見出し画像

就活応援隊 基礎編 採用担当者の本音


 
人事には採用、教育、配属、異動、考課、賃金、労務管理等様々な業務があり、担当範囲や呼称は企業によって異なる。その中で採用業務は、事業方針や経営計画に基づき決定された採用予定人員を経営側からの指示により選考するのが職務である。つまり、採用担当者の使命は、自社にふさわしい資質の高い人材を採用計画通り確保することだ。計画数より多すぎても少なすぎてもいけない。
採り過ぎれば人件費が経営コストとして負担となり、少なければ事業計画の遂行に支障が出る。しかも、頭数だけでなく優秀な人材を揃えなければならない。
採用選考は人材争奪戦であり業界トップクラスの企業は選考を優位に進めることができるが、それ以外の企業は厳しい戦いを強いられている。しかも、学生の多くは規模や待遇、知名度、グローバル性などを軸にしてエントリーする業界や企業を決める傾向が強いので同業者以外の業界とも戦うことになりさらに厳しい戦いを余儀なくされる。
会社の規模、仕事の大きさ、待遇で敵わない企業の採用担当者は、熱意と誠意で勝負するしかなく男はつらいよではないが採用担当者はつらいよという心境なのだ。優秀な人材を採用したい企業といい条件の企業に就職したい学生とのマッチングは簡単ではないのだ。しかも是非採りたいと思う学生は他の企業も同じで内定を出しても他社を選び選考を辞退する者も多くなる。採用力のある企業は資質の高い人材をより取り見取りで採れるので担当者も余裕だが、そうではない企業は選考が進むにつれて辞退者が続出して最終選考に呼び出す人数を確保できなかったり、資質の高い学生を集めることができなかったりで担当者にとって最終面接は針のむしろの上にいるようで生きた心地がしない。
採用は一担当者の力で何とかなるものではないのだが経営側からは叱責を受け、人事としての自分の評価も低くなる。究極のところ採用担当者の仕事は、資質の高い学生を選考途中で辞退さないで最終面接まで繋ぐことなのだ。
採用担当者はとにかく最終選考まで学生を残すために学生には最大のリッブサービスをする。しかし採用の権限は最終面接官である経営トップが持っている。そこが学生を気に入らなければ不合格となる。ここまで何とか必死に学生を繋ぎとめてきた採用担当者にとっては、やりきれない気持と無力感で愕然となる。
学生も採用担当者は自分を高く評価しており一緒に働きたいと言っていたのにどうして落とされたのだと企業への不信感と絶望感で悄然となる。学生も辛いが採用担当者も辛いのだ。
しかし、ここで結果が覆ることもある。説明会から接してきて学生のことを分かっている担当者が半沢直樹のような人物ならトップに直談判して君に幸運が訪れるかもしれない。