ほよの鏡像崇拝 感想&考察

もうなんか全部良かったです(脳死)

最初は自分語りの感想なので、
考察読みたい人は下の方まで飛ばしてください。

なくちゃのライブ行きたいなぁ~って思ってライブ行こうとおもったらなんかデカい壁がありました。
ってことで、

ライブに行きたいので人災と天災に抗おう!

まず、今回の鏡像崇拝
切っても切り離せないのが、
私達遠征勢としては「台風」
自然災害の存在が、そこにあるはずです。
なんなら私は、出発当日に親戚で問題が勃発し、(訃報ではないです)
それはそれはてんやわんやで、
最悪に最悪が重なる結果となりました。

本当に渡航が絶望的で、
出発前日、当日も何度も何度も夜行バスを沢山予約したり、ライブに向かう方の車に乗せてもらえないか募集ツイートを皆で漁ったり、何度も何度も確率の高い方法を模索して、考えて…
その熱意が伝わったのか両親が味方に着いたので、何とか家を発つ事が出来ました。
そして、夜行バスは幾つか予約していましたが、
交通規制によるトラブルに弱いので、
車で向かうグループに混ぜて貰うことにしました。
深夜に決行して、
行ける所まで高速道路を使い、
運転手さんが寝ない様に必死で話を広げたり、
高速道路を降りてからの道の模索、
ナビゲート、協力してくれるFFさんの道の封鎖状況のツイート等の情報収集など…
車内の皆で協力しながら進みました。

正直、諦めようとした事もありました。
夜行バスが無理ならもう無理だって思う事もありました。
そんな時に支えになったものが、
なんとTRPGなんですよね
なくるさんのかなきみ02を見て、やりたくなったTRPG(CoC)です。

私にはすごく気に入ってる超重継続の探索者がいます。
とっても強くて、折れない子です。
重継続で、弱体化調整入れて尚、戦闘シナリオにおいて無敗で、
その世界(シナリオ)が救える最大人数を常に救う、トゥルーENDメーカー
確率、選択、実力、それらが奇跡を起こして出来た英雄
いつも「逃げるな」「最後まで抗え」と、背中を押してくれます。
そう、自分の一面や理想を切り取った彼女の力を借りて、
最後まで、FFさんと協力して、
諦めずルートを模索して来たのです。
来れないって諦めかけていたFF(同卓PL)にも無理やり向かわせて、
一緒に感動を味わいました。
(ちなみにその探索者、同卓するFFの中ではめちゃくちゃ有名なので、
探索者名で呼ばれたり、
「アイツの中身として解釈一致過ぎて一瞬で初対面でこゆきさんって解った」とか言われてました。
私もふざけて探索者の名前で自己紹介しましたけど)
(強すぎて出禁になったので砂上の王に行ってきます。)

ですから、
彼女に込めた言葉の力を借りて、数多の奇跡を手繰り寄せて、
なんとか会場にたどり着くことが出来ました。
ええ、みなさんもうお分かりでしょうけど、
トゥルーエンドメーカーの力を身に降ろしてまで行ったライブは、
「約束されたバッドEND」なんですけれど。

ライブ感想

そういえば私、ハッピーエンドがすきなんですよ。
なんだって幸せにしちゃう様な英雄譚とか、
疑う事のない幸せが、

ですから、今回のライブ
そこまで情緒をかき乱されるとは思っていなかったんです。
だって、バットENDですから。

でも、会場に入った瞬間、もう私の情緒は吹き飛ぶんだって、
知覚しました。
ずっともう遠くにいってしまったと思っていたなくるさんが、
9列目という座席の距離があんまりにも近いこともそうだったのですが、
「藍月なくる」という存在が、目の前で歌うという状態が、
自分が間違いなく人生の中でもっとも聞いてきた歌声の主が、
目の前で歌うんですから。

そのことももう少し自覚するべきだったのでしょうか、
それ以上に、幾つもの「東京にたどり着けないバッドエンド」を、
志を同じくする仲間と、 情報共有して避けて来て、
幾つもの奇跡を束ねて辿り着いたこの会場で、
「そのすべてを否定するかの様なバッドENDが来る」
その絶望が、「この演目には抗えない」という感情が、
CoCで探索者達が味わってきた様な、 情緒の奔流に当てられるんだな…って
私の中の物語の好みに対する解釈、解像度が変わる予兆を感じました。
(実際捻じ曲げられました)

