示唆があり、世界史好きには琴線に触れそうなところではあるが、私は力尽きた。

・現在の、GAFAの創業者たちが、読んだとかいうので、読んでみたのだけど…。日本には「攻殻機動隊」があるし、この本が攻殻機動隊より凄いかと言われると(まあ下巻を読んではいませんが)そんなことはない。

・現在のアメリカIT業界の隆盛の理由は、経営者がSF小説を読んでいるからだと岡田斗司夫さんが言っていたと思うので読んだが、日本の若きIT経営者も攻殻機動隊くらいは読んでいる…よね?まあ、読んでないかもだけどドラえもんは読んでるだろうし、もっと違うところに理由はある、と思った。

●「有名すぎる文学作をだいたい10ページくらいの漫画でよむ」(ドリヤス工場)
・え?水木しげるさんの作品と違うの?ぱっと見は水木しげる先生の画風。

・山月記、変身、羅生門、三四郎、五重塔、ごんぎつね、ドグラマグラ、は読んだはずだけど、忘れている個所もあったし、印象に残っている個所が無いのは私の記憶の改ざんか紙幅の都合でカットされたか分からないのは、まあ仕方ないんですけど、消化不良なところはある。

・それでも、題名だけ知っているが全く知らなかった本の概要だけ分かると、その本を手に取ってみたくなるもの

・私が気になったのは、「イワンのバカ」。トルストイの作品だったのか。「光あるうち光の中を歩め」に似た感があって、つまり、キリスト教の精神を表しているというか。敵が来ても勤労していれば殺されはしない、敵だって勤労者は生かして働かせて利潤を得たいと思うだろうとか、そういう考え方は勤労者には慰みになる。
・でも、題名「イワンのバカ」は、作品の内容を表していない気がする。もうちょっとタイトルが良ければ、勤労・正直の大事さを分からせてくれる良い作品だと思う。

●「マンガで先取り古典・世間胸算用」(漫画・桃山奈子)
・井原西鶴のお金の話を読みたくなり、日本永代蔵は古本が手に入ったので、世間胸算用を探したら、漫画があったので、まあ、これでよいかと思い購入。日本永代蔵だって現代訳しか読みませんから、漫画だって良いでしょう。

・「学問のすすめ」を原文で読んだけど、否定なのか肯定なのか分からんことが度々あり、結局、口語訳で読んだので、必ずしも原文で読む必要はないでしょう。(海外作品は翻訳なんですから、古典だって現代訳でよいでしょう)

世間胸算用だけかと思ったら、日本永代蔵も入っていて。まあ、とっかかりとしては良いだろうし、内容も結構忠実だとおもう。でも、受験用の本だろうね。日本昔話見たい。

・井原西鶴から受けたかったのは、日本昔話的な世界では無くて、江戸時代のお金事情がわかればと思っていたが、そういうのじゃない。まあそれは、古本の日本永代蔵で知るしかないか。このマンガのターゲットじゃないよね。

●「ゴリオ爺さん」(バルザック)
・数年前の経済書のベストセラー「21世紀の資本」(ピケティ)でやたら記載のあった気がする「ゴリオ爺さん」。(もう一つは、世界一の女性のお金持ちの「リリアン・ベタンクール」で、やたらピケティが、「働きもせず、遺産で生活しやがって」みたいにやたら批判していた…。)

・割と話は頭に入ってきやすかった。主人公と医学生の友人とかは「罪と罰」の構成に似ているような気もした。ドストエフスキーがパクったのかな?

