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【映画鑑賞記録】瓜二つ?
8月の会社で決められた夏季休暇には、決まって日本へ帰国する。その際には必ず、EUのどこかの国を経由して、11、12時間もある国際線に乗り、3本も4本も映画を観ることになる。
8月に帰国をし、8月にミラノに戻るから、放映されている映画は同じだ。普段から週に1本、多い時は4本、世間でマイナーと言われる部類のものばかりを映画館で観る私のお眼鏡に適うものが7本も8本も見つかることはない。
だったら、本を読むとか寝るとかすればよいだろう、と思われるかもしれないが、何十回と乗ってきた国際線で眠れたことはただの一度もないし、帰国して2番目のミッションが文庫本を爆買いすることだから、持ち合わせている本は勿論ない。
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機内で上映されるものにも、たまには面白いものもあるし、イタリアでの上映待ちのものもあるし、つまらなさ過ぎて即やめるものもあるが、この夏にはなかなか興味深い映画に遭遇した。
ただ、機内ではタイトルをメモしないから、後でその映画を探す時は俳優名でググることになる。そして私の中では、その映画の中で殺された役者はSwann Arlaudだった。だから、9月に入り、いざインスタのストーリーズでその映画を紹介しようとタイトルを探して見つからないハプニングが起きた時、「ややっ!!」と焦った。
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Swannの作品を1つ1つクリックしてチェックする。
日本語でもフランス語でもチェックしたがそれらしき映画は見つからない。
「イラつく・・・夜が更ける・・・もう25時過ぎだ・・・明日も会社なのに働けなくなるではないか・・・ムカつくが諦めよう」とその夜は諦める。
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2日後の週末、夕方からまたググる。
「やっぱり見つからない・・・2時間経つ・・・お腹が空いたし目も疲れた・・・また出直そう」と諦める。
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数週間後、月が替わりそうなので、また試す。
ただ単にタイトルが知りたいだけなのに、まるでSwannに一目惚れしたかストーカーのような自分が少し怖くなる。。
今度は1つ1つ作品をチェックし、出ている他の俳優もチェックする。
「むむっ、この人、確か出ていた」という女優を発見する。その女優の出演作をチェックする。まだ若く有名ではないから、出演作も少ない。
そして、「あっ、これだ!」と、遂に見つけたその映画のその俳優は、Swann Arlaudではなく、Cédric Appiettoという全く別の俳優だった。
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Swannが急に年を取り、太ったと思ったら、別人だったわけだ。しかし、Cédric A.はあまり有名ではないから、見間違えるのも仕方がないだろう。
「これでは、Keira KnightleyとNatalie Portmanの区別がいまだにつかないのと一緒だな。しかし、彼らは世界的に活躍してはいないから、私だけの秘密だな」とほくそ笑む初秋の夕べであった。
ちなみに、かの映画のタイトルは「De Grandes Espérances」という。
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内容は、コルシカ島にある彼の別荘で口頭試問に備えていた若い女性が、ある夏の朝、人通りの少ない小道を彼と車で走っていた際、口論に巻き込まれる。その焚きつけ役がCédric A.演じる野蛮な男である。殺すつもりなどなかったのに、男の死という悲劇的な結末を迎え、彼らは別れることに。そして、二人が権力の上層部に入った時、二人を結びつける秘密が明らかになる恐れがあり、、、続く。
権力争いものが好きな方にはお勧めデス。
そんな私は、明後日「à propos de Joan」という、SwannがIsabelle Hupertと共演した、2022年の映画を観に行く。
繰り返すが、私はSwannのストーカーでも、彼に一目惚れしているわけでもない。強いて言えば、Isabelle Hupertの大ファンである。
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