開場


画面に映し出される。幻想的な城
この瞬間から、心の中の何かが打ち壊される感覚が走ります。
そして、鐘の様なイントロが流れて、
「Defective」が流れます。
この曲、「藍月なくる」というコンテンツへの愛が安定期に入ってから一番好きなのですよね。
最初の1年くらいのオタク期間ってめっちゃ愛とか勢い凄いんですけど、
逆にその期間って飽きやすかったり盲信してるので、
その状態を超えて、
「この人の事勢いだけじゃ無くてちゃんと琴線に触れてて好きになったんだな」って感じられる期間に入ってから、
一番好きな曲って事なのですが…
そんな曲が最初に来たので、もう初手から泣いてました。



祈るように、縋る様に、
ペンライトを握る手は胸の前で強く硬直して、
泣きながら、眼前の事象を崇拝していました。
「畏怖」と「崇敬」「崇拝」といった感情って本当に近かったのですね。
開場に響く彼女の歌声に、その場でくぎ付けになっていました。

そして続けざまに来る
Mirroring Mirage
この曲もくぎ付けになって聞いてました。
本当に藍月なくるって歌声が綺麗ですね。
綺麗ですね.…


らぷりえーるさんたちが来て数曲歌ったり、
ソロパートが来たりする場面。
なゆたむが「双子人形」なんて言い方されることで双子属性が付与されましたね。
これさらっと言ってますけどとんでもない癖が散りばめられてます。
衣装もやり取りも設定もいろいろと破壊力満点のお二人
個人的にはnayutaさんの衣装好きすぎてVacancyめっちゃ最高でした。

Lucid Hallucination
ここ最近で一番好きな曲
本当に辛い。
藍月なくるの、綺麗に光を透す毒の部分
水面の月を掬う様な、何も得られない愛を歌う
「記憶に映された姿など、虚像に過ぎないというのに」
なんてこれは鏡像なんだろうか、本当に
とても共鳴するタイプの曲です。
キモオタクなので、碌な恋愛なんてしてないので…



ガラスアゲハ
本当にこの曲すきで.…
なこれ2を中古で仕入れたのが最初の藍月なくるのCDでしたので、
その時から綺麗な曲だなぁと思ってましたが、
この曲に込められた真意(かもしれないもの)
を聞いて.…よかった.…

mirror
本当に人を狂わせる歌い方が上手いですね(ほめことば)
第二の表題曲みたいなところもあるこの曲
一番と二番、お互いがお互いを酷く眩しい物として見ているのが痛いほど伝わるのが本当に美しくて…

Monodrate
これなくちゃとオタクの事!?!?!?
考察は後でします。
あと
テアトル・エンドロール
は最初に藍月なくるに引き込まれた曲です。
そんなもん最後にもってくんな
しにました。

考察パート

それでは全体の考察、感想に移っていきます。
一曲一曲ちゃんと感想書きたい気もするのですけれど、
記憶力が相当低いため断念しました。

今回不思議に思ったのが、演出上の疑問とかストーリー展開とか沢山あるんですけれど、一番はなにか共鳴に近い感情や、崇拝、畏怖の感情が取り巻き、本来「ハッピーエンド」が好きな私がめちゃくちゃ情緒を取り乱したことでした。

私が特に情緒を持っていかれた曲の共通点を探した時、
Lucid Hallucinationはよくわからないのですけれど、
ガラスアゲハは「標本」という理想を歌った曲
Defectiveは「棗いつき」という藍月なくるに距離が近い存在が、藍月なくるに歌わせたくて作詞して曲
テアトル・エンドロールは過去の藍月なくるが自我を込めた曲
本当に、「藍月なくる」である部分にひどく惹かれるようで、

逆に「この曲って藍月なくるが作り出して表現したい闇だよね」
って表現者目線の曲では情緒を乱されることが少ないようです。

このことから「藍月なくる」に、
どこか私と似たルーツの様なものを感じました。
ここから先の考察は、「藍月なくる」を曲から解釈し、
「自分と似通ったところがある藍月なくる」
という
「自分が作り出した。鏡に映った自分を元に生み出した藍月なくるの虚像」
に、勝手に共鳴して解釈したものとなります。

他者である限り、それは「理解しえないもの」です。
ですが、
「理解しえない他人を、自己を通して理解を試みる」事はできます。
その解は間違ってるかもしれませんけれど、
私たちは
「証明できない事象に対しては、信じる事しかできない」のですから

