20.ブタメンは人生の形をしてる
僕は昔からとても少食で、わりと給食の時間がしんどい子供だったんですが。
同時に、小学生の頃から駄菓子がものすごく大好きでもあったんですね。
小学生というのは、その子にもよりますが、環境としてはまだそれなりに「人生ごっこ」の段階なことが多いやないですか。
その「人生ごっこ」において僕にとっては駄菓子が「食事ごっこ」であり明確に意識した「食べるという生命活動」でした。
ソフト麺3分の1でお腹いっぱいになってしまうような僕はブタメンひとつを食べきることを少し大人に感じていた。
蒲焼さん太郎やらBIGカツなんかで人並みに食事という行為をした気になっていた。
駄菓子なんぞ食うから飯入らんくなんねんアホ、と叱られた経験は、僕はないんですが意外とよくあるものらしいですね。
あとで聞いてみたらあまりにも胃袋がちいゃく量が入らなかったので、なんかもう周りの大人としては「駄菓子やろうがなんやろうが食うてるだけ偉い」という感じやったそうです。
でもその幼い頃に「駄菓子を食って叱られなかった」という経験が、僕の人生においてどれだけ少食でも食事を苦しい行為にさせなかった要因の割合を大きく占めるのではないかと思う。
今僕は病気も何もない元気なアラサーで、相変わらず少食ですがまあお店で出される定食とかランチセット1人前をどうにか残さず食べきれます。
苦手な食べ物もぱっと浮かばないんですが、なんだなんだやっぱり駄菓子が大好きです。
人生ごっことも言うてられなくなった年齢になり、まだブタメンが僕の生命を作ってるのに少しおかしみを感じる。
あと最近の知育菓子ほんまにめちゃくちゃ美味い。何あれ……。
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