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#52 予算が足りません。
よく覚えている話がある。
息子がまだ保育園児の時。小さな保育園なので役員は避けられない。
先生を保育園の役員会でこんな話が出た。
「先生たちの負担を軽くするために、〇〇の機械を保育園に買ってもらえるように陳情しましょう。」
保育園の先生は、女性が多く特に力仕事などは負担が大きい。役員会では少しでも負担を軽くするために、PTA会長が集まる会で、行政に機械の購入を依頼することになった。
結果はどうだったか。
タイトルの通りである。
「予算が足りませんので購入は出来ません」
だそうである。
そう、特に小さな行政では予算規模も小さいので新規に予算を確保することが難しい場合がある。どんなに必要と思っても採用されないことを身をもって知った。ちなみに10年以上経った今も導入されていないらしい。
その経験があるから世間で盛り上がっている「あること」をしないと決めている。
次に何年か前に東京23区に住む親戚のおばちゃんから
「地元のマラソン大会出ない?」と誘われた。
強豪チームが多く出場する有名なハーフマラソンである。
時期的に難しいので断ったが、その際におばちゃんが一言ポロっと漏らした。
「最近、〇〇区はお金がないのよね~。」
そう、これの原因も私が行わないあることと根は同じである。
それは「ふるさと納税」
テレビでもCMはバンバン流れるし、情報番組でも取り上げられることが多い。
私の知り合いでも「ふるさと納税やってます」とか「〇〇をもらった」などと、投稿したりする人もいる。
公式な制度であるし、個人がそれをどう利用しようが私には関係ない。
が、そういった方に一言だけ。
「ふるさと納税やっている人は、あなたの住む行政に対して文句は控えましょう」
あなたが納めるべき貴重な納税はあなたの住む行政の貴重な収入です。その貴重な収入はあなたが得していると思っている別の行政が使用しているのです。そんなの知っていると思いますが。
人口規模の大きい市町村に住んでいると感じられにくいですが、行政サービスの原資はあなたの納税です。
私は保育園での出来事から予算がないことが自分の生活に直結するを実感した。だからふるさと納税はやらないと決めている。
ちなみに、私の地域も観光地でありふるさと納税を行っていて幸いにも収支はプラスのようである。ただ隣町と比べて金額が少ない。原因は様々だが、隣町は行政がイケイケで認定が比較的緩め、我が地域はお堅めだそうである。完璧な制度はないにせよ、その辺りもややモヤモヤする遠因である。
また、ふるさと納税反対派の私は、ふとCMをバンバン行うサイトを運営する会社を調べたら、ある会社は某巨大企業のグループ会社だ。
あなたが得したなって思う裏では、ふるさと納税で大きな利益を上げている会社がありましたとさ。
おしまい。
最後に
私はコロナ時に頼まれて行政のあるスポーツの役についていた。
そこでのある事業の報告会の会議に参加した際、
「多くのイベントが中止になりましたので、姉妹都市とのつながりを大切にしようと日本からマスクを送りまして喜んでもらいました」
とのこと。話の流れからそのスポーツに関わる少人数のものと思われた。
それは良い。
その額は、8万円…。
高ぇよ!予算を大切に使え!
私は文句を言ってもいい。ふるさと納税をやっていないから。