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折伏よりも過剰な選挙応援についていけない

学会員と付き合ってる無宗教の人から「彼/彼女と結婚するとやはり入信させられるのでしょうか?」と聞かれることがあるのですが、個人的には無宗教家庭出身の夫と結婚するときに「私と結婚したらこの人は勧誘されるだろうな」という心配は一切してなかったです。私が熱心な信者じゃないからですけどね。

なのでその心配をするのなら、
①パートナーがどのくらいの時間とお金を宗教に費やしているのか
②彼/彼女の親や親戚はどうなのか
③相手のお家で宗教を始めた人は誰で、一番熱心なのは誰なのか
④兄弟はそれに対してどのような反応なのか
⑤親族との交流はどの程度の密度になりそうか
などを詳しく聞く必要があると思います。

創価学会だと、あんまり在籍(退会しているかしていないか)は関係ないです。退会していなくてもまったく信仰していない会員は多いですからね。それよりも信仰や活動の実態があるのか、統監がどこにあるかの方が重要かも。統監(創価学会での住民票のようなもの)の問題についてはのちのち取り上げられたらと思います。

私の場合は私が盾になって断ればいいだけだったんです、「私でさえ信心していないのに、私の夫に信心を強要するな」って。それよりも「私と結婚したら、この人は選挙のたびに私の両親から『公明党に入れるように』と頼まれるんだろうな……それに耐えられる人だろうか?」という心配をしていました。

なので、元職員の正木伸城さんが、教学に通じていて完全に信仰心はなくなってはいない(ように私には見える)(これは私も完全になくなっているとは言えないからそう見えるのかもだが)ように見えつつも、「公明党の応援についていけなくなった」というようなこと言ってたのにはすごく共感しましたね。
創価学会には長時間の勤行唱題や進学の強要問題などもありますが、別のカルトに比べれば、死者が出るような厳しい修行をさせたり、進学をやめさせて奉仕活動をさせたり、結婚相手を限定したり、そもそも自由恋愛を禁じるような戒律もありません。
池田大作氏を崇拝しすぎなところもありますが、池田家が代々会長職を世襲しているわけでもないです。
公明党への過剰な応援の強要がなければ、私は今も教団にいたのではないか?と思うこともあります。

実際結婚してみたら、私の両親と夫が会うのは年に一回くらいなんだけど、会ったときには公明党に投票するようにお願いされるし、私一人で実家に行くといつも公明党のチラシもらうのがつらくて実家にはあまり行きたくない。「わかったよ、夫婦で公明党に入れておくからね」と約束しても終わらず、いつ投票に行くのか、投票が終わったのかどうかもいちいち聞かれます。

ただ、そういったやりとりは主に私がしているので夫はあんまり学会員と結婚した実害を感じていないみたい。「ああ、また『季節の御挨拶』が来たんだね」と私たち夫婦では話しています。私が両親に対してブチ切れたり失望して愚痴を聞かされる、というのが実質的な夫の宗教被害かも。この状況で、子どもを生んで自分の両親に預けることがあれば、さらに嫌な想いをいっぱいするんだろうな、とも思う。

というのも私は、私の両親に婚姻届の証人になってもらったのですが、それがちょうど選挙の時期で、うちの両親は「公明党の〇〇さんをよろしくね。旦那さんにも頼んでね。この選挙区に友達が住んでいたらチラシを渡してね」と公明党のチラシを渡してきました。
さすがに「結婚おめでとう!」の一言くらいあるんじゃないのか?と期待していたので、私はがっかりして、みじめで、泣きながら夫と一緒に住む新居に帰りました。
私の両親が万事そんな感じだったので、「やはりお母さんは創大まで出した啓ちゃんを学会員と結婚させたかったのではないか?」と親戚のおばさん(この人も学会員)が邪推していました。私から見ると、両親は夫をとても気に入っており、夫も「よくしてもらっている」と言ってくれていますから、それが原因とは思えません。純粋に「正当な選挙活動の前にはすべてが許される」と思っているからではないかと思うのですが、まあこんな仕打ちをしたら親戚・姻戚にはそういう風に勘違いされても仕方ないですよね。

……こういう風に書くと、うちの両親はとんでもない宗教毒親のように見えますが、普段は普通、むしろ普通よりちょっといい両親だと思います。それなりに裕福な家庭ですし、家族で食事をしても決して子供たちには支払いをさせません。孫にはいいおじいちゃんおばあちゃんで、なんでも買ってあげる。私の義両親にも礼を尽くしてくれて、両親のせいで恥をかいたことはありません。私が「義両親に会いに行く」というと、わざわざ片道2時間かけて新幹線で会いに来てくれて、結婚の挨拶をしてくれました。コロナ禍だったので、両家顔合わせをテレビ電話でしかしたことがなかったのが気がかりだったようです。うちの両親が(折伏や選挙のお願いを始めることなどなく)大変感じよく挨拶してくれたので、義両親も「なかなか都会で働く息子の様子を見に行けないが、こんな立派な方たちが親代わりになって、息子の側にいてくれるなら安心だ」と言ってくれました。
要は義両親や婿殿といった外部の人にはある程度節度を持って接することができる、一見常識人なんだけど、自分の娘には甘えがあって、選挙DVしちゃうってことだと思います。

私たち夫婦は仕事の都合があって、実家の近くに賃貸物件を借りて住んでいますが、その保証人にも私の実父になってもらっています。遠く離れた義両親よりは、実家の父になってもらった方が、なにかと便利ですからね。もし実父が引き受けてくれなかったら、私たちは年間数万円のお金を払って、保証会社を頼まないといけなかったでしょう。そうやって後ろ盾にもなってくれる、いい両親でもある。だからこそ困る面が多いのです。

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