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採用こそ、企業の核心であり、拘るところ

こんにちは、就サポの高原です。

寒さが厳しくなり、秋を飛び越えて冬の気配が感じられる季節になりました。

最近、就サポでは、就活生へのサポートに加えて、企業側の採用支援(RPO)も行っています。今回のノートでは、企業支援を通じて感じたことや、本業の採用業務に対する想いについてお話しできればと思います。

近年、紹介会社(エージェント)の存在が採用市場で大きなトレンドとなっています。しかし、エージェントを活用する際の費用は高騰しており、これが中小企業や採用に十分な予算を割けない企業にとって大きな課題となっています。その結果、特に知名度が高くない企業や体力に余裕がない企業では、優秀な人材を確保するのが難しくなり、採用活動に苦戦するケースが増えています。

こうした状況の中で、就サポがどのように企業側の支援を行い、採用課題の解決に貢献できるかについても触れていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします

エージェントサービスの存在

ここ最近、紹介会社(エージェント)による就活や転職支援が大きなトレンドになっています。このサービスには賛否両論がありますが、特に採用活動が思うように進まない企業にとっては有り難い存在です。
まず、エージェントの仕組みについて説明します。エージェントは自社の媒体に学生や求職者を登録させ、面談を経て、企業に適した人材を紹介するビジネスモデルです。新卒採用の場合、学生が内定を承諾すると、企業にフィーが発生します。料金は1人当たり平均で数十万円にのぼり、場合によっては100万円を超えることもあります。ただし、入社前に内定を辞退された場合は返金が求められることもあります。一方で中途採用の場合、求職者が入社した際に年収の約30%がエージェントの手数料として企業から支払われます。たとえば、リクナビやマイナビなどの求人媒体に年間100万円で掲載する場合、エージェントサービスを利用して2人の採用が成功すれば費用対効果が高くなる計算です。そのため、大手企業などは利用しやすい一方で、採用予算が限られている中小企業や知名度が低い企業にとっては負担が重く、採用の難易度が高まる現実があります。
企業側から見ると、このシステムは確かに便利ですが、近年の費用の高騰により利用が難しくなりつつあります。将来的には、自社の力で採用活動を成功させる「オーガニック採用」への移行が重要になるでしょう。そのためには、一度にオーガニック採用を目指すのではなく、段階的に採用体制を整え、質の高い採用を実現していくことが求められます。
一方、学生目線では、エージェントサービスのおかげでスムーズに就活が進み、満足度が高いケースも多いでしょう。しかし、「自分の力で就活を進めたい」「スピード感を持って進めたい」と考える学生には少々物足りなさを感じるかもしれません。特に就サポが支援する学生の中には、エージェントのレスポンスの遅さや、就活・転職に対する専門性の不足に不満を抱くケースも見られます。エージェント担当者は採用のプロではないため、どうしても企業視点や採用担当者の実務理解に欠ける点があるのは否めません。

採用は、どう相手の心を掴むかが重要

採用活動において、最も重要なのは「いかに相手の心を掴むか」です。新卒採用であれば「学生」、中途採用であれば「社会人」と、対象者は異なりますが、共通して言えるのは、候補者のハートをキャッチすることが採用成功のカギだということです。そのためには、単に選考フローを整えるだけではなく、企業内部を充実させ、求職者にとって魅力的な環境を整えることが重要です。
近年、学生が企業を選ぶ際に重視するポイントとして、1位「働きがい・やりがい」、2位「成長機会」、3位「ワークライフバランス」、4位「企業の安定性」、5位「給与・待遇」が挙げられます。一方、中途採用においては、1位「キャリアの次のステップ」、2位「待遇・給与」、3位「働きがい」、4位「職場環境」、5位「社内の風通しの良さ」などが重視される傾向にあります。特に若い世代では、企業の理念やビジョン、働く環境が自身の価値観に合っているかが企業選びの大きなポイントとなっています。
今や企業が人材を選ぶ時代ではなく、求職者が企業を選ぶ時代です。そのため、企業は求職者に対して上から目線で対応するのではなく、「求職者に寄り添う姿勢」を持つことが重要です。トレンドに身を任せるわけではありませんが、求職者が大切にしている価値観やニーズに応えることで、心を掴むことができ、結果として優秀な人材が集まります。さらに、面接の場は求職者にとって企業の第一印象を決定づける大切な場です。面接場所の清潔感や整備状況、面接官の身だしなみや清潔感も、求職者が「この企業で働きたい」と思えるかどうかに大きく影響します。細やかな配慮が求職者にとっての安心感や信頼感を生み、企業への好印象を与えることにつながります。
採用活動はただの選考プロセスではなく、候補者の心を掴むコミュニケーションの場です。企業が求職者の気持ちに寄り添い、共感し合える関係を築くことができれば、採用の成功に一歩近づくことでしょう。

