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【2024年度第67回 JCJ賞】JCJ大賞 しんぶん赤旗日曜版 『自民党派閥パーティー資金の「政治資金報告書不記載」報道と、引き続く政治資金、裏金問題に関する一連のキャンペーン』、 JCJ賞4点。 10月5日(土)午後1時から東京・日比谷図書文化館コンベンションホールで贈賞式

JCJ賞作品は次の通りです。
 【JCJ大賞】  1点
● 自民党派閥パーティー資金の「政治資金報告書不記載」報道と、引き続く政治資金、裏金問題に関する一連のキャンペーン しんぶん赤旗日曜版 
       
 【JCJ賞】   4点   (順不同)
● 上丸洋一(じょうまる・よういち)『南京事件と新聞報道 記者たちは何を書き、何を書かなかったか』 朝日新聞出版

● 後藤秀典(ごとう・ひでのり) 『東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』 旬報社

● NHKスペシャル 「〝冤(えん)罪〟の深層~警視庁公安部で何が~」「続・〝冤(えん)罪〟の深層~警視庁公安部・深まる闇~」 NHK総合テレビ

● SBCスペシャル 「78年目の和解~サンダカン死の行進・遺族の軌跡」 SBC信越放送

JCJ賞贈賞作品一覧

【JCJ大賞】    1点
● しんぶん赤旗日曜版 自民党派閥パーティー資金の「政治資金報告書不記載」報道と、引き続く政治資金、裏金問題に関する一連のキャンペーン
 自民党の主要5派閥が政治資金パーティーのパーティー券大口購入者を、政治資金報告書に記載していなかったことをスクープした報道に始まった「しんぶん赤旗日曜版」の報道は、2023年から24年にかけての日本の政治を揺り動かした。
 公開されている膨大な政治資金報告書から、一つ一つを地道に積み上げ、検察の捜査にまでつなげ、それが大政治犯罪であることを明らかにした。
 政治資金パーティーという、小さな問題に見えた事件は、実は政治資金問題の中心的問題で、事件の大きさは、自民党が公表せざるを得なかった議員が衆院51人、参院31人、計82人に上っていた(24年4月14日号)ことに示されるとおり、そのスケールの点では、1975年の「田中金脈」報道や、88年の「リクルート事件」報道を超えるものだった。
 国会は安全保障政策の大転換を迎え、極めて重要な問題を抱えていたが、この問題に多くの時間を割き、秋に予想される、総選挙もしくは自民党総裁選を控え、「政治資金改革」は、いま、最大の政治的焦点となっている。こうした事態を引き起こしたのは、「しんぶん赤旗・日曜版」の報道がなくしてはできなかったことであります。

【JCJ賞】    4点 
● 上丸洋一 『南京事件と新聞報道 記者たちは何を書き、何を書かなかったか』 朝日新聞出版 
日本の侵略戦争の犯罪を象徴する「南京大虐殺」――南京事件は、西のアウシュヴィッツでのナチス蛮行に匹敵する戦争犯罪であるが、当時の日本の新聞記者は何を書き何を書かなかったかを追跡し、検証した力作。
 筆者は、2007~2008年朝日新聞夕刊の「新聞と戦争」で戦時報道を検討する連載の取材班に参加。「南京」シリーズを担当した。2020年フリーになったのを機に再び「南京事件」に向き合って、当時の新聞報道を調べる毎日が続く。「南京事件まぼろし説」「百人斬り」はじめ日本軍の蛮行、虐殺の数々に向き合い、真偽の確かめ作業が続く。当時の報道や記録を掘り起こし、記事を追い生存の記者を取材して検証する。気の遠くなるような作業のなかから、事実としてあったことは勿論、前後左右の状況、外国の記事も使っての多角的な検討により、あったはずの事実を浮き彫りにしている意義は大きい。
 戦場に行く記者、カメラマンは厳しい報道規制のもと、軍紀服従、検閲、報道規制、従軍記者心得により、「戦場一番乗り」「報道報国」「報道戦士」に絡め取られていく様を記事で検証しながら明らかにしているのが恐ろしい。
 終戦後、生存の記者への取材、戦友会の記録のなかで、多くの人々の意識が変わらず、責任も感じず、見たくないことはなかったことにする有様を突きつけられ、日本の教育と、洗脳された日本人の状況に愕然とさせられる。
 南京事件についての研究はすすみ、書物も多いが、新聞、放送など影響力の大きなジャーナリズムの有り様がますます重大である。
岸田政権による軍備拡大と戦争準備がすすめられるこの2024年、『南京事件と新聞報道』という力作を得たことの意義は大きい。

