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『軽く狂った感じのショートホラー本が頭に当たった!』 ~エピローグ~

 大学4年生の立希(たつき)は、アルバイト先から自宅に戻る途中、住宅街の夜道で頭に衝撃を受けた。
 衝撃の正体は、『軽く狂った感じのショートホラー本』と題されたハードカバーの本であり、その表紙には、ピンク色の鳥が逆さ吊りにされた気味の悪いイラストが描かれている。
 気になった立希が本を開くと、冒頭に『アヒル口の麗子』というミステリアスな美女が登場し、立希は本の内容に興味を持つ。
 本を片手に近くの公園に移動し、ベンチに座って本を読み進める立希。
 ストーリーはオムニバス構成になっていて、どれも少し違和感を覚えるような不気味な内容である。
 それに加え、ストーリーの合間に登場する『アヒル口の麗子』が、なぜだか立希をどこかで見張っているようなセリフを吐くことに、立希はさらなる薄気味悪さを感じてゆく。
 それでも、何とか最終話まで本を読み終えた立希は、公園のゴミ箱に『軽く狂った感じのショートホラー本』を捨てて家に帰ろうとする。
 
しかし、何気なく開いた最終ページに書かれた文字を見て、立希は全身に鳥肌が立つほどに震え上がった。
 そこには、こう書いてあった。

「立希。迎えに来たよ」

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