採用は圧倒的に戦略で

採用活動において最も重要なのは「相手の心を掴むこと」ですが、これは大前提に過ぎません。求職者の心を掴むためには、全体の流れを戦略的に計画し、必要な要素をしっかり整えることが鍵です。

  1. 母集団形成
    採用活動の入り口となる母集団形成は、適切なターゲット層を集めるために欠かせないプロセスです。ターゲット層に合った求人媒体やSNSの活用、さらには大学や専門学校との連携も考慮します。求人媒体にはそれぞれ異なる特徴があり、新卒向け・中途向けと使い分けることも効果的です。SNSにおいては、若い求職者にアプローチしやすいInstagramやTwitterの活用、あるいは職種によってはLinkedInが有効です。さらに、各地の大学や専門学校のキャリアセンターとの連携を通じて、ターゲット層がアクセスしやすい窓口を設置することも、企業の認知度向上につながります。こうして母集団形成を計画的に進めることで、採用基盤を確立し、質の高い候補者を集めやすくなります。

  2. 採用ブランディング
    企業の理念やビジョン、職場環境の魅力を発信し、企業の「らしさ」を打ち出すことで、求職者に響くメッセージを届けることが求められます。ここで効果的なのが「ペルソナ設定」です。ペルソナとは、理想的な候補者をイメージした架空の人物像であり、年齢や経験、価値観、行動パターンなどを具体的に設定することで、ターゲット層に響きやすいメッセージを構築することができます。ペルソナに基づいた訴求ポイントを明確にすることで、理想の候補者層に向けた効果的な発信が可能になります。

  3. 選考フローの設計
    選考プロセスは、スムーズで無駄のない進行が求められます。シンプルかつ明確なステップで構成し、求職者にとってわかりやすい流れにすることが理想です。例えば、書類選考、一次面接、最終面接といった段階を分かりやすく提示し、各段階で求職者が何を期待されているのかを明示します。スピード感を持って進行することで、優秀な人材を他企業に奪われるリスクを軽減することができます。また、選考過程で仕事内容や企業の価値観を丁寧に伝え、求職者が入社後の姿をイメージしやすいプロセスを設計することも重要です。さらに、フィードバックを迅速に行うことで、求職者にとっての満足度も高まります。

  4. 面接・社内見学の場の整備
    面接や社内見学は、求職者にとって企業の第一印象を決定づける重要な場面です。面接場所の清潔さや快適さはもちろん、空調や照明といった環境の細かな配慮も求職者の印象に影響を与えます。また、面接官の身だしなみや言葉遣いも、求職者が「この企業で働きたい」と感じるかどうかに大きく関わります。さらに、社内見学を通じて実際の職場の雰囲気やチームメンバーの様子を見せることで、求職者にリアルな職場イメージを持ってもらうことができ、入社後のギャップを減らす効果も期待できます。

  5. 内定後のフォローアップ
    採用の成功には、内定後のフォローアップも欠かせません。内定を出しただけで終わらせず、入社までの間に細やかなサポートを提供し、不安や疑問を解消することで、入社の意欲を高めることができます。例えば、内定者向けの説明会や懇親会を開催し、内定者同士の交流の場を設けたり、配属予定の先輩社員と面談する機会を設けるなど、入社前から企業文化に馴染んでもらう工夫が効果的です。また、入社に向けた準備についての案内やサポートを行うことで、求職者がスムーズに新しい職場に移行できるように配慮します。