● 後藤秀典 『東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』 旬報社 
 福島第1原発事故から14年、責任が明確にされた東京電力は避難者たちが起こした損害賠償請求訴訟を数多く抱えたままだ。その訴訟の過程で加害者である被告東電が原告の被害者たちを、あたかも安逸な生活を享受しながら無理難題を求めているかのように攻撃をする現象が生まれている。賠償を出し渋るための「変節」である。その背景にある最高裁と巨大法律事務所という司法エリートと東電との結びつきを探ったのが本書である。
著者は2022年に出された、国に原発事故の責任はないとした最高裁判決(6.17判決)を下した3名の判事の経歴・人脈を追い、彼らが巨大法律事務所をはじめ国や法曹界、産業界のさまざまな機関と密接に関わっていることを明らかにしていく。その構造は本書にある「電力会社・最高裁・国・巨大法律事務所の人脈図」を見れば一目瞭然だ。原子力規制庁のメンバーで一審では国側の指定代理人であった弁護士が控訴審では東電の代理人として登場するという事実には呆れるほかない。この弁護士はもちろん巨大法律事務所の所属である。
本書は原発問題をテーマとして書かれ、「原子力ムラ」には司法エリートも含まれていることがはっきりする。同様なことは日本の他の多くの分野でも起きているであろう。日本における司法の独立は国家の圧力との関係で問われてきたが、「民間」の巨大法律事務所というモンスター的存在が権力の補完機能として働いているという事実を具体例を挙げて告発した作品として推薦する。

● NHKスペシャル 「〝冤(えん)罪〟の深層~警視庁公安部で何が~」「続・〝冤(えん)罪〟の深層~警視庁公安部・
深まる闇~」  NHK総合テレビ
 「〝冤(えん)罪〟の深層~警視庁公安部で何が~」(23年9月24日21:00~21:50)
 なぜ〝冤罪〟は起きたのか。3年前、軍事転用が可能な精密機器を不正に輸出したとして、横浜市の中小企業の社長ら3人が逮捕された事件。長期勾留ののち、異例の起訴取り消しとなった。会社側が国と東京都に損害賠償を求めている裁判で23年6月、証人として出廷した現役捜査員は「まあ、捏造ですね」と、捜査の問題点を赤裸々に語った。公安部の中で、一体何が起きていたのか。法廷の証言と独自取材をもとに、徹底取材で検証する。
「続・〝冤(えん)罪〟の深層~警視庁公安部・深まる闇~」(2月18日21:00~21:50) 
 警視庁公安部の〝冤(えん)罪〟捜査を検証したNスぺ(昨年9月)第2弾。4年前、軍事転用可能な機器を不正輸出したとして、大川原機工の社長ら3人が逮捕された事件。東京地裁は昨年末、捜査は違法だったと認め、国と都に賠償を命じる判決を言い渡した(国と都は控訴)。NHKは今回、さらに新たな内部資料を入手。経産省はなぜ警察の捜査方針を追認したのかそして、検察はなぜ起訴に踏み切ったのか。残された闇に迫る。

● SBCスペシャル「78年目の和解~サンダカン死の行進・遺族の軌跡~」(3月13日19:00~20:00) SBC信越放送
 太平洋戦争の末期、現在のマレーシア、ボルネオ島で「サンダカン死の行進」と呼ばれる悲劇が起きた。日本軍の無謀な命令により、道なきジャングル横断を強制された英豪軍の捕虜2400人余が飢えや病気、銃殺で死亡。生き残ったのは、脱走した6人だけだった。悲劇から78年、豪州兵捕虜の息子、ディックさんの呼びかけで、長野県の元日本軍兵士の遺族やスパイ容疑で処刑された地元住民の孫ら関係者が戦跡をめぐり、二度とこのようなことが起きないよう合同で「和解」を誓い合った。
お問合せは下記までお願いします。
日本ジャーナリスト会議(JCJ)  
 〒101‑0061 東京都千代田区神田三崎町3-10-15 富士ビル501号 
 TEL:03-6272-9781 FAX: 03-6272-9782 (電話受付は月、水、金13時~17時) 
 メール: office@jcj.gr.jp
 直接のお電話: 古川英一(JCJ事務局長) 090‑4070-3172、大場幸夫 (JCJ賞推薦委員会)090‑4961-1249 

■贈賞式記念講演(オンライン講演となります)
  「政治とカネ 自民党裏金問題をどのようにして暴いたのか 」 上脇 博之(かみわき ひろし)神戸学院大学大学院教授
■講師プロフィール:
 上脇 博之(かみわき ひろし)1958年7月、鹿児島県生まれ。1984年3月、関西大学法学部卒業。1991年3月、神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得。北九州大学(現在の北九州市立大学)法学部 助教授・教授を経て、2004年から神戸学院大学大学院実務法学研究科教授、2015年から神戸学院大学法学部教授(現在に至る)。専門は憲法学。、政党助成金・政治資金、政治倫理、情報公開制度、改憲問題などを研究『検証 政治とカネ』(岩波新書・2024年)など著書多数。公益財団法人「政治資金センター」理事などを務める
■オンライン参加お申し込み:
 https://jcjaward2024.peatix.com

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