「いつも笑顔で」は間違いである。
皆さん、こんにちは。
皆さんは人に声を掛ける時に、何か意識していることはありますか?
介護をする際にはよく笑顔が大事と教わります。無愛想な顔より、笑顔の方が良さそうですもんね。そして、ただ良さそうという訳ではなく、「笑顔」についての研究もされており、研究結果でも良い結果がでています。
このように笑顔で話しかけることは、利用者とスタッフのお互いにとって、よいことだと思われます。
しかし、『いつも笑顔で話しかけることがよいか』というと話は変わってきます。
今回は、笑顔で話しかけたことによって、○○となったお話です。
ケース1 ひっぱたかれた話
ケース2 怒鳴られた話
まとめ
ケース1 ひっぱたかれた話
これは聞いた話になります。介護施設での初めての実習。学生A子さんは、緊張しながらも真面目に実習に臨みました。
コミュニケーション時は笑顔が大事と教わっているA子さんは、教わった通りに、笑顔で「おはようございます」と利用者様に声をかけました。
その瞬間、
「バッシーン」
なんと頬を叩かれたのです。なにが起きたのかわからない学生の頬には、涙が流れていました。
叩かれた理由(予測)は、病気もありイライラしている利用者のところにA子さんがたまたま行った。利用者は、ニヤニヤしながら挨拶をするA子さんを見て、バカにされたと思い、カッとなり手が出たとのことでした。
ケース2 怒鳴られた話
次は、私が体験したお話です。ケース1と同じく、介護施設での実習の時の話になります。当時、私は特別養護老人ホームに3回目の実習に行きました。
実習初日、職員さんと各部屋を周りながら、私は利用者様に毎回、笑顔で挨拶をしていました。そして、ある男性利用者に笑顔で挨拶した時です。
私
「こんにちは、○○学校からきました、○○です。
短い期間ですが、よろし・・」
利用者様
「うるさい!!あっちにいけ!!ニヤニヤしやがって!!人を馬鹿にした顔でみるな!!」
私
「っえっあ。すみません。」「でも、決して馬鹿には」
職員
「もういいから、行きますよ」
「○○さん、申し訳ありません。」
その後に、職員さんから事情を聞くと元々、今回の男性利用者は気難しい方ではあった。プラス、病院から退院して戻ってきたばかりだったので、タイミングも悪かった。よい経験として、今後の糧とするようにと言われました。
まとめ
2つのケースを読んで頂いたら、わかると思いますが、2ケースとも決して利用者様を馬鹿にしているなんて気持ちは微塵もなく、ただ笑顔で声をかけました。
ですが、相手にとっては笑顔ではなくニヤニヤしていると受け取られ、自分のこと馬鹿にしていると相手に伝わってしまいました。
でも、叩くのはどうかと思うという意見もあると思います。勿論、私も叩くのは許されない行為だと思います。
ですが、叩いた相手が病気のために、感情を抑えるのが難しい場合はどうでしょうか?
そう考えると一概に、叩いた利用者だけが悪いと言い切れないと思います。
そして、このような場合は、叩いた側も気持ちが滅入る可能性が高いと私は考えます。ではどうすれば良かったのでしょうか?
それは、利用者の状態や状況を事前に、職員に確認しておく。その上で、相手の表情や態度から推測し、状況によって笑顔ではなく、声のかけ方を変える。です。
例えば、相手が悲しんでいる表情であれば、悲しいことを汲み取るように「どうしましたか?」とそっと声をかける。などです。
これを実習に来たばかりの学生にいきなり考えてしなさいというのは酷な話です。ですが、介護の現場によっては人手が足りておらず、実習に来たばかりの学生に「とりあえずコミュニケーションをとっといて」と言って、すぐフリーにされることなんてことはザラにあります。
なので、
日頃から色々な方と接する
ことが大事です。コミュニケーション方法を学ぶなどもありますが、実践に勝るものはありません。
日頃から仲が良い友達だけではなく、話したことがない人にも声をかけてみる。など他者理解を心がけながら行動することは介護の現場に限らず、自分の世界を広げてくれるきっかけになります。
今回の内容を読んで介護の現場に対して、ネガティブにとられる方もいると思いますが、私は決してネガティブなことを発信したい訳ではありません。
私は介護の現場は、すごく素晴らしく、魅力的な場所だと思っています。
そういえる根拠は、介護に興味がなかった私が、14年間も介護の仕事に携わっていて、今だに楽しいと感じているからです。
なので、今回の情報がこれから介護の仕事を初める方やコミュニケーションで悩んでいる方にとって有益な情報の1つになれば幸いです。
今回のイラスト迷路