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第3 話バイト先に現れたパーフェクトな女性



 18歳の夏

いつもの様にバイド先の受付で座っていると、
「こんにちは、アルバイトの面接に来ました松田由美子です、高橋さんお願い出来ますか」

と目が大きく二重で、髪はポニーテール、水色のキャミソールで下はイエローの薄い夏物のスカート、背は160センチほどでスリムでスタイルがいい。まるでリゾート🏝️地にいるみたいなにオシャレなヒールを履いている。

「やべー超可愛いくて美人そしてなんだか目が潤んでいて優しそう」

「あんな人彼女だったら俺もうどうなっちゃうの?」

その日から彼女に夢中な俺の夏が始まった。

学校が終わって5時からの勤務、今日も彼女とは必ず受付で顔を合わせる。受付にある入店記録簿にサイン✍️して、私物を受付に預ける。これは私物と商品が区別して商品の持ち出しを防ぐ為、なので彼女がバイトに来たら必ず私の所でチェックをする。 

彼女はオシャレでセンスがいい、高校生の私からすると女子大生の彼女は少し大人の女性だ。私の前にある入店記録簿にサインをしている時、私は彼女を見ている。

そんなとき心の中で
    
   「やばい!この人どんだけ見てもパーフェクト💯だ」

  心の中で叫んでいたのである。

この感情の中にイヤラシイ感情は全く無い、余りにも美し過ぎるとそんな事は思わない。まるで昭和のスター吉永小百合さんの若い頃みたいに綺麗で清廉潔白そんな感情だった。

今でも電車の中であの頃の由美子さんに似ている人見ると、「もしかして由美子さんかも?」なんて思っちったりして「いやそんなわけ無い、だってもしそうだったら現在の年齢は58歳だ」
そんな事がたまにある。

彼女か帰る時、受付の外に出て彼女を見送る時の彼女の後ろ姿

「ヤベー後ろ姿も可愛いし綺麗だ!」

「これはアタックするしかない」

「どうすれば彼女ともっと近くなれるのだろう?」当時携帯も無い時代そんな事を考えていたある日、バイトの面接などを担当している高橋(女性)さんに「松田さんって大学何年生なの」とか色々聞いていたら、「やまちゃん彼女の事が気になるの?」と言って来た。
そこで
「えーだって彼女素敵ですよね」と言ったら高橋さんが

「電話番号教えてあげようか?」

「え!えーそんな事して大丈夫?」

と言ったら

「やまちゃんなら大丈夫だよちょっと待ってて履歴書見てくるから」

と言って5階に上がって電話番号メモして戻って来て「はい これ電話番号」「頑張ってね」と教えてくれました。


もちろん家の電話番号だ、携帯はまだ無い

今では個人情報とかでダメだけど、当時はそんなの無いし、そこでのバイト歴も三年近く経っていたので、信用してくれたのだろう。番号が分かったと同時に「信用とはこういう事か」と思いある父親から言われた言葉を思い出した。

それは

 「信用とは自分から信用してくれと言う事ではなく、相手側が勝手に信用する事だと、それまでは地道にコツコツとやるもんだ」

  その後の人生に幾度となく頭に浮かぶ言葉だった。

電話番号は分かった、
「でもいきなり電話したら良くないよね」
「それなりに会話もしてるし大丈夫かな」
「でも当たって砕けろだ!」

「よし!今夜電話してみよう」

当時そこでのバイトはちょっと変わっていて、5時から受付と電話交換の業務をして閉店してからそのビルに泊まるという変わったバイトでした。

その店舗は以前火災🔥事故を起こして消防署からの指示で夜間常駐が営業許可の条件に指定された為に、何もしないでとにかくそこに居ればいいだけのバイトでした。

受付に簡易ベットを出して寝るだけ。
本来は大学生が閉店時に来て私と交代していたが、人数が足りなくなってしまった。するとマネージャーが「やまちゃん泊まりのバイトやらない?」
「え!高校生の俺でも大丈夫なんですか?」
「本当はダメだけどやまちゃん真面目だし寝るだけで1万近く稼げるから、大学生の名前使ってやらしてあげるよ」と言ってくれた。

何年か真面目に仕事するとこうやって幸運が自分に巡ってくる事をその時実感した。

1ヶ月の間で10日くらいで夜泊まってそこから学校に行く。バイド代は受付業務合わせて月に13万円近く稼いでいた。

泊まる日の夜は電話はかけ放題でそこから
今夜彼女に電話しようと思った18歳の夏でした。

第4話

家の電話には色々な障壁がある  つづく
                

          

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