Web3.0での理解の引っ掛かり
web3.0について、人によって定義は異なるが、「分散型台帳を用いた次世代インターネット」のように言われることが多い。
そこで①web2.0の文脈からの説明、②「分散型台帳」についてブロックチェーン技術から説明によると、結局理解がよくわからなくなるおそれがある。
①web2.0の文脈からの説明
これはいくつかの整理が混ざるからわかりづらい気がする。
(1)方向性
Web1.0 一方通行 web2.0 双方向 web3.0 分散型
(2)例
web1.0 email、ブログ
web2.0 SNS
web3.0 ブロックチェーン
一見するとわかりやすい。だが、ここで早速の躓きポイント。SNSとブロックチェーン技術は並列なのか。
(1)の方向性と併せて考えるなら、おそらくブロックチェーンのネットワークと捉えた方がわかりやすいのか。
一方で、(2)の例を実現できるサービスもふくめるのであれば、ここにNFT、FT、DeFi、GameFiなどが入ってくるのかもしれないが、(1)からの飛躍があってわかりにくくなる。逆にweb2.0はクラウドサービスがはいってくるのかもしれないが、やはり(1)の説明からweb〇〇って結局何が違かわからなくなる。
(3)社会からの整理
web1.0 web2.0 中央集権的社会
web3.0 分散型社会
ここでGAFAMの台頭という説明も聞くことがあるが、これまたわかりづらい。
確かに金融の側面で銀行は中央集権、分散型は特定のものが管理しないビットコインのような世界はイメージしやすい。
ただよく語られるGAFAMでいえば、強大なプラットホームというイメージはあるもののSNSといえばFacebook以外はあまりピンとこない。そもそもMってweb1.0を席巻したわけですし・・・。もはやポイントは(1)や(2)から、それはそれと切り離して理解するしかないのか。
そうするとポイントになるのは、分散型は改ざんが困難で信頼性という側面なのか。その際に過去に問題となったFacebookの個人情報の不正利用問題などをイメージするとすると、確かにわかりやすい。特定の会社に依存するとサービス停止すると使えなくなるというような例をあげられることもあるが、これはこれでわかりやすい。
やはりWeb3.0の理解は②「分散型台帳」ブロックチェーンの特性からの理解すべきなのか。
(そもそもブロックチェーンが難しいので、これの素人理解は別の機会に)
ここでさらなる混乱が生じるのが、web3.0の難しさ。
なぜなら、ブロックチェーンを勉強するとビットコインやイーサリアムのようなパブリックチェーンとプライベートチェーンが分かれてくるからだ。
企業の取引の過程、トレーサビリティなどがプライベートチェーンならすっきりする。ところが、実際に世の中のM2EやNFTのマーケットプレイスをみてみるとはイーサリアムなどのパブリックチェーンを使っているものもあれば、プライベートチェーンをつかっているものも散見される(このあたりも詳細は別にまとめたい)。
プライベートチェーンとか、管理者がいるわけで。そうなると分散型って記録の話?と、先ほどまで納得した(3)を前提としたweb3.0の理解に混乱が生じてくる。
そして最近ではさらに(4)として、「DAO」の文脈でのWeb3.0の世界を語られる(これもまた複雑そうなので、別にまとめるとしたい。)。
そろそろまとめにはいると、理解しづらいのは多様な文脈で語られるからだと、もはや割り切ってしまうのがいいのではないかと思っている。
「中身がバラバラで理解しづらい≠意味がない概念」では決してないからだ。議論する議題の中での本質をつかむ作業が必要ということだ。web3.0を語る文脈のなかで、その人が何をもってweb3.0をとらえているかは意識しないと相手の意図を理解できない。
「web3.0社会」はどのような社会となっていて、それを受けて、これから自分がするべき行動を何かを見誤ってしまわないように、本質をしっかりと理解したうえで日々の行動につなげていきたいと思う。
今日はこのへんで。
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