このように、採用活動の各プロセスを計画的に整え、求職者が「この企業で働きたい」と感じる体験を提供することが、採用の成功を左右する重要な要素です。

就サポだからできること

オーガニックでの採用に課題を抱える企業の皆さまに向けて、就サポでは採用支援を行っています。これからも引き続き、企業の皆さまが持続可能な採用体制を構築できるよう、サポートしていきたいと考えています。
採用においてエージェントへの依存が増える中、我々は企業が自ら採用力を高め、オーガニックで優秀な人材を獲得できるよう支援します。特に、会社説明会や一次面接といった重要なフェーズにも積極的に関わり、企業の想いがダイレクトに求職者へ届くサポートをしていきたいと考えています。具体的には、以下のようなサポートを提供しています。

  1. 採用ブランディングの構築支援
    自社の魅力を伝えるための採用ブランディングを、ペルソナ設定などを通じて一緒に構築します。企業のビジョンや文化を求職者に響く形で表現し、ブランド力を高めるサポートを行います。求職者の心に残るメッセージを創り上げることで、採用の質を向上させます。

  2. 母集団形成の支援
    求人媒体の選定、SNS活用のアドバイス、ターゲット層にリーチするためのチャネル戦略など、効果的な母集団を形成するための支援を行います。企業の採用に最適なツールや連携先を提案し、求職者がアクセスしやすい環境を整えます。

  3. 選考フローの最適化
    採用プロセスの改善やスピード感ある進行を実現するための選考フローの設計をサポートします。選考過程で求職者に企業文化や価値観を感じてもらえるよう、適切なコミュニケーション方法もアドバイスし、面接の質を高めます。可能であれば、一次面接の実施を代行し、スムーズな選考をサポートします。

  4. 入社前フォローの強化
    内定後のフォローアップが不足している企業には、入社前のサポートや内定者向けの施策提案を行い、早期離職を防ぐための体制構築を支援します。内定者との関係構築に必要なコミュニケーション方法もアドバイスし、安心して入社できる環境を整えます。

就サポの圧倒的強み

就サポの最大の強みは、求職者と直接面談しながらサポートしていることです。特に新卒をメインに、一人ひとりの求職者と向き合い、深いレベルでの悩みやニーズを理解しています。この経験に基づき、多くの実績を築いてきたため、企業からの信頼性も確立されています。さらに、日々学生や社会人と対話することで、最新の就職・転職トレンドや求職者のニーズをいち早くキャッチし、企業にとって価値ある情報を提供することができます。

就サポは、単なるエージェントではなく、企業の一員として寄り添い、企業と対話を重ねながら進めていきます。「For You」の精神を大切に、企業のニーズを理解し、共に課題を解決しながら、長期的に持続可能な採用体制を構築するパートナーとしてお手伝いをしてまいります。

最後に

近年、採用界隈にも新しいサービスが次々と登場し、確かに便利な時代になってきました。しかし、これらのサービスが良い・悪いというよりも、採用はやはり「自社で行う」ことが最適なのではと私たちは考えています。確かにエージェントは便利ですが、費用面を考慮することも大切です。エージェントも事業会社であり、営業担当には売上や粗利を達成する目標があるため、資本力のある企業に紹介を優先したくなるのは自然なことです。つまり、たとえ現在エージェント機能を活用していても、より資本力の強い企業がそのエージェントを利用し始めると、そちらにリソースが集中する可能性があるのです(絶対ではありませんが)。これは、企業が成長や繁栄を目指すうえで起こり得る現象です。だからこそ、採用においては「資本」で戦うのではなく、「企業の価値」で勝負することが重要です。企業の価値をしっかりと伝え、求職者が「ここで働きたい」と思えるような採用活動を行うことが、長期的な成長につながります。

ぜひ、就サポと一緒に、企業の価値で勝負する良い採用を実現していきましょう。


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