時代は、ナポレオン敗北の頃…と、今書いていて、マリーアントワネットの頃、貴族が贅沢しすぎて革命まで起きたのに、また同じようなことやってたのかと、呆れてきた。そういや、その後も何度もフランスでは革命あったね

上流階級は贅沢三昧。瀟洒な住宅・調度品・食事・洋服、バクチにバカげた額の散財をして、得られるものは快感で、対価は借金。借金を支払うのはゴリオ爺さんのように、長年の労働で築き上げたもの…

・バカげた世界と笑うのは簡単だけど、贅沢にはそれだけの快楽があるのだろう。麻薬と同じ。ただし、その対価は、誰かが何かの形で支払うことになる。

・結構○○フランとか数字がでてきて、頭の中で、1フラン5千円で換算しながら読んでました。結局、支出をコントロールしないと、財産なんてすぐなくなりますね。あたり前ですが。丁半バクチでも無くなりますし、競い合って贅沢すれば、王侯貴族も借金まみれ。

・一方で、抗いがたい魅力があるのも事実。ヴェルサイユ宮殿の豪華さ、煌びやかなドレス、贅を凝らした料理に魅了されない人間は居ない。麻薬のように取り締まりは、幸か不幸かなされていない。たぶんカルロス・ゴーンも宮殿で結婚式をしたのは同じようなことだろう。結局は日産が負担したのだけど。

●日本永代蔵(井原西鶴・訳:堀切実)
・ナニワ金融道的な世界を想像したのだけど、言っていることは、質素倹約が大事。色事の散財は陥りやすい、と言ったところで、マトモ。説話集というのかな?話がいくつもある形の記述で、読みやすい。まあ話ごとに多少は主張に矛盾はあったりするけど、大筋は、勤労と倹約に努め平穏に暮らしましょう、という感じ。

・「飲む、打つ、買う」とあるが、バクチや酒での失敗談が少ないのは、西鶴先生の体験からだろうか。現代で言うとホステスやホストに嵌るのを戒めたようなものかな。

井原西鶴は、現代で言うところの「ロックスター」と、国語の先生が言っていた気がする。多分、色々あったのだろう。大金は得たけど、色事とかで散財してしまって、思うところがあったのじゃないか。また、上流階級の実情を目の当たりにしたのだと、勝手に思う。

・当時は1680年くらいで、戦乱の世から2世代くらいたち、カネがカネを生む時代になった。現在、2024年と似ている。世界大戦で資本が毀損したが、資本が回復し、資本を持っているものが有利で、普通の生活をするだけでも立派なもの

・カネを持っているものが有利ではあるが、カネを持っているものも、色事など遊興に嵌ってしまえば、資産を失ってしまう。

普通に生活できるように・お金持ちになれるように、勤勉・節約を心がけて、お金をためよう。といってことを、言っていると思う。

・昨今のYoutubeを見ると、収入増・副業・倹約・先取り貯蓄・インデックス投資と、非常に適切なことを言っている。ただ、資産額を公表したり、今できないこと・思い出つくりや自己投資はOKというのは、ちょっと甘い気がしていて、西鶴先生の本を読んで、その思いを強くした。金持ちになるのは、並大抵ではないのだ。資産額を公表すれば、甘い誘惑や狡猾な罠を呼んでいるようなものであるし、思い出作り・自己投資への支出の容認も、同様のリスクが増大する

・引退の頃になれば、資産もそこそこになり、欲望(体力)もそれなりになり、経験も踏まえて過ごせるだろうから、若いうちは懸命に働くべきなのであろう。(私くらいになると微妙な年齢なんですけど。)


 年末から、ゲームとTVを控えることに成功し、読書三昧。 
 
 経済評論家の「山崎元」さんが亡くなったのは残念ではあるが、時間の大切さを思い起こさせてくれたことに感謝である。

 資産のオルカンへのシフトは、途中であるけど、1月末までには実施すべく進めている。とはいえ、個別株はまだ持っているし、定期預金もあるけど、なるべく個別株は整理して定期預金も一定の額までとするつもり。
 
 今は、読書と運動。読書も適当ですし、運動も本当に軽いものですが、ゲームやTVよりは価値を感じています。

 1月末の行政書士の試験発表まで、読書と運動を継続します。
本業もそこそこ頑張ります。

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