でも、「考察なんてしなくていい」
とでも言うように、
彼女は私たちに脳死で、何も考えず、
むしろ考えさせない事を、MCで望んでいました。
「考えない方が楽」「知らなくていい」
とでもいうかのように。

ですが、隠匿された神秘は、人々に探求心を与えます。
きっとこれこそが罠で、
各々の感じるBADENDを、考察の末に引かせに行っているのでしょうけれど、

ここからが本題です。
「鏡文字」
というものがありますよね
鏡を通してみると文字が反対になるものです。
それを、ライブのMCに当てはめてみましょう。

「標本として大切な人の傍にずっといたい」
「標本にしてでもずっと傍に居てほしい」

「好きなように見て、穢して、消費してほしい」
「『こう見てほしい』姿がある」

「この藍月なくるという楽園から追放しないでね」
「この藍月なくるという地獄から救い出して」

と、

あくまで、鏡文字は文字を反対にするだけ
鏡に映る像も、実像も、「嘘」ではありません。
きっとこれは矛盾であり、二面性

だったら、藍月なくるは何を考えているのでしょうか。

そう思ったときに、自分はどう思うか考えました。
きっと「変わるのが怖い」のだという結論にたどり着きました。
だって、「標本」なんて言葉にこだわるのですから、
変わるのも、終わるのも怖いのかもしれません。

全てのものは変化をし、終わりを迎えます。
「藍月なくる」として活動してきて、
どれほど環境が変わってきたでしょうか。
現実逃避でインターネットを始めた黎明期
「死耳会」なんて言われるASMR作品群の構成メンバーとして愛されていた時期もありましたし、
「なくめびとり」なんて四人組が盛り上がっていた時期もありました。
「La prière」の三人で活動を沢山していた去年までの事が、
記憶に新しい人も多いと思います。
ファンだって増えて変わって、
活動の形態も完全に音楽とTRPGに振り切ったりしてて、

きっと、大切で愛おしい思い出がたくさんあって、
自分の歌で会場を埋め尽くす今がすごく幸せな部分もあって、

でも、だからこそ、どうしようもなく、今が輝いているからこそ、
いつか来る「終わり」が、怖いのではないかと思いました。
だからこそ、変わらない標本になって、美しいままで居たいのかもしれません。
「藍月なくる」という楽園が、輝けば輝くほど、
呪いのように枷のように「終わり」という地獄を垣間見るのです。
満たされれば満たされるほどに、光が強いほど影が色濃くなる。
それが「藍月なくる」という存在が抱える
クラリムステラや配信で常々語っている
彼女の本質たる「虚構」なんだと思います。

だからこそ、私にとってMonodrateは悲鳴のように聞こえたのでしょう。
「ここまで築き上げ来てくれた藍月なくるという楽園に苦しめられている。

もしそうなのだとしたら、
「藍月なくる」という存在が、あまりにも酷く心を締め付けるほどに、
自分の中身を晒してきてるんだろうなって、感じてきました。
「好きなように解釈してほしい」という半面で、
「本当の私に気が付いてほしい」って、いうかのように。

テアトル・エンドロールがそう聞くと
「綺麗な台詞だけじゃ貴方たちに届かない」
「だからこそみんなの望む『藍月なくる』を演じる」
「でも、本当に私に気が付いてほしい」
これだけじゃないですけれど、すべての歌詞が合点がいって見えます。

もうここまでくると単なる妄想ですが、
「藍月なくる」は、
もう期待しなくていいからこそ、不幸で終わるからこそ、
「バッドエンド」が好きなのかもしれません。

でも確実に、私は私自身を深く理解できました。
私が疑う必要もないほどに完璧なハッピーエンドを求めてしまうのは、
少なくとも「幸せが終わるのが怖いから」であり、
それゆえに酷く光に魅入られているという事は、
確かに自覚しました。
ですから、「これ以上期待しなくていい」という意味では、
バッドエンドも大好きですし、
バッドエンドはすぐには消費されず、絶えず咀嚼させるかのように、
脳に感情が残り続けます。
ですから、このライブを通して食わず嫌いも減ったのですよね。
自分のルーツを知ることができたので


本当に最高のライブでした。
バッドエンドでしたけれど、大好きです。
やっぱり最推しは藍月なくる1人なんだな…と思い知らされました。
一番のバッドエンドは次のホールの立川が聞くところによると席も音響も酷い場所らしい事だとか、同じキャパならドームシティーでやってほしいとかそういうお話は無しで


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