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昆虫観察
猫不夜(ねこよらず)という植物がアゲハ蝶やクロアゲハとの出会いを作ってくれました。
夏も真っ盛りだし、ちょっと夏休みの観察気分で書いてみました。
大人になってから初めて肉眼で見た”蝶の羽化”。
目の前で蛹(さなぎ)から蝶が出てくるところを見たときには、ちょっと胸に迫るものを感じてしまい、大の大人が声を上げて喜んでしまいました。
それ以来、今年もまた見たいなと思うようになりました。
きっかけは猫不夜(ねこよらず)
猫たちの糞にどうした事かと悩まされていた2年前に、
妻が見つけてきた”猫不夜(ねこよらず)”の木が蝶の飼育の発端です。
猫不夜。これで”ねこよらず”って読むんだ。
ここからは、少し読みにくいのですが猫不夜は漢字変換が厄介なのでひらがな表記で失礼します。
(ひらがなが多いと読みづらいですよね)
そのねこよらずの木、どうやら猫たちはこの木が放つ匂いが嫌いらしいというので、これで猫の糞対策になるのであれば。くらいの期待値でホームセンターから買ってきたのですが、これがこんな素敵な出会いをもたらしてくれるなんて。
しかも、
蝶にばかり気を取られて全く忘れていたのですが、
猫たちも去年あたりからあまり見かけなくなっているのに今日気が付きました。
これがねこよらずの効果なのか?
それとも私たちが蝶を気にするあまり、頻繁にお庭に出てくるので猫も警戒してお引取りいただく結果になったのか?
まあ、こういう事も含めてねこよらずの効能。ということでOKでしょう。
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これに蝶が卵をポンポン産みつけていくのだ。
ところで、
私の様な昭和世代の人の中には、子供の頃に”昆虫博士”と呼ばれていた人は少なくないと思います。
私も子どもの頃は昆虫博士と近所のおじさんやおばさんからもてはやされて浮かれていたような気もするし、大人になった今でも、
「俺は虫には詳しい」と潜在的に思っている節もあります。
とはいえ今となって冷静に思い起こすと、
純粋に卵から成虫まで見届けたことのある昆虫となると、
カブトムシやクワガタ、カマキリぐらいしか思い浮かばない。これは寂しい現実ですが、だとしたらそれ以外の昆虫たちについての知識はどこで得たのか?
それは多分、実体験ではなく昆虫図鑑によるものが大きいのです。
何度も何度もページをめくってヨレヨレになった昆虫図鑑が、今も本棚にあったりします。
緑色の蛹(さなぎ)
2年前のある日、買ってきた”ねこよらず”の木に緑色の幼虫がついているのに気が付きます。
それがアゲハ蝶やクロアゲハの幼虫であることを知ったときには、昆虫採集に明け暮れた子ども時代の感覚に回帰し、新鮮な気持ちになったものです。
しかし今度は、どの幼虫も大きくなると突然姿を消してしまうという謎に(鳥かなんかの餌食なったのか何なのかな…)ぶち当たります。
何たる事だと小首を傾げていたのですが、
どうやら幼虫たちは蛹になる場所を求めて旅に出るらしい。
という情報を得て、次の年からは幼虫がザワザワと落ち着きが無くなってきたら、
段ボール箱などに入れるとそこで蛹に変身してくれました。
茶色い樹木のような色をした蛹になって、やがて2週間ほど経つと綺麗なアゲハ蝶にその姿を変えてくれる訳です。
この年齢まで、蝶々の生態すら知らなかった昭和の昆虫博士は思いました。
大の虫嫌いの妻が蝶々の飼育に成功してしまうなんて。(卵から成虫まで)
これがインターネットの威力なのかと。
ちなみに蝶々の飼育については妻が担当。私は観るだけに近いです。
ところがこの夏のこと。
1匹の幼虫が鮮やかな緑色をした蛹になっていたのです。
その緑色のなんとも綺麗なこと。すがっていた”ねこよらず”の葉っぱの色とそっくりの色合いです。これにはまた声を上げて驚きました。
ちょうどその日、ラジオ放送「夏休み子ども科学電話相談」を仕事中の車中で何気に聴いていたら、緑色の蛹について質問しているお友達がいるではないですか。えマジで?
先生によると、幼虫は蛹になった場所の感触で色が変化する。
とのことでした。
段ボールのようなザラザラで平べったい場所では茶色に。
プラスチックケースのようなつるつるした感触の場所や、
細い枝のような場所では緑色の蛹に変身して、うまく擬態するのだそうです。
なるほど。これが良く聞く昆虫の擬態なのですね。
と、驚いた昭和の昆虫博士ですが、
こんな事は良くあることでそんなに特別な変異とかではないそうです。
私が知らなかっただけなんですね。
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小さいラブレの容器に収まっている姿がなんだかかわいい。
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他の植物と一緒にすると同化してまったく判らなくなる。
昆虫の擬態ってすごい!
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さよなら緑の蛹よ
緑色した蛹。どんな蝶に変身するのか楽しみなのですが、
実は小学生の息子さんがいる同僚に差し上げることにしました。
興味深々で昆虫大好きな少年にあげるのが一番!
そう妻と意気投合し、先日その方にお譲りしました。
緑色の蛹よ、がんばれ!
”令和の昆虫博士”に蝶になるところを見せてあげておくれ。
最後まで読んでくださりありがとうございました。