第9話 催事場に現れた手塚里美似の女子との初めての居酒屋の巻
バイト先には催事場スペースがあり色々な業者がそこで販売をする。
今月そこで販売するのは、アイデア商品を売るお店だ。そこでスタッフとして来ていた手塚里美似の彼女
歳は20歳でショートヘアー
ボーイッシュな感じで笑うと八重歯が見える。
「おはようございます
今日もよろしくお願いします」
と受付の私に言って微笑む彼女
「おはようございます」
今日は紺色のワンピース👗で可愛い。休憩時間に食堂に行くと彼女が一人でお茶を飲んでいた。
「お疲れ様です一人で休憩ですね」
と話しかけると
「そうですよ」
と答える笑顔の彼女
色々話しているとどうも彼女は私を高校生とは思っていないらしい。
よく社員の人と話すと私は20代に見えるらしい。
「今度遊びませんか」と聞くと
あっさり「いいよ遊ぼ」と彼女。
食堂を後にして仕事に戻る。
次の日彼女から
「あした仕事帰りにどっか行こう」
と声がかかった。
当然ですが行く事に。
「でも何処行こう?」「何する?」
デート経験の少ない私は血迷っていた。
お店の外で待ち合わせ。
受付で彼女を見送りその後私も退店し外で待っている彼女と合流。
「お待たせ〜、どこ行こうか?」
すると彼女
「居酒屋行こうよ?」
「いいよ」
それまで私は居酒屋に自分のお金で行った事がなかった。仲間何人かで行った事はあるがよく分かってない。
「居酒屋ってどこの?」と聞くと、
「知ってる店ある?」と聞かれ、「知ってるお店はないよ」と答えた。
「池袋の祭りって店行こう」と彼女。
当時の居酒屋は「村さ来」「祭り」
が定番の安い居酒屋だった。
お店に着いて着席、お店は満席に近い状態で向かい合って座った。
彼女がメニューを見ながら
「何がいい?」「レモンサワー?」
「そうねレモンサワー」
すると彼女が、「私カルアミルク飲んでもいい?」と聞いてくる。
ん!「飲んでいい?って事は会計は俺って事だよね?」と心の中でつぶやく。
当時はバブルに差し掛かる昭和だ、
デートは男が払うそんな時代。
しかしデート経験も少なく居酒屋デートなんて初めて、今までのデートはジョナサンでパンケーキ食べたか
学校の帰り道に神社⛩️でイチャイチャぐらいだった。
「やばい俺2500円しか持ってない」
当時キャッシュカードも持ってないし、バイト代は給料袋だった。
「カルアミルクとレモンサワー🍋で幾らだ?」
すると彼女
「ポッキー頼んでいい」
「おいおいポッキーって幾らだ?」
デートよりお金の心配で何がなんだか落ち着かない私。
色々話しかけてくるが頭に入らない。。
でも言わないとまずいと思い
「ごめん🙏俺2500円しか無いんだよ」すると彼女
「えーーそうなの?」と言って笑っているが
小さくため息をついたのを私は見逃さなかった。
そしてその目は
「マジ?冗談でしょ!なんだよー」と
言ってる目だった。
ポッキーを食べて
レモンサワーとカルアミルクを飲んで店を出た。
そして、そのまま解散。
「やっぱり男は金かー」「金なんだー」
「大人になったら金なきゃダメなんだ!」
と早めに悟った
17歳の夜だった。