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ミックスボイスの本質(間違いなし)
結論:ミックスボイスの本質は、骨盤底筋呼吸である。
もっと言えば、歌唱発声時、我々が意識すべき最優先事項は、骨盤底筋呼吸であり、声帯及び声帯付近の鼻や喉仏への意識は、骨盤底筋呼吸に比べれば優先度は限りなく低く、むしろ意識しなくともよい、邪魔な意識といえるほどだ。
ミックスボイス習得に必要な意識は、人体の下腹部にある骨盤底筋を押し下げながら歌うことである。以上。
骨盤底筋呼吸については、下記リンク先の動画(DuelJewel 隼人氏、マホーン氏の両名に感謝)を参照されたい。この一本がすべて。
https://www.youtube.com/watch?v=f47ntlaU6PE&ab_channel=MAHONE
歌唱発声指導時によく言われる、「腹から声出せ」は正しい
私は長らく、カラオケを趣味としてきたが、いわゆる「腹から声出せ」「尻に力を入れるべき」等の意見を軽視していた。なんじゃそりゃと。
なぜかって、「結局歌声は声帯から出るんだから、声帯を鍛えればいいじゃないか」という考えのもと、声帯付近の器官の意識を優先させていたのである。
しかし、違う。逆だ。骨盤底筋だ。意識を骨盤底筋の押し下げのみに絞ることで、より効率的に声帯を鍛えることができる。
一見遠回りなことが、一番の近道であったのである。
(※だが、「腹から声出す」=「骨盤底筋押し下げ状態の発声」でなければ意味がない。例えば、単におなかを膨らませた状態などは、「腹から声出てない」といってよい。詳しくは上記動画参照。)
では、なぜ骨盤底筋呼吸が最強なのか?
正直、何も考えずに骨盤底筋を押し下げながら歌っていれば勝手に上達していくのだから、「なぜ?」というのは重要ではないかもしれない。だが、理由はある程度分かっていたほうがよい。練習の方向性を見失わずに済む確率が増す。
理由を簡潔に言えば、大きく二つだ。
理由1:骨盤底筋呼吸時、歌唱時の吐息の量はベストな量となるため、声が安定し、声帯へのダメージも減少するため。
理由2:下腹部を力むことで、反対に喉の力みが緩和するため。
理由1について、まず、なぜ歌唱時の吐息の量がベストな量となるのか?これは実際に骨盤底筋を押し下げてみればわかるが、息が普段より吐きにくくなるのがわかる。正直苦しい。疲れる。とてもリラックスしている状態ではない。だが、これでよい。
そもそも息の量については、吐きすぎさえ防げればよいと考えればよい。そして我々の多くは吐きすぎだ(吐かな過ぎてもだめだ。裏声っぽさや細い声に悩むものは息吐かな過ぎの可能性がほぼ100%だが、解決法は地声強めで元気に歌ってくれとしか言いようがないのでここでは省略する)。
通常の元気な歌うたいにとっては、吐きすぎを防げばベスト状態と考えてよい。よって思うように吐けない骨盤底筋が、必然的ベスト状態となる。
理由2についてだが骨盤底筋を押し下げながら歌うことで、歌唱時の意識は常時下腹部に集まる。そうすると反対に、喉回りの力みが緩和するのだ(下腹部を力むことで、喉回りが力みにくくなる、力む余裕がなくなる)。
これもでかい。結果として、下腹部が苦しい分、喉が楽になるのだから。
これらの理由から、「骨盤底筋押し下げ状態」=「腹から声出てる状態」は、歌唱時の声帯として、最も健康的な状態、正しいフォーム、練習効率が最も高い状態といえ、正しいフォームで練習すれば、必然的に上達する。
声帯への意識はいらないのか?
前提として、「ミックスボイス」は「低音~高音の各音域の発声に応じて、声帯が理想的に振動している状態」を指すものであるのは確かだが、意識を声帯付近に集めて練習したからといって、声帯振動など人間が意識的に操れるものではない。
声帯付近の筋肉など緻密すぎて、コントロールは不可能だ。たまたま上手いことコントロールできた日があったとしても、同じ状態が次回再現できるだろうか?おそらくできない。
だが、骨盤底筋を押し下げるという意識は、体が健康状態であれば、誰でもできる。
歌が上手い人間が意識していることを真似すればよかったのだ。彼らが共通して意識している本質、幹の部分を真似すればよかったのだ。
彼らが全員、まったく同じ、緻密な声帯コントロールなどを意識しているわけがない。彼らも人間なのだから、共通して意識できることなど限られている。
下腹部への意識が共通しているからこそ、歌が上手いのだ、もしくは上手くなったのだと考えるのが自然だ。
結論、骨盤底筋への意識ありの練習の積み重ねが、声帯の理想的な運動状態を形作り、結果としてミックスボイスが完成していく。
歌は正しく続ければ確実に上達する。卓球部に3年入れば卓球素人には負けないのと同様。
練習方法をネットで調べると様々ありすぎて、余計な意識や癖がついてしまう可能性もある(例えば、声を鼻にかける意識、鼻腔を響かせたりする意識などは、それによって上達する人もいるかもしれないが、本質的でなく、優先度が低い)。
結局のところ、優先度の低い意識は捨てて、最優先事項の本質(骨盤底筋呼吸)さえ押さえながら発声していけば、あとは純粋に練習時間を費やせば勝手にうまくなる(それでも半年単位でじわじわ上達するのが通常ペースだが)。
これが、私が現状わかっていることのすべて(ほかにも細々としたのはあるが、大した情報ではない)。以上。