ゆなという女の子
Spoonという配信アプリで僕はたくさん嘘をついていた。
年齢、性格、数えきれない嘘。
だけどそれは誰かを守るためでもあり、そういい聞かせながら結果自分を守ることにつながっていた。そんな稚拙な少年が書いた傷物語。
欲しいと思ってた世界がそこにはあって、だけどどこか違っていた。
未成年が多く、ファンの大半は小学生〜女子高生。
そんな中で僕は『マル』という配信者を演じていた。
多い時には1日4時間以上もしゃべっていた。たわいもない話からコアな話。
当時何を話していたのかはあまり覚えていない。きっと今聞き返しても恥ずかしいだろう。
にもかかわらず何かを求めてしまうのはきっと僕が、ついてはいけない最大限の嘘をそこについてきたから。
ない世界を作って誰かを救う事で救われたかったのか、今となってはわからないけど。
それでも慕ってくれる事でどこか満たされない日常を満たされている気がしていた。
落ち着く、安心する声で眠れる。
そんな事すらもできない未成年がどれだけこの世の中にいるのだろう。
生きることがそれだけ辛い世界で彼女たちの何を俺は満たしてあげることができたんだろうと考える。
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