お笑い芸人とギャンブル依存症と地獄の日々 その2

このお話は、全て実体験を書き綴っています。
ギャンブル依存症は想像を超える本当に厄介な病気だと伝わり
こうなってはいけないと思ってくれたら本望です。
それでは、宜しくお願いします。

アホ面と無駄な自信と若干の借金を引っさげ羽田空港に到着。

自分は運が良いことに、次男が東京の大手企業で働いている。
自分は男三兄弟の末っ子。
兄弟はとても仲が良く、自分が東京に来るという事で
次男が会社の寮を出て、自分が通う予定のお笑い養成所の近くにアパートを借りて住む場所をあらかじめ確保してくれていた。

次男から「東京はとにかく電車で戸惑うけん、これ送るわ」と
乗換案内を送ってくれており、携帯を見ながら必死で駅を探す。
そして、駅に到着。

まず、人の多さと電車の長さに驚愕する。
地元の電車は、大体1時間に1本の1両か2両。
しかし、東京は数分に1本の10両〜15両。
電車だけでも圧巻の花の都大東京。

そんな大東京の一員になれる事に胸を躍らせながら電車に乗車。
車窓から見える、所狭しとひしめき合う高層ビルの数々。
それらを見つめ、「ここで絶対成功して見せる!!」とどんどん高鳴る胸。
初めての乗り換えに戸惑いながら、分からないことは駅員さんに尋ねる。
「お忙しいところすみません。この線にはどうやったら行けますか??」
無表情で、「あっちです」
テレビで見た通り、「東京の駅員は冷てぇなぁ」とか思いながら
無事次男が借りてくれているアパートの最寄駅に到着。

駅から徒歩5分の所で比較的分かりやすい場所だったので迷わずアパートに到着。
築30年くらいの2Kの家賃84000円のアパート。
田舎者の自分からしたら家賃84000円はかなりビビる値段だが
後に知り合った不動産屋の人に話したら、この立地でこの値段は奇跡と言われた最高の物件。
次男が、鍵をポストに入れてくれており鍵を取り出し部屋の中へ。

次男は、先にこのアパートに引っ越ししていて仕事に行っており居ない状況。
自分の部屋に荷物を置き
「ここで、これからよっちゃん(次男の愛称)と2人暮らしかぁ」とか思いながら荷物を整理していると腹が鳴る。時間も13時くらい。

東京に来たら1番最初に食べたいと思っていた、有名ラーメン屋を
携帯で検索。家のすぐ近くにそこそこ有名なラーメン屋があるのが分かる。

「よしっ!!このラーメン屋に行ってみよう!!」ウキウキしながら
ラーメン屋に向かう。

そして、到着して店内を覗いて見る。
席は満席で、待つ人用に店内に置かれてある椅子にも待ちの人が座っている。自分一人が外で立って待たなければいけない状況。

しかし、地元のラーメン屋で並んだ事など無い。
「どうすれば良いんだ??店内に入って立って待つのか??
外で立って待っていたら呼んでくれるのか??」テンパりながらウロウロする。

ウロウロしていると、おばさん2人と子供1人の3人がお店に近づいてくる。
そして、髪色が紫でいかにも気が強そうなそのおばさんの1人が

「あんた並んでんの!?」

確実にそんな大きな声で言わなくてもいい声量で威嚇してくる。
「な・・・並んで無いです」
恐ろしい程小さな声で呟き、小走りでラーメン屋を後にする自分。
大東京上陸約2時間。ラーメン屋に並んぶのも初めて、悪い事をしていないのにおばさんからキレ気味で威嚇されるのも初めて。

「東京恐ぇー・・・」と震える足を押さえながら
近くの誰も並んでない小汚い中華料理屋で可もなく不可も無い
醤油ラーメンを食べる。

腹も満たされ、アパートの周りに何があるのか探索へ。
「コンビニがこんな近くにあるのかぁ。こんな所に味噌ラーメン屋あるやん!!こんな所にスナックまであるんや。あっ!!居酒屋もこんな所にある!!」全てが新鮮でワクワクドキドキ。

とそこへ
「あっ、こんな近くにパチンコ屋がある・・・」
目に飛び込んでくる小さいパチンコ店。
「まっ、今日は夜よっちゃんと飯食いに行く約束しちょんけん
店内がどんな感じかだけ見てみるか」と思い店内へ。

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