システム障害を起こした東証の記者会見が賞賛された理由
毎年のこととはいえ、年末年始に不正アクセスが増加し、いくつかの企業では侵入を許し、謝罪会見に追い込まれるかもしれない。
トラブル後に会見に臨んだ企業はいくつもあるが、せっかくなら、褒められた数少ない例として「東証」の対応をTipsにしてみた。
1)業務内容やシステムの話など、受け手の理解を想像し、分かりやすい言葉を使って対話と説明をした。
→事実の羅列だけでは伝わらない。うまく言語化すること。
→聞き手の視点に降りて説明を組み立てること。時間軸で整理すること。
→同じ話でも自分の質問に答える説明でなければ、理解できない人がいる。
→このあとどうするか明確に述べる。「持ち帰ります」「検討中」は禁句(政治家を見ればわかる)
2)記者会見に臨んだ4名が各自の役割をまっとうした。
今回の会見に臨んだ4人は、各自の担当分野を詳細に把握している、障害の原因究明も徹底的に行なっているので、適切に説明できる。
→圧倒的な当事者意識、プロ意識がそうさせた。
3)外注先ベンダーの責任にしない。
他人のせいにした瞬間、責任を放棄しているように伝わる。
「止まらないシステムはない」という前提があり、だから妥協せずに様々な知見を活用しながら、極限までゼロに近づける、その謙虚で真摯な姿勢」が「責任感」である。
ゆえにベンダーではなく、システム運用を担っている東証側に責任があるという発言つながる。
「コントロールできないことまで自責にしても解決しないが、自責思考で考えることは次につなげる思考になる。
「リスクは認識できるものがある。
しかし、認識できないリスクが引き起こすデンジャーを排除するのは、現場の想像力と対応力。それは意識と訓練から生み出される。