24.とりあえず今日も運命
直近の鬼リピ楽曲。
以前書いたスタッフとして雇っている子が音楽好きで、「ラブいですよこの曲」と勧められてまんまとハマってしまったんですね。
ギターのリフとか勢いのあるボーカルの声とか大変にめっちゃんくっちゃに素晴らしいんですが、なんかもう歌詞が刺さって刺さって仕方ない。全方向ずたずた。いつから俺は黒ひげになったのだろうか。
「渡ってみたんだ 信号 赤でもいけてしまったんだ そんなのが運命って笑えたよね」
というフレーズから受け取れる諦観と優しさと空々しさ、それから少しの滑稽さ。
泣けてきてしまうくらい刺さるなぁ。蓋をしたままの過去のカサブタを引っかかれるような感じがする。
運命なんて大仰な言葉を使ったって僕らの矮小さは変わらない。
しょうもないものはしょうもないままで、気取って赤信号なんぞに踏み込んだとて別に悲劇的・奇跡的に生きたり死んだりも特にない。
そんなのが運命なんて笑えてしまうね。
思えば10代の僕はなんとなしに大人の自分との隔絶を感じていた。
地続きで大人になっていく感覚がほぼなかった。
で、今この年齢になって、こうやって振り返ってようやく「あ、俺もしかして大人やんな?」と思う。
「分かっていたんだ
きっと大人になってしまったんだ」
という歌詞もまたグサグサ来ますね。
僕らは大人に「なってしまった」側やし、こうやって目を逸らしていたって分かっていたことなんですよ。
なんでこんな心が穴だらけになること言うん?
ほんまにいろんな意味で刺さる曲です。
いっそのこと嫉妬してしまうな。僕も言葉で他人の古傷をさするような真似がしたい。
傷つけるでもなくけなすでもなく煽るでもなく、ただ処理しきれずしまい込んだかつて確かに痛かった何かを形にして表現にしてこちらに手渡してくれるような、そんな言葉が僕はとても好きだし、できればそういうものを書きたいなと改めて思いました。
ありがとうございます、セルフィッシュガールの皆様方。
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