ImageJを用いて海馬のHE染色画像から錐体細胞核の個数をほぼ自動化でカウントするシステムの構築について、必要なステップ、ツール、チェックリスト、アイデアを提案します
1. 必要なもの
ImageJ(Fiji): ImageJの拡張バージョンで、プラグインが豊富。
HE染色画像: 高解像度で、細胞核が明確に見えるもの。
プラグイン:
Thresholding: 細胞核を抽出するための二値化処理に使用。
Watershed Segmentation: 細胞核が重なっている場合に使用。
Analyze Particles: カウントを行うために使用。
Trainable Weka Segmentation(TWS): 機械学習を使ったセグメンテーション。
2. システム構築手順
ステップ1: ImageJのインストールとセットアップ
1. ImageJまたはFijiをインストール。
2. Fijiを使用すると、Trainable Weka Segmentation(TWS)などの機械学習プラグインも標準で使えるため推奨されます。
ステップ2: 画像の前処理
画像のフィルタリング: ノイズ除去や画像の平滑化を行います。
[Process] > [Filters] > [Gaussian Blur]で平滑化し、細胞核が明確に抽出されるようにします。
コントラストの調整: 細胞核がはっきりと分かるようにコントラストを調整します。
[Image] > [Adjust] > [Brightness/Contrast]で手動調整。
ステップ3: 細胞核の検出と分離
しきい値処理: 細胞核を二値化するためのしきい値を設定。
[Image] > [Adjust] > [Threshold]でしきい値を調整。
細胞核の分離(Watershed Segmentation): 細胞核が重なっている場合、[Process] > [Binary] > [Watershed]を使って分割。
ステップ4: 錐体細胞核のカウント
粒子解析(Analyze Particles): 細胞核の個数をカウントします。
[Analyze] > [Analyze Particles]を選択し、サイズや円形度などの条件を指定して、適切な細胞核をカウント。
ステップ5: 機械学習による自動化
Trainable Weka Segmentation(TWS): 手動のしきい値設定やカウントが難しい場合、TWSを用いて機械学習によるセグメンテーションを行い、自動化を促進。
TWSでは、細胞核と背景をラベル付けしてトレーニングを行い、そのモデルを使って他の画像にも適用できます。
3. チェックリスト
[ ] ImageJまたはFijiがインストールされている。
[ ] 解析対象のHE染色画像が準備されている。
[ ] Gaussian Blurなどのフィルタリングが適切に行われている。
[ ] Thresholdingによって細胞核が抽出できている。
[ ] 重なった細胞核の分離がWatershedで適切に行われている。
[ ] Analyze Particlesで細胞核のカウントが行われている。
[ ] 必要に応じてTWSによる機械学習モデルが構築されている。
4. アイデア
プラグインの自動化: ImageJのマクロ機能を使って、画像の読み込みからカウントまでのプロセスを自動化できます。
[Plugins] > [Macros]で繰り返し作業をスクリプト化し、他の画像にも適用可能にする。
ROI(Region of Interest)設定: 海馬の特定領域のみを解析したい場合、ROIを設定してカウント対象を限定することで精度を向上できます。
バッチ処理: 多数の画像を処理する場合、ImageJのバッチ処理機能を活用することで、複数の画像を自動で一括解析可能です。
TWSの精度向上: Trainable Weka Segmentationで、細胞核以外の不要な構造物を除外するため、追加のラベル付けを行うと、モデルの精度が向上します。
アイデアとして挙げた内容をさらに具体的に構築する方法、必要なもの、チェックリストについて以下にまとめます。
1. 構築方法
プラグインの自動化(マクロ機能の活用)
1. マクロ記録の開始: ImageJでマクロを自動的に記録できます。
[Plugins] > [Macros] > [Record] を選択し、手動で画像を読み込み、しきい値設定、Watershed処理、Analyze Particlesでカウントまでの一連の作業を行います。
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