人生最初の推しは秋元こまちだった。
子供の時だった。
あの頃はテレビから目が離せないくらいあるものに熱狂していた。プリキュアだ。
あの頃は、親が焼いてくれたであろうDVDを延々と見まくり、リアタイでやっているものは欠かさずに見ていた。
その中で、ある1人の女の子に強烈な憧れを抱いていた。プリキュア5、緑プリキュアの秋元こまちちゃんである。
こまちちゃんは、読書が好きで物知りで、安心感のあるお姉さんだ。小説を書いているが、「書くのと読むのは全く別」と苦戦していた。
戦闘中にはバリアをはり、敵の攻撃から仲間を守ったりする。私はこの戦闘スタイルが好きだった。
今考えたら「あの時は完全に推していたんだな」と思う。子供の頃抱いていたあの感情にやっとしっくりくる名前をつけることができた。
ところで、推しは自分と性格が似ていることが多いらしい。なにかの記事で見たが、推しを深堀することで自分の深層心理がわかるという。
私は、こまちちゃんと同じく本を読み、文章を書いている。あら不思議。同じことしてるじゃないの。私もお姉さんになれているのかしら。
最近「大人プリキュア」なるものが放送されたらしい。イラストを見たらめちゃくちゃエロいお姉さんになっていた。かわいかった。
彼女は果たして作家になれたのだろうか。
久しぶりにアニメが見たい。
いつか自分がこまちちゃんみたいに本を読み、文章を書くことを、幼い自分は予期していたのかもしれない。
そう考えると、なんだかエモい。