『かわいい仕草』が名前です!ラブリーサイン(前編)
昨年の12/10(日)。阪神競馬場では2歳女王決定戦の阪神JFが行われ、アスコリピチェーノが無敗で優勝。ダイワメジャー産駒の芝マイルでの強さを再認識する一方、クビ差まで猛追した2着馬ステレンボッシュの末脚も光りました。今回はステレンボッシュと父を同じくする1頭、ラブリーサインのお話。
ラブリーサインは2023年末現在、2歳未勝利クラスに在籍する牝馬です。阪神JFが行われたその日、中京競馬場の未勝利戦を走り着外。この年末年始は放牧中です。
母エスコルピオンは地方競馬・門別で7勝。大きなレースでの実績はありませんでしたが、現役最後のレースでも11頭立てを5人気で3着に入り馬券内に。応援するファンへのお返しをして競馬場を去る、義理堅さがありました。
母系に目を向けると、3代母は米G1馬。祖母フィールドソングは日本に輸入され、さざんか賞(当時はダート1400m)ではレコード勝ち。後のオープン馬シンキャロル(獲得総賞金1億円超)などを完封しています。近親では伯母にビウイッチアス(フィリーズレビュー2着)がいるので、ダート馬の比率は高めながら芝馬も出せる一族です。
父エピファネイアは菊花賞とジャパンC(4歳時)のG1を2勝。クラシックは皆勤で皐月賞・日本ダービーはいずれも2着。トップクラスの成績でしたが、JRA賞は貰えませんでした。しかし種牡馬として発憤。第1世代からデアリングタクトが牝馬三冠を達成してJRA賞受賞。父の鬱憤は晴れたでしょうか。
デアリングタクトが桜花賞を制した春に種付けして産まれたのが、ステレンボッシュやラブリーサインの第5世代です(サムネイル画像がウマ娘プリティーダービーのデアリングタクトなのは父が同じ、という理由からです)。
生産牧場も見ていきましょう。いとう牧場は毎年の生産頭数が10頭前後。小規模ですが、コンスタントに上級馬を出す牧場として定評があります。牧場ランキングの過去最高は2015年の総合21位です。
直近10年間の生産馬を見ると、スマートオリオン(14年オーシャンS&15年中京記念)やトゥインクル(16年ダイヤモンドS)など。最もG1の栄冠に近づいたのはナムラビクター(14年アンタレスS)で、14年チャンピオンズCがホッコータルマエの2着。
21年生まれの世代はラブリーサインを含め10頭。2歳終了時でナムラエデンとスマートスピアの2頭が中央で勝ち上がっています。
前編はここまで。続きは後編で。
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